アニメ「八月のシンデレラナイン」の最終回

アニメ「八月のシンデレラナイン」は最終回を迎えたわけだが、この終り方は少し「しりきれとんぼ」の印象を与える。ようするに何が終わったのかが分かりにくいのだ。
ただ、少し考えてみると、この終わり方には納得をされるかもしれない。
ストーリーを見ていて最初に思ったことは、全国大会で戦うには、女子野球部員が少ない印象を受けた、というところにポイントがある(もちろん、初出場なのだから、そういった事情もあるだろうが)。
最終回で、この第1回戦の試合は、後半。極端に戦いのシーンの描写が少なくなる。というか、そもそも、里ヵ浜高校のチームメイト間の会話が極端に描かれなくなる。そして、なんと試合終了のタイミングの描写すらされなかったわけである。
これはなんだろうと思って注意深く眺めると、ようするに、試合の後半になると、この試合の描写が

  • 観客目線

になっているわけである。観客から見た彼女たちの勇姿が輝かしく描写はされるが、選手たちの今まで描かれてきた「内面」の描写はなくなる。
このことは何を意味しているのか?
それは、この後に描かれる、9月の新学期の学校の姿に現れている。そこでは、今までの主人公だった選手たちは描かれない。彼女たちは、ここにいないのではなく、「みんな」が向かう先にいる(遠くから眺める先で練習している、その後ろ姿だけが見える)。
あの試合を応援に来てくれたみんなは、彼女たちの活躍に刺激され、自分たちも女子硬式野球部に入部しようとする。
つまり、ここにおいて「主人公」たちは交代している。
しかし、そもそも彼女たちは「モブ」ではない。というのは、彼女たちは、スマホゲーをやっている人たちには、あまりにもなじんでいた「野球部員」だからだ。
つまりこのラストが意味していたのは、

  • 新たな新入部員たちにとっての、新たな「ファーストインパクト」

というわけである...。