2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

解釈改憲?

安倍総理の解釈改憲についての、会見は、見た人は、おそらく「異様」な感覚をもたれたのではないか。 彼がフリップを使って説明している内容は、そもそも、現行法制の中で十分対処できる。そもそも、そのための法律なのだから、そんなことを言ったら、今の法…

アイドルが写す社会の鏡

遠隔操作事件の犯人の片山被告が自白をし、ようやく、この事件は決着をみたわけだが、その彼が、自らを「サイコパス」と称したことに、もう少し、社会はデリケートに考えるべきだったんじゃないか。 彼は、ついそれまで、警察の証拠能力の限界から、もしかし…

斉藤環『世界が土曜の夜の夢ならば』

掲題の著者は、自らの「ヤンキー」論を世に問うにあたって、まず、 言い訳 から始める。 しかし、こうしたややこしい主張は、なかなか理解されない。もちろん僕の文章力の乏しさにも原因があることはわかっている。しかしそれにしても、性差の二元論を否定し…

パオロ・マッツァリーノ『偽善のすすめ』

「偽善」という言葉は、明治近代化の過程で作られた「翻訳語」なのだそうだ(実際は、中国で聖書の翻訳語として使われたというのが早いようだが)。 「あれ? じゃあ、英語で偽善の反意語はなんなんだろう?」 ”誠実”などとなっています。偽善が hypocrisy(…

老人社会

東京の街は、普段、朝と夜の満員電車に揺られるだけの毎日を送っているサラリーマンにはあまり意識されないことが一つある。 それは昼間、東京の街を歩いてみれば分かる。 とても老人が多い、ということである。 毎日の朝夜の満員電車は、労働者の移動場所で…

土田健次郎『江戸の朱子学』

例えば、明治以降の日本の「近代」化の文脈において、西洋自然科学が全面的に輸入され、さまざまな産業商品として応用されてきた文脈から眺めたとき、西洋自然科学「ではない」科学という表現に、ショックを覚える。 しかし言うまでもなく、江戸時代だろうが…

普通革命

私は、いたって普通に考えていて、普通の人が普通に生活して、普通に作っていく「秩序」以外の秩序がありえることを認めない。なにか、エリートが、大衆のために、なにかをやってやる、と言って、パターナリズムで行なう隠れた行為が必要だとか、そういった…

from what?

仕事が終わって、家に帰る帰り道で、あるポスターが貼ってあった。 日本をとりもどす その表紙には、安倍首相がこちらをにらみつけていた。 私がこれを見て、非常に違和感をもった。 何から日本をとりもどすの? そう思って、この言葉を、もう一度考え直して…

佐島勤『魔法科高校の劣等生』

主人公の司波達也(しばたつや)は、この魔法科高校の1年生で、いわゆる、「二軍」扱いの「二科生」に所属している。 彼がこの学校に妹と入学してきたところから、話は始まる。 しかし、この作品は最初から、謎含みで、説明が進む。 「会社の仕事を手伝えと…

谷口りゅう一郎『横超の倫理』

リチャード・ローティのリベラル・ユートピア構想は、多くの人たちが注目し、考察していながら、結局のところ、論点が拡散してしまい、問題のポイントが絞られない印象を受ける。 つまり、ローティの「可能性の中心」と言ってもいい、 水平思考 については、…

渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9』

(うーん。今回は、ある意味、作品として「成功」しているだけに、どう読むのか、という人それぞれの受け取り方が意味をもってくるのかもしれませんね...。) 主人公の高校生の比企谷八幡(ひきがやはちまん)は、自らが所属する奉仕部に、自らが推薦するこ…