日米韓の安全保障

ネット上では、韓国政府による、GSOMIA拒否に対するさまざまな意見がとびかっているが、基本的には、進歩派左翼の「親韓」は一貫していて、この問題でも、悪いのは安倍首相に代表される日本会議勢力で、韓国政府は一貫して

  • 正義

であり、一つとして間違ったことは言っていない、という主張のようだ。
しかし、そうであるとするなら、なぜアメリカはこんなに怒っているのか?

韓国によるGSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄について、アメリカ国防総省高官は、「重大な誤った認識を持っている」と文在寅(ムン・ジェイン)政権を批判し、破棄を見直すよう求めた。
アメリカ・シュライバー国防次官補は、「韓国に即座にGSOMIAに戻るよう求める」と述べた。
ワシントンで講演したシュライバー国防次官補は、「今すぐに」と強調して、GSOMIA破棄の見直しを要求した。
さらに、「北東アジアが直面する安全保障の難題について、文在寅政権は、重大な誤った認識を持っている」と批判し、韓国の認識のズレに懸念を示した。
米高官“GSOMIA”見直しを要求 「文政権は誤った認識を」(フジテレビ系(FNN)) - Yahoo!ニュース

ようするに、さ。韓国政府は何を考えているのか、なんだ。

日本の植民地支配からの解放を記念して8月15日に開催された「光復節」の式典では、文大統領はこう宣言した。
2045年の光復(=解放)100年には平和と統一で一つになった国、『ワンコリア』に向けて礎を整備する。統一すれば、世界経済6位圏の国、国民所得7万~8万ドル時代が開かれる」
演説のなかでは、韓国が抱える低成長と少子高齢化の解決にもつながるとも指摘。統一までの道程として、2032年に五輪を南北で共催することなども掲げた。
文在寅が「米韓同盟破棄・朝鮮半島統一」へ突き進んでたどる末路(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

こうした文大統領の歩みを踏まえて、外事関係者は断じる。
「文の南北統一への思い入れは筋金入りだ。それを公然と宣言したのが、光復節の式典であり、今後はその実現に渾身の力を入れることだろう」
文在寅が「米韓同盟破棄・朝鮮半島統一」へ突き進んでたどる末路(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

「しかし、文は諦めてはいない。統一できれば状況は変わる、批判など一掃されるとうそぶいているという。のるかそるかの大勝負に出ているというのが実際だろう」
前出の外事関係者はそう語るが、外務省関係者の分析はさらに過激だ。
「統一のためなら、何でもするという姿勢だ。米韓同盟すら反故にしかねない。で、最悪の場合は北朝鮮に亡命するつもりだ。娘や孫は、さすがに北朝鮮では不自由だろうと、先にタイに逃がしたのだろう」
文在寅が「米韓同盟破棄・朝鮮半島統一」へ突き進んでたどる末路(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

文大統領は、「南北統一のためには、どうなっても構わない」と意を決した、と言うのだ。
文在寅が「米韓同盟破棄・朝鮮半島統一」へ突き進んでたどる末路(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

つまり、どういうことか? 文大統領は、最初から日本のことなんか考えていない。いや、そうではない。韓国と北朝鮮

  • 統一

したときに、植民地支配の賠償として、莫大なお金を日本に要求してくる。そのためについては、日本は重要だが、そもそもそれは

さえ受けられれば、日本は払わざるをえなくなる、という考えなのだから、やっぱり日本はどうでもいいのだ。
文大統領が考えていることは、ただ一つ「北朝鮮」だ。彼は、韓国と北朝鮮をどうやって統一するのかしか考えていない。そういう意味では、日本のことなんて、一ミリも考えていない。そして、これを実現するためなら、アメリカを怒らそうがなんだろうが、どうでもいいのだ。
ここで考えてほしい。
アメリカや日本が今考えている、東アジアの安全保障体制がどうなっているか。まず、韓国は、このアメリカと日本の側と考えられている。では、北朝鮮はどうか。言うまでもない。中国側と考えられている。では、文大統領は、この関係をどうしたいのだろう? 一つだけはっきりしていることは、彼は

  • この関係は間違っている

と思っているということだ。だから、今回、文大統領はアメリカの了承もないにも関わらず、GSOMIA破棄を決定した。それによって、アメリカが自らの「安全保障構想」の

  • 変更

を迫られることが分かった上で、文大統領は「そうしろ」とアメリカに命令しているのだ。なぜなら、そうならなければ

  • 南北統一

ができないからだ。
さて。日本の多くの進歩派左翼(いわゆる、「リベラル」知識人の方々)は、この日米韓の安全保障体制がどうなればいいと考えているのだろう? 韓国の今やっている姿勢を追認することは、間違いなく、この体制の

  • 弱体化

をもたらし、日本の安全保障を脅かすものであるわけだが...。