2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

原田泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか』

この本も、多くの統計資料が掲載されていて、なかなか楽しい内容になっている。 掲題の本の議論は、大きく二つに別れるのではないか。 なぜ日本人は貧しい人が多いのか なにが原因で日本は不況(デフレ)になったのか(なぜ抜け出せないのか) ほとんど今の…

野口悠紀雄『世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか』

ハイエクの自生的秩序というアイデアがある。ようするに、経済を自由にやらせれば、それなりの秩序が生まれて、それなりにバランスする、ということらしい。ここで大事なことは、いずれにしろ、こういう方法「だけ」が長期的にみて効率的なのだ、という考え…

KOKIA「私の太陽」

日本の庶民文化において、祈るという行為が、日常的に行われていることは、私のような人間には、驚きをもって、実感させられる。それを一番感じたのは、法隆寺に行ったときであった。百済観音像は、ある小さな最近できたばかりの博物館のようなところに、ガ…

冷静になること

宮崎の口蹄疫問題が、なかなか解決の糸口がつかめない。状況がなかなか、解決に向かっているという話が聞こえてこない。 特に心配になってくるのが、そのまんま東さんの、twitter のつぶやきが、ずっと深刻な胸の内を吐露していたことであった。なかなか見る…

ひろゆきvs勝間

おもしろいですね。お二人とも。 とくに勝間さんの方ですね。 それにしても、なぜ、ひろゆきさんが、反論したのか、ですね。 当然ですよね。自分が何年もの間、管理して、育ててきた、2ちゃんねる文化は「悪」だって言っているようなものでしょう。あなたの…

NHKスペシャル「シリーズ日本と朝鮮半島 第2回」

今回の内容は、かなり重要な印象を受けて見ていた。 韓国は2008年、親日行為者財産国家帰属特別法を作り、戦中の親日派の粛清を行った。 今ごろである。 彼らの資産を没収し、戦後の決算を行ったわけである。 完全な遡及法である。 なぜこの時期かと考え…

小野善康『不況のメカニズム』

(前回は、ちょっと衒学的な数学の話題をさせてもらった。そんな数学の話をしたくなったのは、以下の部分がちょっと気になっていたことも関係しているかもしれない。) さて、みなさんは、以下の本の「第一章 本の選び方・買い方・読み方」を読んで、どう思…

青山広『論理体系と代数モデル』

つい最近、ちょっと、おもしろい、数学書をみかけたので、紹介したい。 今どき、数学書がおもしろい、って、なんの話と思われるかもしれない。 ただ、それがどうして、おもしろいのかを、説明するには、ちょっと用意が必要である。 以下、がんばってみる。 …

デフレ

今週の、videonews.com は、飯田泰之さんの出演でしたね。なかなかおもしろかった。特に、ケインズのデフレ論の部分にふれているところが、さらっとでしたけど、おもしろかった。 日本はここ何年も、「経済成長なし」ってことになっているらしいけど、これっ…

長門有希の百冊

アニメ映画「涼宮ハルヒの消失」を今ごろ見に行った。平日の仕事終わりだったけど、けっこう、観客がいた。女性もけっこういた。 といいますか、テレビアニメ版の「涼宮ハルヒの憂鬱」も最近やっと、最初から最後まで見たばかりであった。原作はほとんど見て…

メキシコ湾原油流出

ちょっと、前代未聞のことが起きているようだ。 ものすごい地底深くから掘り出している石油が洩れて、海にだだ流しになっているそうである。こんな事態についての話は「聞いたことがない」。 しかも、もう事態が発生してから、何日も経っているが、今だに、…

柄谷行人「仏教とファシズム」

人によっては、一つ前のブログで、キリスト教について書いたので、今度は仏教だろう、と予測した人がいたのかどうかは、さだかではないが(そもそも、このブログを読んでる人なんているのか?)、正直に言えば、次に仏教について書こうと思って、前のブログ…

柄谷行人「場所についての三章 3. イエスの場所」

これからの、さまざまな批評においても、当然のように、宗教に関する認識が多くの場面で検討されることになることは事の必定であろう。 ただ、そういった場合に、その人がどのような「宗教」を頭にイメージするのかは、非常にクリティカルである。宗教という…

森見登美彦『四畳半神話大系』

アニメ化だそうで、ひとまず、読んでみた。 青春とはなんだろう。などという、ちょっと甘酸っぱいことを言ってみたりするが、掲題の小説は、まったくもって「期待に応えてくれる」。 この小説は、4つに分かれていて、それぞれが、主人公が、「バラ色のキャ…

岡田康宏『日本サッカーが世界で勝てない本当の理由』

マンガ「GIANT KILLING」をみていたとき、なにより印象的だったのは、変な話であるが、椿大介(つばきだいすけ)という少年の「性格」であった。 女性フリージャーナリストの、藤澤桂(ふじさわかつら)は、椿くんのルーツを探るため、彼の生まれ育った田舎…

長谷川幸洋『日本国の正体』

日本の政治には、ときどき、「変な」事件が起きる。 一番の典型は、故中川昭一さんの例のよっぱらい会見である。 しかしこれは、よく考えると変である。だって、回りには多くの「官僚」が彼のサポートをしているのだ。こんなことが起きるわけがないではない…