2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

柳実冬貴『対魔導学園35試験小隊2』

ときどき思うのだが、戦争が「終わる」とは、どういうことであろう? こんなことを言うと、頭がおかしいんじゃないか、と思われるかもしれない。戦争が終わるとは、文字通り、戦争が終わるということで、平和になるということでなんの不思議もないじゃないか…

日隅一雄『審議会革命』

安保法案がまだ衆議院を通過していないとき、videonews.com で、哲学者の萱野さんが、政府が砂川判決を根拠にして今回の安保法案が「合憲」であると言っていることが、基本的な高校生の国語レベルの最低限の読解力もなく主張していることに対して でも最終的…

自由ってなんだ?

シールズが叫ぶ「民主主義ってなんだ?」に対抗して、私はここで、「自由」について考えたい。 さて。自由ってなんだろう? 人Aが、人Bを、拘束しているとする。奴隷にしている、でもいい。この場合、人Aにとっては「人Bを拘束する自由(=奴隷にする自…

哲学=文学(=小説)

トマス・クーンの科学論を思い出してみても、彼の主張において、その科学者コミュニティが科学論文としての「決定」において、重要な役割をしていた。 科学者集団は、その「論文」が、その科学者集団によって「アクセプト」されたものとしての「印(しるし)…

TPP第三次世界大戦

それにしても、TPPであるが、これは成立するのだろうか? 私には普通に考えて成立しそうな印象がない。それは、アメリカの国内世論がかなり強行に反対している印象があるからだ。 ヒラリー・クリントンが早々に反対を表明していることを始めとして、よう…

ドローン国家=国民のいない<国家>

たとえば、社会学者のルーマンにしても、国家の近代化と、その「テクノロジー」は離して考えられないものであった。というのは、そもそも、国家というのはある矛盾を抱えているからである。 国家は非常に人口の単位が大きい組織である。人類の歴史を考えても…

著作権の非申告罪化

例えば、次のような未来を考えてみよう。 著作権の非申告罪化は、「この社会の悪」である、著作権違反を行う犯罪者をとりしまるために、当事者本人と 関係なく 人々が勝手に「犯罪者」を、社会の隅々から探し出してきて、あくまでもその「事実」に基いて、 …

福島第一はチェルノブイリの「何分の1」?

3・11以降、福島第一事故によって、多くの福島県民が「避難」を余儀なくされた。また、福島県産の農産物の検査によって、自由に農産物を全国に売れない、という事態にもなった。 この3・11を境にして、福島第一原発の事故処理の状況は、たんにこの原発…

安倍総理の正体

安保法制については、videonew.com の以下でも話されているように、参議院で可決される直前で、極小の野党の幾つかと協議を行い、付帯決議というものをつけて(つまり、その閣議決定)、それによって(与党言わく)「強行採決ではない」という形で法案は可決…

赤澤史朗『戦没者合祀と靖国神社』

私たち日本人は、この日本の土地に生まれ、死んでいく。その場合、問題は日本国家と各個人の関係だと言える。私たち日本人はこの日本に生まれると、とにかく、日本国家によって、日本に「所属」した日本人ということで管理される。しかし、問題はその後であ…

山崎雅弘『戦前回帰』

この前の、国連での安倍総理の口パク質疑応答について思ったのは、もはや日本のインテリジェンスたちは、安倍総理を人前でフリートークをさせてはならない、と考えているのではないか、と思ったわけである。 彼を好きに人前で話させてはならない。つまり、何…

湯之上隆『日本型モノづくりの敗北』

先週の videonews.com での掲題の著者の話は、現在日本で起きているバブル以降の景気の低迷。一言で言ってしまえば、 外需の低下 についての「理由」を非常によく説明していた、という印象がある。 なぜ、バブル以降の日本企業に「国際競争力」がなくなった…

加藤恵介「いくつかの区別について」

国連のユネスコの記憶遺産に中国が申請した南京大虐殺が採用されたことで、安倍政権は、戦前の松岡洋右を彷彿とさせる、国連脱退騒動でわいている(彼らにしてみれば、国連というより、ユネスコなのだろうが、まあ彼らの剣幕は、それくらいの勢いであること…

イランの若者

今週のサッカー日本代表の対イラン戦は、試合の内容はともかくとして、印象深く思われた。 それは、試合の内容において、日本が前半、まったく試合にならなかったことに対して言いたいわけではない。というのは、そういった光景ば、別に、W杯でも見れたこと…

丸山眞男「個人析出のさまざまなパターン」

60年代に政治学者の丸山によって書かれたこの論文を、なぜ、今になって再考する必要があるのかといえば、ここにおける分析がまさに、現代における「オタク」論を、ほとんど先取りしているから、と言うしかないであろう。 さて。「オタク」とは何者か? 例…

熟議民主主義を否定する「オタク」

私が考えていることは結構、単純で、ようするに、「集合知」の存在を認めろ、ということになるであろう。それは「集合知」の結果が正しいかどうかを聞いているのではなくて、こういったアプローチは事実上、さまざまに公共的に有効なのだから、まずはこの「…

文系=心理学?

増田レポートにしても、G型大学/L型大学にしても、もっと言えば、改憲論者にしても、日本共産党嫌いにしても、ようするに、官僚を中心として、日本の中に「階級」を作ろう、という連中なわけであろう。いわゆる エリートさん たち、ということになる。彼ら…

梅棹忠夫『文明の生態史観』

この今では古典となった本において、著者は、この地球上の人間の生活地域を、第一地域と第二地域に分類する。 ここで、第一地域と言っているのは、この本が「文明」の本だと言っているように、ようするに「先進国」のことを言っているのだが、つまりは、 イ…

西尾維新『終物語 上』

掲題の小説の中ごろに、有名な「モンティ・ホール問題」が重要な役割を演じている。詳しくはウィキペディアでも読まれれば、その概要は把握されるであろうが、この確率問題のポイントは、ある「言外」の約束事が関係している。 「プレーヤーの前に閉まった3…

矢部宏治『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』

日本について考えるとき、どうしても、江戸から明治に移るときの、その日本が開国をしていくとき「から」、この国の今に至るまでの変遷において考えないと、どうしようもない、という印象をもっている。 二〇〇六年にアメリカ国防省自身が認めているように、…

ルディー和子『格差社会で金持ちこそが滅びる』

いきなり、こんなことを言うのもなんだが、「不安」って、なんなのだろうか、と素朴に思うことがある。というのは、「不安だ」と言ってみたところで、しょうがないからだ。人間だれでも死ぬときは死ぬし、病気になるときは病気になる。せいぜいやれることと…

日常についての考察

アニメ「干物妹!うまるちゃん」の作品の構造は、まあ、以下のようなシンプルな形になっている。 主人公の女子高生の土間埋(どまうまる)は、ワンルームのアパートに会社員で兄の土間大平(どまたいへい)と暮らしている。うまるは、学校のクラスでは品行方…