2020-03-21から1日間の記事一覧

ニーチェの思想:おわりに

なぜ、ニーチェやショーペンハウアーはこのような隘路に追い込まれていったのか? それは、 科学 に原因がある。つまり、なぜ道徳は存在しないのか? それは、 道徳が物理学の教科書に載っていないから と言うしない。 よく、子どもの頃にキリスト教徒だった…

ニーチェの思想:第五章「ニーチェは神を信じていないのか?」

それにしても、ニーチェの言う「生の肯定」は、どこか奇妙な印象がある。つまり、なぜそこまで「人間が生き続けること」に、彼は無限の価値を言い続けたのだろう? そう考えたとき私は、ニーチェは「神の存在を信じ続けている」ということなんじゃないのか、…

ニーチェの思想:第四章「新しい価値」

しかし、よく考えてみると、このショーペンハウアーやニーチェの考えは、自らを狭い隘路に追い込んでいるように思えてくるわけである。 ニーチェはこれによって、道徳を「意志」することを正当化できなくなった。つまり、もはや道徳について語ることはできな…

ニーチェの思想:第三章「反道徳証明その二」

しかし、なぜニーチェが「反道徳」を考えるようになったのかの、その動機を考えてみたとき、上記のような心理学的な説明は、ある意味で、後から発見されたものといった印象を受けるわけで、そもそも、ニーチェはこういった説明を発見する前から、 こんなこと…

ニーチェの思想:第ニ章「反道徳証明その一」

ニーチェが反道徳を主張するとき、その証明の一つの方法が、いわゆる「系譜学」である。 信仰の信用がなくなるという考え方は、単純なアナロジーによってはっきりすると思われる。子どもが自分の部屋にお化けがいると信じていて、私にちょっと見てきてほしい…

ニーチェの思想:第一章「相模原事件」

植松聖が、相模原事件を起こしたとき、ネット上で哲学者たちがどういった発言をしたのかを思い出したとき、むしろ、いつもはさまざまな問題に反射神経で発言している人たちが、こと、この問題に対しては、 ほとんど なんの発言もしなかったことにこそ、なん…

ニーチェの思想:はじめに

東浩紀先生の『観光客の哲学』は、後半に家族論が書かれている。そこで書かれる、中心的な位置に、ドストエスフキーの『悪霊』における、登場人物の一人、スタヴローギンがいる。 ぼくはさきほど、チェルヌイシェフスキーを現代における国際派の知識人に、地…