2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

橳島次郎『これからの死に方』

ナチス・ドイツのホロコースト、つまり、ユダヤ人の大量虐殺、民族抹殺が、どのように行われたのかの経緯を観察してみると、それ以前に、かなりさかんに 安楽死 が行われていたことが分かる。そのことは、ナチスのこういった「安楽死政策」に大きな影響を与…

上枝美典『現代認識論入門』

言語分析哲学については、リチャード・ローティに関連して、さまざまに論じさせてもらったわけだが、そこにおける「言語論的転回」をもう一度振り返ってみるなら、 経験論 の立場からは、「心は存在しない」。なぜなら、心とは結局、最後は 言葉で記述された…

ソクラテスはなぜ公務に関わらなかったのか?

ところで、ソクラテスは昔から、ある意味において、 評判が悪い。 ダイモーンの声が、わたしが市政にかかわる活動をすることに反対しているのです。それがわたしに反対するのも、まことにもっともなことだと、わたしには思えます。なぜなら、アテナイのみな…

八木雄二『ソクラテスとイエス』

「ソクラテスの弁明」であるが、まず、ソクラテスは、アテナイの若い、メレトスという青年に裁判に訴えられる。その内容は以下だ。 その宣誓口述書はつぎのようなものです。「ソクラテスは不正を冒している。若者をだめにするとともに、国家が認める神々を認…