2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

槌田敦「これは事故を超えて犯罪だ」

福島第一原発の事故は、「犯罪」なのだろうか? これについて、なんと、政府の事故調査委員会の報告書は、「問わない」として、まとめられた。これによって、政府の事故調査委員会の報告書は、たんなる、ゴミ屑になってしまった(つまり、責任を問わないよ、…

圧倒的みなみけ

中国では、戦後、一人っ子政策が続いている、と言われている。しかし、その実態は、どういうものなのだろうか? 村上春樹が、むかし、自分が一人っ子であることが、自分の小説に大きな影響を与えている、と書いていたような記憶がある。つまり、彼が言いたか…

久保陽一『ドイツ観念論とは何か』

一般にカントは、普遍的な、形而上学を、「ドイツ観念論」というものの祖型として、提示した、と受け取られている。それが、いわゆる、「ドイツ観念論」側の、主張だと言える。 というのは、いわゆる「ドイツ観念論」は、実際のところ、カントから始まってい…

山下祐介『東北発の震災論』

私は、けっこうマジな話で、東京が嫌いだ。というのは、この日本が完全に東京一極集中の社会システムになっており、それが、戦後ずっと続いてきて、今もそうであり、おそらく、これからも、そうなのかと考えたとき、そこにあるのは、東京の おごり なんじゃ…

尾藤正英「国家主義の祖型としての徂徠」

丸山眞男は、日本の近代思想の祖型として、荻生徂徠を見出した。そして、その丸山の議論は、戦後の日本思想の研究者に、さまざまな意味において、長く強力な影響を与え続けている。 しかしそのことは、単純に徂徠の思想が、西欧近代合理主義の、日本における…

若者の仕事

日曜は、映画館で「レ・ミゼラブル」を見た。ぱらぱらと、ご高齢者がいたが、ほとんどが、若者であった。こういった古典で、ほぼ全席が埋まっていたことは、意外なのかもしれない。 全編がオペラ風の歌声によって構成されている。映画の内容は、よく知られた…

砂原庸介『大阪』

東京に住んでいる人たちには、まったく、関心の範疇になかったことが、この平成において、全国で起きていたのが、いわゆる「平成の市町村合併」であった。 しかし、これは、なんだったのだろうか? 特例債などによる、さまざまな財政支援措置によって、市町…

みなみけコスモロジーと「おかわり」問題

漫画「みなみけ」は、高2のハルカ、中2のカナ、小5のチアキの三姉妹を中心に描かれるギャグマンガだと思うのだが、まずもって、その作品世界には、幾つかの謎がある。 まず、三姉妹の両親が登場することはない。20代のイトコのタケルが、時々、現れるく…

日本の憲法は改正が可能なのだろうか?

そもそも、日本の憲法は改正が可能なのだろうか? 第96条において、確かに、改正手続きの条項がある。ところが、第99条では、(公的な立場の人たちに、ではあるが)憲法尊重義務が課せられている。ということは、改正をやっていいのか、という話にならな…

コリン P.A.ジョーンズ『アメリカが劣化した本当の理由』

そもそも、アメリカという国は、どういう国なのだろうか。 連邦議会を規定した憲法第1章第1条には、「この憲法によって付与されるすべての立法権は、上院と下院で構成される合衆国連邦議会に属する」と書かれている。つまり、連邦政府の立法権が限定されて…

鴨志田一『さくら荘のペットな彼女』

(まだ、3巻までしか読んでいないが、だいたいテレビアニメの方が、それくらいなので、まあ、いいかな、と。) このラノベにおける、登場人物は、だいたい、二種類に分けられる。 天才...ましろ、美咲、龍之介 凡人...空太、七海、仁、リタ 主人公の高校生…

小杉泰『イスラーム銀行』

(長岡慎介との共著。) アニメ「マギ」を見ていて、あの「千夜一夜物語」の世界、中東の世界が、大変に興味深く思われた。 特に、モルジアナという少女が代表している「奴隷」制度が、自民党の憲法改正案における、基本的人権の後退が、近年、さかんに話さ…

福島第一のA級戦犯たちの「おもちゃ」

国家とは、なんだろうか。国家とはリバイアサンである。 つまり、国家とは、その国家を運営している人たちが、「動かせるもの」だということではないだろうか。つまり、運営している人たちが、なんとでも 遊ぶ ことができる「おもちゃ」なのだ。 それにして…