2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

インテリの「偽善」

上野千鶴子さんの新聞に掲載した記事が、一部で批判を受けていたが、私はむしろ批判をしている人たちの「論点そらし」の方が恐しいな、と思った。それは、トランプの移民政策を批判するアメリカの「インテリ」たちを向うにして、世論調査をすると、半分くら…

コミットメントについて

今期のアニメは、話題がのきなみ「けものフレンズ」にもっていかれた感があるが、まあ、世間的にはどうでもいい感じの枠で、「バンドリ」というのがやっている。 よく分からないのだが、原作として、中村航という人が書いた小説が単行本としてあるのだが、見…

伊藤祐靖『国のために死ねるか』

例えば、日本の東大は明らかに、中国の科挙を「モデル」に作られている。だから、東大の関係者にはどこか「大衆」への「侮蔑」をもはや、「本能」に近いレベルで行っているような印象を受けることが往々にしてある。 彼ら「インテリ」が「楽しい」と言ってい…

東浩紀先生の「一般」主義

あのさ。安倍首相が今年も待機児童問題を解決できないんだってさ。日本死ね、安倍SHINE。 おそらく、トランプだったら一瞬で解決しているよ。つまり、お得意の「大統領令」で。いかに、安倍総理が指導力がないかを意味しているよね。 保育園に関する著書も出…

ゴミ化社会

ある日、くじらが砂浜にうちあげられてて、死んでいたので、解剖してお腹の中を見たら、プラスチックのビニールゴミが大量にでてきた、というニュースをいつだったかやっていたのを見て、なるほど、こうやって地球の「終わり」が始まるんだな、なんて思った…

AI税

下記の、ビルゲイツの提案の記事であるが。 なお、「イノベーションを阻害することなく、ロボットに課税する方法を見つけられるだろうか?」という質問に対して、ゲイツは「よしんば自動化(ロボットの導入・普及)のペースを遅らせることになろうとも、課税…

岡本隆司『中国の論理』

トランプ大統領が、移民に対する規制や排除の政策を行って、まずイランが反発をしたわけだが、イランというのは「歴史」のある国である。そういった国の特徴は、国民が自国の文化に誇りをもっている、ということになるであろう。 それは中国も同じで、彼らに…

リベラル / 独立というバズワード

日本において、「軍拡」というのは、実際のところは、戦前の「陸軍士官学校」や「海軍士官学校」の 復活 を意味しているのだと思っているわけで、つまりは、 軍人エリートの復活 というわけである。ところが、「重武装=軍拡」こそが、宮台真司先生の30年…

福沢諭吉三段階論

私が気になっているのは、月脚達彦の『福沢諭吉の朝鮮』の「序章 福沢諭吉の朝鮮論をどう読むか」の内容について、どう考えたらいいのか、ということなんだが、この部分を丁寧に読むと、ようするに著者は福沢諭吉の朝鮮政策は 三段階 に分けられる、と言って…

なぜ福沢諭吉の評価の「決定版」がでてこないのか?

うーん。以前紹介した、月脚達彦『福沢諭吉の朝鮮』という本が気になっていて、というのは、この本は福沢の朝鮮に対する態度は、いろいろあるのだろうが、 おおむね「時代的」に評価できる と言っているように聞こえるからなわけだが。 社説「脱亜論」の前後…

的場昭弘『「革命」再考』

どうも最近は、宮台真司とか東浩紀とか、完全にエリート・パニックになっている印象を受ける。 特にひどいのが、宮台真司で、トランプ政権になって、自分の主張に合わない政策が行われていることが原因なのか、支離滅裂なことを言っているだけのような印象さ…

片山杜秀『近代天皇論』

島薗進との対談。 近代日本の成立過程を一つの「パズル」のように考えようとする態度が、多くの「不可思議」な今の日本のこの状態を説明すると考えると非常に重要なことに思われるのだが、あまり多くの人たちには、そういったことが興味とならない。 結局、…

映画「沈黙」への素朴な違和感

映画「沈黙」は、基本的には、遠藤周作の原作に準じていると受けとっているが、私はこの作品を見ていて、正直ずっと違和感を感じていた。つまり、明らかにこれは 現代 の作品だ。つまり、これは遠藤周作の「思想」を書いているのであって、遠藤周作という「…

日本と中国

日本と中国を比較することに、どれだけの意味があるのかは分からないが、まあ、韓国を含めて一つだけはっきりと違っていることとしては、中国の人も韓国の人も、アメリカへの移民ということを、日本人など比べものにならないくらいに考えている、ということ…

映画「沈黙」と現代の非正規派遣

映画「沈黙」については、遠藤周作の原作を問題にしなければならないのであろうが、その前に、あの映画で描かれた日本のキリスト教徒が井上様の前に、囚われて、連れて行かれる姿はどこか、 現代の派遣社員が、一人いくらで売られて行く そんな姿に重なって…

アニメ「虐殺器官」とオバマの戦争

アニメ「虐殺器官」は確かに小説の方の発表時点での「ショッキング」な内容に関しては、指摘の通りなのだろうが、その後のISとアメリカとの戦争などを考えると、 ほとんど実現 しているような印象さえ受けるわけで、だとするなら、そういった「表面的な予…

アニメ「虐殺器官」について

さっそく、映画館でアニメ「虐殺器官」を見たわけだが、前二作のような、アニメゆえのチャレンジングな試みをやろうといった衒いもなく、まさに、伊藤作品のイントロダクションとして、ポイントをおさえた作品になっていた、ということではないかと思う。 正…

戦前日本のプロパガンダとエリート

この前紹介した、バラク・クシュナーの『思想戦』という本のおもしろいところは、この本が、 外国の人に、外国の人が、日本を紹介している という形になっているところで、具体的には「戦前の日本のプロパガンダ」について研究して、ということになる。 つま…

バラク・クシュナー『思想戦 大日本帝国のプロパガンダ』

日本の明治以降からWW2での敗戦までの、その「軍事」的な特徴を考えたいわけだが、その前に、この日本というのがなんなのかに言及せざるをえない。 明治・大正時代には、日本人は学校の授業や教育政策を通じてナショナリズムや愛国主義を学んでいたため、…