後記:日本は本戦出場を辞退すべきだ!

私は少し前に、

日本は本戦出場を辞退すべきだ! - martingale & Brownian motion

という記事を書いた。しかし、日本は決勝トーナメントに進んで、ベルギーともう試合をしてしまったし、しかも、その試合での日本が高評価をされたりして、一般の人には、今さら、こんな話題をむしかえすのは、KYと言われるのだろう。
なぜ、FIFAがこの問題を重要視していないのかといえば、ようするに、日本のメディアが高額で放映権料を買っているから、「お得意様」だから、さまざまに

  • 贔屓

されている、という前提があるんだと思うわけである。
(実は、こういった視点で考えたとき、奇妙なことが、この大会でも起きている。それは、日本の第一戦で、香川のシュートがペナルティエリア内でハンドで、PK&レッドカードとなった。ところが、オーストラリアとデンマークとの試合では、ポールセンという選手が同じようにペナルティエリア内でハンドをとられ、オーストラリアにPKを与えているのだが、このときはなぜか、イエローカードだったわけである。同じように、シュートを枠内に打ち、それをハンドで止めているということは、その「故意」性を認定したということであるし、それをしなければ得点になっていたと判断できるという意味でも決定的な場面でありながら、なぜ一方はレッドカードで他方はイエローカードなのか? おそらく、審判はそのハンドの「悪質」性を評価している、と疑われるわけであるが、だとするなら、その評価規準による判定の区別を「正当化」しているルール上の根拠はどこにあるのだろう?)
しかし、こういった問題はそもそも、そういった性質をもった傾向があって、つまり「当事者」性が重要になるわけで、今回の日本の決勝トーナメントの進出で、枠からもれてしまったセネガルは次のように抗議している:

しかし、このプレーが物議を醸している。FSFは「今後、FIFAはあのようなプレーをするチームにペナルティを科すべきだ。FIFAは新しいシステムを採用した。だが、フェアプレーポイントのルールはすべての問題を解決するのか?試合終了後、日本またはポーランドに何も起こらなかった。このような態度の選手、監督、チームにペナルティを科すべきだ」と、強い口調で処分を求めた。
FSFとしては、今回のW杯への復帰は求めていない。6月29日にFIFAへ2通の手紙を送ったようだが、その1通はフェアプレーポイントのことだ。FSFは日本のフェアプレーの欠如を嘆いている。
「我々は、コロンビアが得点したことを知り、日本が文字通りプレーすることを拒否したと信じている。これはフットボール界の指導原理に反している。日本の監督がこの事実を否定しなかったことはショックだった」
“歴史的敗退”セネガルがFIFAに抗議「日本にペナルティを科すべきだ」(ゲキサカ) - Yahoo!ニュース

ようするに、ほとんど、上記の私と同様のことを指摘している。特に、セネガルの関係者が、西野監督の試合後のインタビューでの

  • 開き直り

の態度を、わざわざ指摘して「ショック」と書いていることには、深刻なこの問題での日本の「非倫理性」が浮かびあがっていて、そうであるのにも関わらず、電通に支配された日本のマスコミは、まったくこの問題を重要視していない。

競技規則(ルール)が法律だとすれば、行動規範は言わば憲法。「ルール内」という主張は正しいとは言えない。12年ロンドン五輪のバドミントン女子ダブルスでは、決勝トーナメントの組み合わせを有利にしようと、無気力試合をした4組が失格処分を受けた例がある。この時も厳罰の根拠となったのは、世界バドミントン連盟が定める行動規範だった。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180702-00000075-spnannex-spo

なぜ、オリンピックでのバトミントンでは、選手の

  • 失格

の処罰にまで進んでおきながら、今回の日本代表では、同様の処罰がされないのか? それは、W杯が「プロ」のお金で、勝敗が

  • 買われる

ダーティな「見世物」だから、ということで「開き直る」でいいのか?
ようするに、なぜFIFAはこの問題に明確な解答を今に至るまで示せないのかといえば、このことは日本というアジアの巨大な市場への

  • 影響

を考えたときに、できるだけ穏便に済ませたい、という「忖度」が見え隠れしている、ということなのであろう。世界的にも最大の出資国である日本を、あまり不利な扱いにはしたくない。
しかし、そんなことでいいのだろうか? 日本は「当事者」である。その日本が、自らの居住まいを正そうとしないことが、倫理的にどう考えても許されることではない、と思われてならない。まず、自らがこの問題を提起して、その浄化に努めない限り、日本のコミュニティの「腐敗」が進む、と言わざるをえないと思われるわけである...。