2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

日本政治の総括

原発の問題について、評論家や学者は、その「中庸」を語る。つまり、3・11が起きて、 3・11を境に、原発を止める 3・11以前と同じく、原発を続ける この「中間」に答えがあるんだ、という主張が、「大人の態度」だというわけである。 その中でも、…

ミームの時代

リチャード・ドーキンスの「ミーム」概念は、ようするに、生物の遺伝子戦略を、私たちの文化、特に、「言語」の伝播過程に対して、応用したものと考えられる。例えば、ある「流行語」がある。この流行語には、どれだけの「強度」があるのかを、実際に、その…

「AならばB」の考察

私に理解できないのは、どうして「社会の複雑性」という結果から、今までの社会分析手法が通用しなくなったという話から、なぜか、より 単純 な原理によって、「それ」を説明することになるのか、という、素朴な疑問であった。 例えば、モダス・ポーネスにつ…

アレクサンドル・コジェーブ『ヘーゲル読解入門』

(まだ、前半を読んでいるだけだが、いったんまとめる。) ヘーゲルの精神現象学は、もし、本を手にとって読もうとしたことがある人なら分かると思うが、はっきり言って、人が読める本ではない。どうしてこういうことになったのかは、なかなか、想像のおよば…

稲垣良典『トマス・アクィナス 「存在(エッセ)」の形而上学』

近代哲学とは、デカルトから始まって、つまりは、「経験論」のことである。 それは、現象学がよく示しているように、人が「当事者」として、経験する「内容」を内省していく学問である。その方向から、ホッブズの社会契約論が生まれ、その後の政治学をデカル…

差別という言葉

ある人が、だれか別の人を「差別をした」と言うことは、とても強い言葉であることが、以下のブログで強調されている。 よく自らの留学経験や海外体験などを語る際に、「最初の頃は、クラスになじめず、人種差別を経験しました...」などと安易に語る人を見…

猪瀬都政の総括

今、東京は都知事選挙の開始により、さまざまな議論が始まっている。 しかし、私はそれは、猪瀬都政の総括なしに考えることは、ありえないのではないかと考えている。なぜ、猪瀬都政は問題であったのか。どういった本質的な問題がそこにはあったのか。 しか…

與那覇潤『日本人はなぜ存在するか』

東京で仕事をしていると、つくづく感じるのは、外国人の多さだ。それは、まず最初に気付くのが、山手線などの電車の中であろう。白人で金髪の方から、アジア系の方から、黒人の方まで、実に、多くの外国人を普通に毎日見かける。 これは、仕事の現場でも変わ…

ケント・グリーンフィールド『<選択>の神話』

私たちは日々、何かを選択して生きている。それを「自由」と言ったりもする。しかしこの、「選択」と 自己責任 という言葉の間には、なにかしら、私たちを混乱させる相性の悪さを感じなくはない。 なぜ、この二つは、私たちに後味の悪い感覚をもたらすのか。…

専業主婦は「奴隷」か?

人工知能学会というところの学会誌の表紙の絵が、ネット炎上している。しかし、それをめぐるネット上の議論は、残念な感じに、明後日(あさって)の方向に行ってしまっているようだ。 私もこの絵を、最初に見たとき、一瞬では分からなかったが、さすがに少し…

山田孝男『小泉純一郎の「原発ゼロ」』

猪瀬東京都知事の辞任によって、東京は再度、都知事を選ぶ選挙を行うことになった。しかし、このことは、都議会がオール自民公明党状態になっている今において、事実上、自民党が猪瀬さんを追い出したという状況に近い。彼は、議会の中に、自分を擁護してく…

杉山直樹『ベルクソン 聴診する経験論』

よく考えてみると、「同一」である、ということは、実際に、どういうことなのか、というのは、考えれば考えるほど、よく分からなくなるものだ。 なにかが「同一」である、とはどういうことなのか? 例えば、「自分」について考えてみよう。あなたは、今日の…

中島隆博『共生のプラクシス』

どんなシステムも、時間の経過と共に、次第に「堕落」する。 このことについて、私は、ある種の「逆」の対応があるのではないか、と考える。 つまり、例えば、儒教において、 君子と小人 の対応があるが、私はこれと、 理想と堕落 は対応するんじゃないのか…

象徴作用

今週の videonews.com で、宮台さんが言っているが、中国でなぜ、毛沢東がアイコン化しているのかは、本当の意味で、毛沢東が「正しい」から、ということではないのである。 それは「象徴」なのである。 つまり、本当は「今」の話をしているのだ。「今」の何…

科学者の発言と「バイアス」

3・11以降の、福島県での、低線量放射性物質に対して、ある科学者が、しきりに、「学者の役割として、<どこまでは大丈夫なのか>を、住民に啓蒙する義務がある」、つまり、どこかで 線 を引いて「あげる」ことが必要なんだ、と言っていたことが、私には…

渡邊格『田舎のパン屋が見つけた「腐る」経済』

少し前に、アニメ「少女革命ウテナ」について書いたことがある。私があのアニメに非常に考えさせられたのは、「あらゆる高潔な理想は、時間の経過と共に<堕落する>」ということの意味について、であった。 このことは、例えば、マックス・ウェーバーの「あ…

改めて「文化の隔世遺伝」について

以前も書いたが、田舎は、交通の便が悪い。ということは、どういうことか? 年寄りが住むには、あまり向いていない、ということだと思っている。というの、年寄りは、たとえ、車の免許をもっていても、いずれ、車を運転できなくなる。すると、どうなるか。自…

アニメ「Wake Up, Girls!」について

今日、渋谷の映画館に、アニメ「Wake Up Girls!」を見に行ったのだが、予想通り、10割男性客であったが(一人、恥ずかしそうに、女性が前列で見ていたが)、少し心配になった。というのは、大事な土曜なのに、客の入りが、4割くらいだったからだ。 私は個…

総括原価方式の闇

原発の話になると、途端に、感情をエスカレートさせて、原発ゼロは、亡国の道だ、みたいな、保守オヤジがゾロゾロと湧いてくるこの日本において、私が不思議でならないのは、「総括原価方式」について、まったくふれないことなのだ。 こういった態度は、いわ…

理解と責任

以下の記事は、少しおもしろかった。 このことが意味するのは、「公的な場」で、沖縄振興なり基地問題についてはどうすれば納得するかについて「現実的な回答」を沖縄県庁の役人はしたくないということなのだ。何故ならば、仮に「こうしてくれれば満足します…

ダロン・アセモグル『国家はなぜ衰退するのか』

(ジェイムズ・A・ロビンソンとの共著。) この地球上には、すでに、国家がある。無数にある。その国家のうち、幾つかの国家の国民は「裕福」である。それらを、私たちは、戦後、「先進国」と呼んできた。アメリカや日本や北欧の国々。そして、最近は、ブリ…

「ブルジョア道徳」問題

年末に、東浩紀さんが、ツイッターでまた、炎上していましたが( )、私はそういった低レベルの「不謹慎」発言を問題視していくことは、「在特会」と同程度の問題と考えているわけで、たとえ、こうやって有識者によって、ツイッターで諫められても、福島の人…