「本当の」日本人とは誰か?

私たちが「日本人」と言うとき、その「定義」は

  • 日本人=日本「の国籍をもっている」人

となっている。ここから、日本の法律では国籍取得をどのようなルールで行っているか、と調査を始める。しかし、この定義の本質は、そのルールがどうなのかということより

  • 国家が誰が「日本人」なのかを決める

というところにあって、つまり、たとえどんな人であっても、国家がそうだと決めたら日本人だし、そうでないと決めたら日本人じゃない、と言っているに過ぎないわけである。
しかし、である。
こういった「日本人」の定義は、本当に私たちの直観に合ったものでしょうか? そもそも私たちが「日本人」という言葉を使うとき、こんな国家が決めたか決めてないかなんていうルールを元に日常的に考えているでしょうか? もしそうでないとするなら、なにかが間違っている、ということになります。つまり、もっと

  • 違った「日本人」の定義

の可能性がある、ということがここから示唆されるわけです。
ここで、今開催されているラグビーの「日本代表」の資格条件を確認しておきましょう。

ここで、そもそもの日本代表資格取得の条件をおさらいしておきます。
大前提として、他国での代表歴がないこと。
加えて、以下の3つの条件のうち1つでも当てはまれば日本代表資格が得られます。

  • 出生地が日本
  • 両親または祖父母のうち1人が日本出身
  • 日本に3年以上継続して居住している(2020年12月31日からは、5年以上の条件に変わる)

さらに、以下の条件でも代表資格は取得できます。

なぜラグビー日本代表には外国人がいるの? | ラグビーアイランド

驚くべきことに、ラグビーの日本代表の資格ルールには「日本国籍」と同値とはなっていないのです(まあ、驚くべきっていうか、今回のW杯を見ていれば誰でも気づくわけですが)。
まあ、ラグビーだけは前から、どこの国もこのルールということで、ラグビー発祥のイギリスなどの昔の植民地時代に、外国に住んでいて、簡単に母国に帰れない人も大会に出れるように決めたルールということのようですが。
まあ、上記を見ると細かいことがいろいろ書いているけど、基本は「3年、継続して日本に住んでいたら」OKっていうところですよね。
つまり、

  • 日本人=日本「の」人=日本「に住んでいる」人

というわけで、まあ、ちゃんと腰をすえて「住んでいる」と言えるのは、3年とか5年なんじゃないのか。まあ、それくらい住んでいると、日本での生活にも慣れて、

  • 外国の「お客様」

ではなく、

  • 自分たち

と考えていいのではないか、っていうことなわけで、まあ、こっちの方が私たちの感覚としては、比較的に、直観に近いんじゃないですかね...。