2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

矢部武『世界で一番冷たい格差の国日本』

アメリカが、NGOにさまざまに、税制優遇していることは知られている。 宗教系の、ボランティアと合わせても、相当の、人たちが、ボランティアで、社会奉仕を行っている。 アメリカの、サブプライムローンによって、多くの人が、家を奪われ、路頭に迷って…

菊池英博『消費税は0%にできる』

平和、とは何であろう。 もちろん、こういう、形容詞は、うさんくさい。 相対的でしかありえない、こういう表現を、やたらと強調することには、なんらかの意図を疑いたくなる。 日本は、島国で、江戸時代から、おおむね、「平和」であった。しかし、なにも起…

尾関章『量子の新時代』

科学ジャーナリストの、佐藤文隆、尾関章、の共著で、量子情報科学者の井元信之へのインタビューを収録。 私の科学に対するイメージは、トマス・クーンの、『コペルニクス革命』という本に、大きく影響されていると思う。 クーンは、この中で、どのように、…

吉田戦車『伝染るんです。』

一時期、はやった、このマンガを、今、文庫で読んでみている。 このマンガは、文庫では、全五巻のようなのだが。 なんだろう。 第三巻の途中くらいから、なんとも言えないような、恐しい、強烈なインパクトをもってくる。 第三巻の前までは、言ってみれば、…

中島隆博『荘子』

私はこの、荘子、という書物を重要だと思っている。 その理由はなんだろうか。 それは、これこそが、諸子百家の、百家騒乱とした、議論の応酬を最終的に終わせたものと考えている部分があるからだ。 つまり、これが「答え」なのだ。 荘子を、道家、というカ…

凡庸さ、について

椎名林檎のニューアルバムがでてましたね。 でも、それについて、言いたいことはないですね。 どうも、私の彼女の印象は、初期の作品で止まっているようだ。 凡庸であること。むしろその、凡庸さは、もう、新しいことは「ない」という、諦念なのかもしれない…

文明開化

日本をなにか、オリエンタリズム、ではないが未開の国、として扱いたがる、欧米の人の意識を感じるわけです。 しかし、それはおかしい。 日本では、はるか昔から、欧米人、のことを知っていた。もちろん、フランシスコ・ザビエルなどの、キリシタン、である…

瀧井一博『文明史のなかの明治憲法』

この本は、以前紹介した、明治六年政変、の後日譚、のような本である。 明治六年政変、の派閥闘争に勝った、犬飼、や、伊藤ら、のアイデアは、ドイツ流の、憲法制定、であった。 伊藤、などの、岩倉使節団、のメンバーは、各国の民主政治の混乱を見る中で、…

川村湊『妓生』

著者が、妓生について、関心をもつようになった、きっかけについて、まず、始めに書いている。 玩月洞 = ミドリマチとは、どんな街だったのか。私は1982年から86年までの4年間、釜山市内の私立大学で日本語の教師をしていたのだが、時々、そのあたり…

祇園祭

今週は、ちょうど、山鉾巡業でしたね。日本三大祭と呼ばれる、この、祇園祭、は、起源としては、疫病の災厄の除去のため、平安時代、くらいからと言われて、実際、今の形になったのは、江戸時代の少し前なのだろう。 それにしても、不思議な、祭である。中国…

西尾維新『化物語』

読切り型の連続短編小説、のような感じなのでしょうか。テレビアニメ化ということで少し読んでいる。 まあ、最近話題の、村上春樹の小説や、エヴァ、より、こっちかな、という根拠のない話ですが。 とりあえず、上巻を読んでいる。 高校生男子の、あららぎ、…

長山靖生『テロとユートピア』

橘孝三郎、について、今、あらためて考えることの意味はなんなのだろうか。 井上日召、などの、いわゆる、血盟団、の、5・15事件、こそ、あらゆる意味でも、戦前の日本のターニングポイントであっただろう。 しかし、この事件の前に、世界において、非常…

ストア主義でなにがわるい

ヘーゲル進歩主義者は、ストア派を、ぼろくそ、言う。 ようするに、「利己的」なんだとさ。そうである限り、道徳的に、下の下、だと。 しかも、ヘーゲルばかは、このことが、まるで、あらゆる「前提」のように、話しやがる。 しかし、そうかね。 ストア派こ…

吉田真樹『平田篤胤』

一言で言って、前半は、まあまあ、おもしろかったが、後半は、あまり、おもしろくなかった。 篤胤を、どのように捉えるか、というのは、重要であろう。特に、明治維新を考える場合には。 里子にやられ、貧乏御足軽の家にて苦々しく六歳まで養はれ、既におき…