2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

私たちはISをどう理解すればいいのか

結局のところ、ISの問題は、私たちがイスラームに対して、ほとんど理解していない、西洋社会の議会制民主主義や人権思想を、そのまま、彼らに適用しようとして、うまくいっていない、といった側面があることが、ほとんど理解されていない、ということでは…

大川玲子『イスラーム化する世界』

今回、安倍総理がエジプトで言ったことは以下であるわけだが、こうやって改めて見ても、驚くべき内容であることがわかる。 イラク シリアの難民・避難民支援、トルコ レバノンへの支援をするのは、ISIL がもたらす脅威を少しでも食いとめるためです。地道な…

私たちはイスラムを理解できるのか

安倍という日本の総理大臣が、国内で、常に「国民の人気投票」の結果に注意をかけ続けなければならないことと、あいはんして、海外では、その圧力が弱まり、好き勝手な「旅の恥はかき捨て」並みに、国内的には、なんのコンセンサスもないことを、勝手に約束…

STAP細胞と若山先生の反省

STAP細胞の問題について、この前の第三者委員会の報告に対して思ったことは、これは「刑事事件」の取り調べではない、ということであった。 つまり、今回の事件が、本気で問題だと思うなら、例えば、だれかが税金の無駄使いをしたから、その賠償を、だれ…

マックと情報公開

今週の videonews.com で、食の問題をとりあげているが、早い話が、食料に何か入っているよ、と言って、ゴキブリだとか、歯だとか、金属だとかなんとか言っているけど、そもそも、 なんか入っている ところに、なんかが入っただけ、という話で、その「そもそ…

新自由主義と「職業シフト」

例えば、以前であれば、どこの会社でも、会計業務は、ソロバンと手書きでやっていたわけで、その頃には、それを厳密にこなせるプロのような人がいた。ところが、最近では、IT化とわけで、コンピュータでみんなやってしまうようになった。 しかし、そうする…

金菱清/大澤史伸『反福祉論』

学校の校長が生徒が自殺をしたら対応するとか、ふざけたことを言ったとかでニュースになっていたが、 http://www.nikkansports.com/m/general/news/f-gn-tp0-20150116-1422309_m.html まあ、官僚だよな、と思ってしまうわけである。問題が起きたら対応。しか…

井上達夫『普遍の再生』

フランスの政治週刊誌「シャルリー・エブド」の風刺画に対しての、テロが問題となっている。雑誌社に押し入り12人を射殺しているわけで、非常に深刻な結果となっている。その背景として、フランスによる中東への空爆なども言われているが、その結果の甚大…

アイマス渋谷凛の示す位置

たとえば、アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」の第一話において、15歳の女子高生、渋谷凛(しぶやりん)は、島村卯月(しまむらうづき)とまったくの反対の反応を示す。 島村卯月は子どもの頃からの夢であるアイドルになるために、スクールに…

動物化wする女流作家

ところで、東浩紀さんの「動物化するポスト・モダン」として語られた「動物」という言葉は、普通に考えたとき、非常に違和感を与える(もちろん、デリダが晩年、こだわった言葉ではあるのだろうが)。というのは、むしろ「動物」という言葉は、女性の「感性…

不可解なSTAP細胞「論文」

前回紹介した、須田さんという方の本は、今回の事件について、さまざまな角度から迫っているという意味において、まあ、決定版と言ってもいいような内容であることは間違いないのであろう。そして、そういった、いろいろな角度からのアプローチの中でも、以…

須田桃子『捏造の科学者』

今回の、STAP細胞の件は、さまざまな意味において興味深かったが、なかでも、これが一般の意味における「科学コミュニティ」において起きている、ということが非常に多くのことを示唆していたのではないか、と思っている。 まず、非常にこの世界「だから」起…

ジャン=フランソワ・リオタール『ポスト・モダンの条件』

ポストモダンという言葉は、この本から始まったわけではないと著者は言っているが、実質は、この本の主張から始まっている。つまり、次のような意味において。 このメタ言説がはっきりとした仕方でなんらかの大きな物語----《精神》の弁証法、意味の解釈学、…

吉川浩満『理不尽な進化』

今週の videonews.com は、またまた、消費税増税しなければ、ハイパーインフレで戦後の焼け野原だってさ。それにしても、宮台さんは、本気で、消費税増税賛成派なんだな。人間性が透けて見えるな。 消費税の増税は、はっきり言えば、お金持ち「優遇」税制な…

映画「ゴーン・ガール」の手ざわり

今日は、少し時間があったこともあり、ディズニーアニメ「ベイマックス」見た後、「ゴーン・ガール」を映画館で見てきた。この二つに共通した特徴があるとするなら、いわゆる「ハリウッド」的な規制なりの中で、これまた、ハリウッド的な「自由」の中で、 エ…

ゼリービーンズ

むかし、ふくやまけいこという漫画家が描いた「ゼリービーンズ」という漫画があって、今は、こちらのサイト(ゼリービーンズ - ふくやま けいこ | マンガ図書館Z - 無料で漫画が全巻読み放題!)で無料で見れるらしい。 この漫画は、未来社会が舞台となって…

大沢真理『生活保障のガバナンス』

私がなぜ「共感」という言葉に違和感をもつのか。それは、共感が不要だからではなく、共感では「不十分」だと考えるから、という一言に尽きるであろう。このことは、たんに「論理的」な話だと考えてもらってもいい。お金持ちのボンボンは、日頃から周りに貧…