2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「悪」の経済学

原発推進派と反原発派の議論がなぜ、かみあわないのかと考えたとき、そもそも 「ごみ」の経済学 の考え方が違っているんじゃないか、という印象を受ける。 そもそも、経済学において「ごみ」の問題は「なぜか」顕在化してこない。「ごみ」とはなにか。「ごみ…

片岡剛士『円のゆくえを問いなおす』

日本経済の問題が、「デフレ」であると語られて、久しい。失われた20年から、はて、何年たったであろうか。 リーマン・ショック以降、わが国は急激な円高に見舞われました。 ドル/円レートでみると、2011年は過去最高値を更新し続けた年でもあり、1…

和田司『吉本隆明『共同幻想論』を解体する』

私は別に、ここで、吉本隆明の社会理論を考えたいわけではない。つまり、もしそういうものがあるとしても、興味はない。 そもそも、吉本隆明は非常に長い間、日本の文脈において、発言し続けた。古くは、60年安保から、老眼のため文字が読めなくなっていた…

白井聡「永続敗戦論」

私たち日本人は、素朴に「戦後」という言葉を、使う。しかし、もしその言葉を使うことに違和感をもたないなら、じゃあ、どうなったら「戦後」が終わるのか、のアイデアがなければならないように思われる。 「戦後」でなくなる、とは、どうなることなのか。 …

韓国大統領の止まらない本音

韓国大統領が、天皇が訪韓する場合の、天皇の謝罪の「やり方」に、公(おおやけ)の場で、「注文」をつけたことが、日本の国政の場で、問題になっている。 まずは、この大統領が実際に何を言ったのかを、「全て」オープンにさせることが最初であるだろう。「…

地方への忸怩たる思い

地方は、完全に自動車社会になっている。それは、言わば、「彼ら」が望んだとこであったのだと思う。もちろん、こういった言い方が、なんらかの彼らの真実を言い当てている、と言うつもりはない。 しかし、私が言いたいのは、事実として、地方は自動車をもっ…

武田知弘『生活保護の謎』

掲題の新書は、生活保護という日本の制度が、今、どういった状況にあるのかを、現場レベルで、丁寧に説明してくれている。多くの日本人が知らないだろう、かなり、細かい部分まで説明されている。 日本の有識者は、よくセーフティーネットという言葉を、水戸…

山森亮『ベーシック・インカム入門』

大阪維新の会が、政策の一つとして、BIの「検討」を、かかげたことで、この日本においても、BIへの注目が集まり始めている。 しかし、そこでのBI論の要旨は、ようするに、BIやれば福祉が削減できる、という、かなり「えげつない」話にしか聞こえない…

いじめという「傷」

私は、成熟だとか成長だとかいう言葉を聞くと、なんとなく虫酸が走るときがある。どうしても「アンビバレント」な感情が内側からわいてくる。もちろん、こういった言葉こそ、ヘーゲル哲学的なアイデアにとって、最も重要なキーワードであることを分かった上…

丸山眞男「『忠誠と反逆』合評会コメント」

今週のアニメ「戦国コレクション」の今回の主人公、吉継は、毎日、工場に通い、オートメーションの流れてくる缶詰の蓋を閉める作業を行う女の子。毎日、工場長に失敗を怒られる日々であり、同僚がボーリングに行くのに、一緒に行きたいと言いだせない、自分…

遠藤慶太『東アジアの日本書紀』

私たち日本人にとって、日本書紀という書物は、一言で言えば、「謎」の塊のような存在である。 この漢文で書かれた書物は、日本の「正史」として、最初にして、唯一の存在というのは、一般に「正史」とはそういうものであることから、理解できなくはない。し…

鶴見済『脱資本主義宣言』

(完全自殺マニュアルの作者が、こういった本を書くようなことを考えてきていたというのは、ちょっと、意外な気もしたが、ある意味、これが、著者の論理的帰結だったのだろう。バランスよく、よく考えて書かれている印象を受ける...。) 利便性と浪費は、ど…