2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

正義論序説:はじめに「リベラルの反対=ロジカル」

あなたは、リベラルの「反対」は、なんだと思うだろうか? 私は、 ロジカル なのではないか、と考える。つまり、これが、どういう意味なのかを、以下で考えていくわけである。 つまり、私は、「正義」と「論理」は、非常に関係が深いと言いたいわけである。 …

正義論序説:第一章「ベンサムの功利主義」

ベンサムが提唱した功利主義の特徴は、そもそも、どういったところにあったのだろうか。 悟性の論理学と同様に、意志の論理学がある、むしろなければならないといったほうがよいであろう。意志のはたらきは悟性のはたらきに劣らず、法則によって記述されるこ…

正義論序説:第二章「国家の制度設計」

ベンサムにとっての功利主義は、そもそも、法学や政治学が、「生物学」に還元される、という、かなり野心的なものであった。 しかし、ベンサムにとって、功利主義と、この「生物学還元主義」は、切っても切れない関係にあったはずである。つまり、どちらかを…

正義論序説:第三章「ローティのリベラリズム」

リチャード・ローティが、一方において、哲学における 不可知論 を全面に出すことで、哲学の全否定を展開していく過程において、形而上学としての哲学ではなく、 プラグマティズム としてであるなら、彼が積極的に肯定していった(=コミットメントしていっ…

正義論序説:第四章「正義とロジック」

後期ロールズを考えるとき、実際のところ、後期のロールズは多分に、ローティによる過大な評価の過程を経ることで、今度はローティの影響を受けていたのではないか、という推測が成り立つように思われる。 そう考えたとき、井上達夫が、『世界正義論』におい…

正義論序説:第五章「ガンジーの法律論」

井上達夫が、ロールズの不可知論を批判する上において、彼は正面から、それを否定しているという戦略をとっていない、というのが、私には興味深かった。つまり、不可知論はありうる。しかし、たとえそうだとしても、 あまりにも「自明」な論理的矛盾 は、さ…

正義論序説:おわりに「政治とは何か」

近年のネトウヨの大衆的影響力の拡大の問題を考えるとき、いわゆる「新しい歴史教科書を作る会」が主張した、「自虐」という言葉がある。この言葉の何が、問題なのかというと、つまり、 自分語り の構造になっているから、なのである。自己言及的なのだ。政…

古賀茂明『利権の構造』

民主党政権において、鳴り物入りで作られた、原子力規制庁は、こと、安倍ちゃん政権で、完全に、安倍ちゃんの「おもちゃ」になってしまった。 「世界一安全」をうたう原子力規制庁は、さて。アメリカにある、NRCと自分たちの「どこ」を比べて、「世界一安…

平智之『禁原発と成長戦略』

私は左翼を「偽善」と呼ぶのなら、右翼だって「偽善」じゃないのか、という疑問から、話を始めるべきだ、というのをすごく実感しているのだが、そういったことにはあまり、多くの人が関心をよせないのはどういうことなのであろうか。 一方で、ホンネで話すべ…

ナチスに学ぶネトウヨ

猪瀬元都知事が、ネトウヨに尖閣寄付を煽ってから、東京都知事選挙において、田母神さんが非常に多く若い人の得票を得たことは、ネトウヨが非常に明確に存在感を現してきている現象と受け取られている。 しかし、この問題には、今の首相が、安倍ちゃんという…

田母神を黙認した科学者たち

はっきり言って、東京都知事選挙における、立候補者同士の討論会には、なにか意味があったのだろうか? 私には、非常に疑問を感じざるをえなかった。 まず、そもそも、立候補者は、「忙しい」から、何時間も話していられない。そこから、各候補は、少ししか…

本居宣長は右翼か?

本居宣長が、実際のところ、何を言っていたのかを考えるとき、どうしても避けられないのが、処女作「排蘆小船」における、以下の箇所であろう。 たとえば、戦場に出た武士が君のため、国のために一命を惜しまず、いさぎよく死地におもむくのは義士の道である…

福嶋亮大『復興文化論』

この本は、非常に「気持ち悪い」本である。なぜなら、 『復興文化論』と題したこの本は、当然のことながら、二〇一一年に起こった東日本大震災との関連において読まれることと思う。 と著者が「あとがき」に書いているように、本文において、東日本大震災に…

岩井克人「経済学に罪あり」

少し冷静になって、そもそも、お金というのは、どういったものなのだろうか、と考えてみよう。 お金の特徴は、それが円なりドルなりの「数値」で表される、ということである。では、この数値の特徴は何か。それは、順序構造と、加算構造。つまり、自然数の構…

偽善者

今回の都知事選において、私が素朴に思ったことは、多くの東京都民、また、多くの東京都民以外の人が、細川さんを「なぜ支持しないか」の 言い訳 を語っていたことが、すごく言いしれぬ、気持ち悪さを感じたわけです。 なぜ、それが、気持ち悪いのか。なぜ、…

島田真夢の影

私が不思議でならなかったのは、日曜の東京は、特に、朝は、間違いなく、足元が最悪だったということである。そうであるにもかかわらず、投票に行かなかった東京人は、むしろ、脱原発を掲げる候補に「うんざり」して行かなかったんだ、と言ったようなことを…

ありがとうございました

今回の選挙は、ただただ、細川さんと小泉さんに、感動させられる毎日だったように思う。あれだけの、ご高齢になって、なお、 戦ってくれた ことが、なによりも嬉しかった。勇気をもって、脱原発を訴えてくれたことが、ただただ、嬉しかった。私には、それ以…

選挙の総括

私個人としては、 MUNB(エムユーエヌビー)wwwww と絶叫したかったところであったが(このタイトルは言うまでもなく(?)、アニメ「WUG」の第5話で、ミュウが言った「まじ、うそ、んな、ばかな」の略です)、この得票率では、脱原発候補が二手に分…

第四象限

ヘーゲルの弁証法は、なんにせよ、二項対立によって描かれる。ところが、 なぜか この正反は、「合」つまり、アウフヘーベン(止揚)される。つまり、次の段階に移る。さて、それは、なぜなのだろうか? この場合、ヘーゲルが何を考えていたのかは、やはり、…

労働者の街

今日の「報道ステーション」は、さっそく、4候補で、原発問題を、古舘さんの司会で議論していた。途中から、少し見たが、古舘さんが多母神さんの安全厨発言に、次々とつっこんでいたのが、なんとも秀逸であった(古舘さんは、よく分かってらっしゃる)。や…

テレビとSNSと選挙

今週の videonews.com は、きしくも、NHKの許認可権の問題であったが、その内容は、ようするに、NHKであれ、民放であれ、違いのない話として、今のような、なんの第三者的組織を間にはさむことなく、国に許認可権がある限り、報道内容は萎縮する、とい…

東京都民の「倫理」

今回の都知事選について、私は最終的にどのような結果になるとしても、私にとって、今までの選挙戦の流れにおいて、多くの、今後の日本社会を占う手掛りが呈示されているのではないか、と思っている。 私にとって、なによりも興味深いのは、言うまでもなく、…

『ドイツ脱原発倫理委員会報告』

細川元総理と、(私はあまり詳しくないが)三宅洋平さんとの対談 は、私はあまり細川さんを詳しく知らない人には、その人となりの分かる、たいへん、いい対談だったのではないかと思った。 ある程度上の世代は、細川さんを、日本新党の党首であり、総理大臣…