HPVワクチンの生物学

さて。ここでは少し、生物学の話をしたい。といっても、話すのはそんなに広い話ではなくて、いわゆるHPVワクチンに関することなのだが。
村中璃子という人が、ジョン・マドックス賞なる、だれも聞いたことのない賞を受賞したわけだが、どうもこれがイギリスの科学誌「ネイチャー」の紙面に載ったことから(まあ、紙面って言っても、今の雑誌なんて、どこ読んでも「記事」なのか「広告」なのか分かんないのばっかりですからねw)、

  • HPVワクチン肯定論

が、あの「ネイチャー」にさえお墨付きをもらえたらしい、と世に言う「文系知識人」が色めきたったようで、次々と、文系知識人から、HPVワクチンの「義務化」の再開に対する肯定論を、ネットを中心に行い始めている、ということらしい。
しかし、こういった光景は「いつか見た道」なわけでw、分かりやすいには、3・11における、低線量被曝をさまざまな理屈をこねくりまわして、「無害」であるかのような印象論を行おうとしてきた連中の姿とまったく一致するわけで、おそらく、こういった連中は、これからも、次々と現れる。
まあ、それがどういった「お金」に動員されているのか、本当に本当に、たんなる

  • 無知

なのかは、まあ、少しこういった連中と「議論」をしてみれば分かるのかもしれないが、ここでは、このことについて、いわゆるネット上で行われているような「論点」に縛られず、もう少し広い観点から語ることで、

  • そんな単純な話ではない

というところから考えてみたい。
さて。そもそも「ウイルス」というのは、なにものなんだろうか?

細胞は、元々「小部屋」を意味する言葉に語源があるが、細胞膜という薄い膜に囲まれた構造をしている。生物は、その膜による囲いの中に「自分の部屋」のような空間を作り出し、生存に必要なエネルギーの産生、物質の代謝や遺伝子の複製といった様々な化学反応に適した環境を作り出している。また、細胞は一般的に増殖の単位でもあり、この細胞が分裂することで、自分の子孫(コピー)を生み出す。このように細胞という構造は、増殖や代謝といった生物の基本的な性質を支える非常に重要な役割を果たしている。
一方のウイルスであるが、大掴みで言えば、ウイルスはその細胞から遺伝子が飛び出し、キャプシド(注1)というタンパク質からなる殻を被って、一人で放浪しているような存在である(図1)。キャプシドタンパク質も遺伝子である核酸も比較的単純な物質であり、高度に純化すれば、ウイルスは鉱物のように結晶化してしまう。
生物と非生物の境界、ウイルスとは何か / 中屋敷均 / 分子生物学 | SYNODOS -シノドス-

ウイルスは「不穏」だ。それは、進化論にとっての、「生物」の「定義」を危うくするからだ。ウイルスとは、上記にあるように、DNAやRNAをもっているのだから、「生物」を考えざるをえない。しかし、

  • それ以外

がないのだ! DNAやRNAがばらばらにならないようにする「膜」のような分子構造はあっても、いわゆる「生物」のような細胞膜をもった構造はない。つまり、こんなものが「生物」のはずがない。
しかし、ウイルスはDNAやRNAなのだからw、当然のこととして、そういった細胞の中に入れば、他の細胞と同じようにDNAやRNAの「働き」を始めてしまうw ときには、なんだかよく分からない

  • タンパク質

を作ったりするw まあ、これがさまざまに人体によからぬ影響を与える、というわけである。
一般的な風邪はすべてこのウイルスを原因とするし(インフルエンザだけが特別視されているが、この構造はまったく他と一緒だ)、基本的に風邪を直す薬はない。それは、風邪が種類が多く、数日で治ることもあり、いわゆる「ワクチン」を作るほどのメリットがないから、と言われる。
さて。次はワクチンとはなにか、というわけであるが、これは生物がもっている「免疫」機能に関係している。生物はこうやって外部から侵入してくる「異物」を、そのまま居座らさせると、さまざまな生物そのものを維持するための支障をきたすことを考えて、「排除」する仕組みをもっている。これが「免疫」なのだが、問題はこの免疫機能は非常に微妙なバランスの上に機能することが前提となっているために、

  • まったく働かなければ、易々と侵入を許し問題だ
  • やたらと働きすぎれば、あまりに敏感になりすぎて、ほとんど問題のないときでさえ、生体を防禦行動に移らせてしまう(風邪で寝込むなど)ので問題だ

というわけで、まあ、やっかいなわけである。

ワクチンは、ウイルスや細菌など微生物の一部のタンパク質を主成分として作られています。このタンパク質を抗原として注射、あるいは口からあ取り入れて、体内にそれに対する抗体を作らせます。抗原が適切でその抗体が感染を防ぐ抗体であれば、ワクチン接種後に入ってきたウイルスや細菌が体内に侵入するのを防いだり、体内に入ってきても感染する標的臓器の細胞内に侵入する前に活動力をそいだりして、感染を防ぐことができます。
しかし、ウイルスなどのタンパク質の一部だけを注射しても、体は、次にそのウイルスが来た時に感染を防ぐのに十分な量の抗体を作ってくれないことが、しばしばです。
HPVワクチン徹底検証:アジュバントの毒性とアジュバント病

子宮頸がんの主な原因とされているHPVというウイルスを直接投与しては、普通に感染させているのと変わらず、同じ問題があるから、そのウイルスが生成するタンパク質だけを人体に投与して、それがひきおこす「抗体」の生成だけを起こさせないか、というアイデアがワクチンだ、というわけであるが、しかしこのアイデアは、上記の引用にあるように、ものほんのウイルスの感染ではないから、そこから生成される抗体も微妙な量にしかならない。
この問題を解決するものとして、このワクチンを切っても切り離せない関係のものとして使われているのが、いわゆる

である。

ウイルスや細菌は、毒素によって私たちの体の一部を壊しながら、生体内、細胞内に侵入していきます。
たとえば、グラム陰性桿菌は強い毒素成分(内毒素中の特にリピッドA)を持ち、ヒトのあらゆる部分を傷つけます。このような毒素の働きは細菌が人の体の内で増えるのを助けるため、一種の「アジュバント作用」であるわけです。
毒素のアジュバント作用に接したとき、ヒトはそれをやっつけるために免疫関係の細胞やサイトカイン類を動員して、発熱などの反応を起こします。あるいはアジュバント作用が強すぎると、ひどい場合には血圧がストンと下がってショック状態になったりします。
つまりアジュバントとは、ヒトの免疫機能を呼び起こす物質でもあり、その性質を利用して、アジュバントはさまざまなワクチンに利用されています。
ただし、もともとは毒素の作用ですから、本質的に害があります。先のショック状態もそうです。
HPVワクチン徹底検証:アジュバントの毒性とアジュバント病

子宮頸がんの主な原因とされているHPVというウイルスの抗体を作るのに、その生成物であるタンパク質を投与しただけでは、十分な抗体が作られない。じゃあ、どうやったら作られるかとして考えられたのが、

  • さらに、人体を「危機」に追い込む

というわけである。そうすれば、人体は「ショック」を受けて、このタンパク質に対する「抗体」をより「防衛」的に作ってくれる、と。これが

である。ようするに、「毒」なのだw さて、今使われているHPVワクチンでは

なのだそうだが、では、そもそもどうやってウイルスは人体に「感染」しているのかといえば、細胞を「攻撃」して、その中にある細胞核を破壊して、そのDNAを「追い出し」で、その細胞膜こそ、ウイルスのDNAで「のっとる」ということをやっているわけであろう。いってしまえば、アジュバントとは、これと同じことをやっている、と言えるわけで(だって、同じ「効果」を発揮すると言っているわけですからw)、まあ、「危険」なわけです。
しかし、ではこのアジュバントをやめようとしたとき、すでに多くの「ワクチン」で、これらのアジュバントって使われているんですよねw そして、その毒性に「応じて」、少ないながらも、被害者の報告は他のワクチンでも報告されていたw
あーあ。
例えば、このHPVワクチンを義務化された期間に、はたして、どれだけの子供が、この事実を知ってたんですかね。そりゃ、多くのケースでは、そこまでの「被害」にならない範囲で、人体の免疫機能とバランスされて、処理されたとしても、そもそも毒なんですから、そうならならずに終わったケースが、それなりの確率で予想されるわけですよね。だからさ。これ、副作用がでたから、その患者は、そもそもなんらかの「問題」があったんだ、って、そういう話じゃないですよ。だって、最初から毒を入れてるんでしょ? わざわざ、その毒がなければ、当然、こんなことにならないわけで、それを「患者に問題がある」って、話をそらすのは、おかしいわけでしょう。ようするに、どんなに「健康」でも、このワクチンで「病気」になりうるけですよ。恐しいね。
しかし、だからといって、アジュバント自体をやめられない。なぜなら、すでに多くの薬で使われているからw まあ、このレトリックですよね。アジュバントをやめられないのだから、アジュバントは「問題ない」。問題ないから、HPVワクチンも問題ない。なんか、3・11のときの、低線量被曝と同じレトリックがでてきましたねw

子宮頸がんワクチンに関わる製薬企業、医師および推進団体は、効果について疑問の多いワクチンを販売し一定の収益を上げた。しかし、ワクチンによる副反応被害は、ワクチンを承認し法定接種とした国が責任を取るものであり、(安田・佐藤2013:39)、実際に接種を行った医師もあらかじめ副反応に対しては免責されている状態である。すなわち、子宮頸がん事業におけっる医学というサブ政治は、ワクチンによって「感染症に罹るという社会環境リスム」から国民を守るというベネフィットがすでに不透明な状態でありながら、なおそれを主張することが可能であり、かつ副反応に対する責任は国が負うという、リスクフリーの状態にあり、自らのベネフィットの継続的な追及が可能な状況にある。
(市原攝子「子宮頸がんワクチン事業における医学というサブ政治」)
CiNii 論文 -  子宮頸がんワクチン事業における医学というサブ政治

医者は製薬会社から薬を売ってもらえないと商売にならないから、製薬会社に弱い。製薬会社は、このワクチンの開発に莫大な投資をしているから、なんとか薬を売って、元手を取り返したい。しかも、これによる「副反応」はどうも、その一切の責任を、国が代わりに負担してくれるそうでw、そして、国ってつまりは、国民なんだから、なんとかして、国民を口先でだまくらかして、この「政策」にYESを言わせてしまえば、まさに

  • リスクフリー

で、どんなに血腥い事態が起きようと、「お金儲け」ができる、と。まさに、戦争の武器商人みたいだなw
世の中にあるれる「科学=真実」信仰って、まあ、似たような話って、いくらでもあるわけだけど、私たちは少しナイーブなんじゃないのか、と思うわけである。

ニューヨークタイムスによると、農務省の広報担当責任者であるアリサ・ハリソンは 、アン・ベネマン農務長官によって現職に任命される以前は、牛肉産業の業界団体である「全米牛肉協会」の広報担当部長をしていた。ハリソン女史は、牛肉生産者のために米政府による安全強化政策に抵抗したり、「アメリカには狂牛病は存在しない」と主張するプレス発表をおこなうことなどが仕事だった。
ハリソン女史は、農務省に入ってからも「アメリカには狂牛病は存在しない」とする発表資料を作り続けたが、農務省に入ることで、彼女は自らの主張を「業界」の主張から「国家」の主張へと格上げすることに成功したことになる。
このほか、ベネマン長官のもとで政策を立案している農務省の高官たちの中には、畜産や農業の業界団体の戦略家から転進してきた人が多い。たとえば長官の首席補佐官をつとめるデール・ムーアは全米牛肉協会の首席ロビイスト(政府に圧力をかける担当)だった。農務省は、業界に乗っ取られている感がある。ブッシュ政権は、選挙時に政治献金をもらう見返りに、業界の戦略家が官庁に入って業界寄りの政策を立案することを許したのだと思われる。
こうした傾向は農務省だけの話ではない。電力自由化をめぐっては破綻したエンロンホワイトハウスなどに対して大きな影響力を持っており、エンロンなど売電業界の主導で電力自由化が進められた結果、カリフォルニアなどで大規模停電が起きた。イラク戦争に際しても、チェイニー副大統領が以前経営していたハリバートン社や、共和党と結びつきの強いベクテル社など一部のインフラ整備会社が無競争で儲かる仕組みが作られている。
狂牛病とアメリカ

日本では以前は、老年期認知症のほとんどを脳血管性認知症が占めていましたが、最近ではアルツハイマー型老年認知症の比率が増え、今ではその比率はアルツハイマー型が脳血管性を上回ったといいます。
アメリカでは以前から、脳血管性認知症よりもアルツハイマー病が多発していて、アメリカ国内でのアルツハイマー患者は、なんと450万人を超え、アメリカ人の85歳以上の2人に1人がアルツハイマーを疑われているその症状は、ヤコブ病にきわめて酷似している。
「震え」「記憶障害」「運動失調」など。アルツハイマー患者も、やはり脳が崩壊して異様に萎縮していく症状を見せるが、狂牛病プリオン病)にそっくりだ。脳の大きさや重量が半分にまで縮んで、痴呆状態は重症化し、衰弱死していく。米アルツハイマー病協会などの推定では、1975年は約50万人だったアルツハイマー病患者数が、2005年は約450万人になっている。
アルツハイマー病の発症原因は、患者の高齢化など色々説明されていますが、基本的には病原が不明で、治療法も確立していません。
日本は高齢化が進行しているが、それ程高齢化していないアメリカで、この急激な患者数の増加は「高齢化」だけで説明できない。
続、米国の食肉産業とBSE(アメリカの真実) - 逝きし世の面影

まあ。普通に考えて、アルツハイマー病は狂牛病だよねw じゃあ、なんでそう言われないかっていえば、食肉業界の圧力があるからなんじゃないですかね。つまり、マスコミはこういった業界の広告収入に頼ってるから言えないし、政治家は、こういった団体からの献金で成り立っているから、言えない。まあ、これが「科学=真実」の

  • 正体

だよねw この「事実」を隠蔽するために、ポストモダンなりなんなりのレトリックが「反左翼」として、まさに、ボードリヤールの言う「消費社会」と共に、一般化してきたわけで。
あのさ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/komazakihiroki/20180115-00080438/

の記事だけどさ。これ、「子宮頸がん検診をすれば、ワクチンは打たなくて良いのか?」に答えてないよねw 自分で「問題」を提示しておいて、それに答えてないじゃん。ようするに、書いてある内容からは

  • 子宮頸がん検診をすれば、ワクチンは打たなくて良い

ということになるんじゃないの? というか、実質「良い」って言っちゃってますよねw だって、健診を受けていれば、早期発見ができる、ということなのだから。問題は、この健診を受けている人の割合が少ないことであって、その認識はお互い合ってるんだよね。だったら、単純に健診を受ける人を増やす啓蒙をしていく、ってことなんじゃないですかね?

他の予防手段はないの?
子宮頸がんは、検診により、癌になる前の細胞の異常状態を早期発見・早期治療できれば、予防することが可能です。
HPVワクチンを接種しても、子宮頸がん予防のためには検診を受ける必要があります。
検診は、安全で、ウイルス型による限定もなく、がんの発生率や死亡率を下げる効果が高いことが明らかになっています。
Q&A - HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団

まあ。健診で早期発見・早期治療ができれば、十分な効果があるんじゃないんですかね。そんなに問題だというなら、まずはこちらの

  • 義務化

を真面目にやったらどうでしょうか?