善悪の政治

日本の政治構造が、第二次安倍政権において、急激に変貌を遂げたことは、別に、難しいことを知らなくても、安倍首相を中心とした、取り巻きたちの

  • 醜態

のニュースが、これでもかと流れてくるようになり、だれもがそれを知らないでは生きられない世界となってしまった。
ようするに、

を中心とした、一切の日本の「権力」が、内閣に集中する政治システムが「完成」したことで、どんなに安倍総理が醜い醜態をさらしても、彼が辞任に追い込まれることはない。

記事は安倍・石破両陣営の不協和音を報じているのだが注目すべきは安倍陣営の動きが鈍いというくだり。「首相の出身派閥である細田派(清和政策研究会)の責任も大きい」と書き、その理由として
下村博文文部科学相西村康稔官房副長官、萩生田氏の主導権争いが起きたからだ。》
と3名の名前を書いていた。産経は主導権争いの具体例も書く。
《3氏がそれぞれ首相官邸に多数の案件を持ち込んだため、首相の京都入りの日程調整がつかなくなり、地元で動員をかけていた西田昌司参院国対委員長代行を激怒させた。》
当人たちは真剣だろうが、実に喜劇的な光景だ。しかしこんなマヌケなことってあるのか。
総裁選戦線異状あり? 読売・産経が名指しした「ふぞろいな3人の“首相周辺”」 | 文春オンライン

ちょっと思いつくまま並べてみよう。「朝日」「読売」から拾ってみた。
・「総裁選は党員や党所属議員ら限られた人にしか投票権がない。一般人にも届くような討論会をしても仕方ない」(首相周辺) 朝日8月22日
・党内では「石破氏を支持した議員は今後3年間、首相から徹底的に冷遇される」(首相周辺)読売8月4日
・首相周辺は語る。「総裁3選後のレームダック(死に体)化を防ぐには、相手候補を壊滅させるくらいの圧勝しかない」読売7月26日
いかがだろうか。「首相周辺」の強すぎる言葉。行間から伝わってくるのは虎の威を借りる狐の姿である。 
総裁選戦線異状あり? 読売・産経が名指しした「ふぞろいな3人の“首相周辺”」 | 文春オンライン

日本のこの「痴態」は、外交にまで及んでいる。安倍の「とりまき」が論功行賞をと、専門家でもないのに、しゃしゃりでてきて、国益を損う。
しかし、である。
この方向、つまり、官僚から政府に権限を集中する動きは、民主党政権のときから、目指されていた動きだったのではないか、というのは思わざるをえない。
それが、「ネトウヨ」が権力の頂点を奪った途端に、たんに「危険」な仕組みとなることは、つまりは、民主党政権のときから考えられたリスクだったのではないか?
リフレ政策にしても同じで、政府によって、日銀の人事に介入したから今の政策があるのであって、そのことは、そういった介入を行ったがゆえの「リスク」に常に悩まざるをえない状況をもたらしているわけで、この二つは離せないわけである。
結局のところ、「善意」の政治は、「悪」が頂点を奪った時点で崩壊する。悪は、善が用意した「ファシズム」の道具を利用して行われる...。