楽しい夜見

「とじとも」のOVAの制作が発表されたのだが、よく分からないのだが、これって、アニメ「刀使ノ巫女」の方ではなくて、それを「原作」とした、スマホゲームの方の

  • アニメ化

っていうことなんだよな。うーん、原作の方ではないのか。。
まあ、それだけ、スマホゲームの方の、課金ガチャの売上がいいってことなのだろう。確かに、原作と「とじとも」のストーリーは基本的に同じで、今の段階でも、燕結芽(つばくろゆめ)が隠世(かくりよ)から生還するなどの違いはあるが、スマホゲーム制作側としては、大きくは、その世界を「拡張」したものとして受け取っているのだろう。だから、原作のイメージを壊すことなく、どちらのファンにも満足できるストーリーを提供できる、という考えってことで。
ここで、簡単にこの「とじとも」という、ゲームの特徴を私なりに解釈しておこうと思うけれど、基本的にバトル物なんだよね。つまり、「戦闘」が、ゲームとしてはメイン。ただ、ここでの戦闘は、味方も敵も、それぞれの「能力値」が確定している状態で、それに一定の「効果」の確率がありながらの、相手のHPをゼロにする、っていうのが基本的なスタイルだ。
確かに、原作も刀使同士の戦いはあるし、ノロとの戦いもあるのだけれど、しかしそれって、ここで「巫女」と言っているように、なんらかの「神への演舞」のような、儀式的な色彩が強い。そもそも、女の子しか刀使になれませんからね。だから、単純な筋肉量では男性にかなわないわけで、じゃあ、ここで言っている「刀使としての能力」ってなんなのか、って、うまく定義できないんだよね。
でも、これもさんざん言われてきたことだけれど、こういった「戦闘美少女」って、今までのアニメでも、何度も何度も描かれてきたわけだ。そして、この作品もそういったものの延長にあるものと考えなければいけないわけで、だから、あまりその辺りにこだわっても、しょうがないわけだ。
ただ、そうは言っても、ことスマホゲームとしては、これは「戦闘」もの、バトルものなのだから、そういった観点では、より「映える」ものってあるわけで、例えば、バーチャファイターだったら、筋骨隆々な男が、バトルをするから、なんか

  • 説得力

があるわけで、でも、そういった観点で考えると、どうしても、原作の主人公の女の子たちって、「巫女」っていう基本があるから

  • 普通の女の子

なんだよね。見た目も、性格も、態度も。みんな「おとなしい」。
まあ、原作としては、これでいいわけだ。しかし、スマホゲームとしては、それではなんか、ゲームとしての「刺激」が足りない。
そういった観点から考えると、スマホゲームになって追加された、ヒロインたちには、なんらかの特徴的な「キャラ」がある、というのに気付く。
一番分かりやすいのが、七之里呼吹(しちのさとこふき)や、山城由依(やましろゆい)といったような

  • 男っぽいキャラ

なわけだ。この二人は、とにかく、「口が悪い」し、「下ネタ」を言うしで、ほとんど「男と変わらない」んだよねw つまり、原作の「巫女(みこ)」っていう、

的な、そういった原作設定のイメージを大きく逸脱してしまっている。
しかし、バーチャファイターのような、バトルものとしての、筋骨隆々の男たちが戦う説得力のような要素を、このゲームに求めようとすると、どうしても、こういった「説得力のあるように見える戦士タイプ」の一定の必要があったんじゃないだろうか。
しかし、です。
もちろん、私はこういったキャラが「嫌い」だw それは、まさに「原作」のイメージを壊しているように見えるからで(少なくとも、この原作で、「セクハラ」描写は、ゲンナリする)、そこには一定のジレンマがあるのだろう。
じゃあ、逆に私が好きなキャラって誰なんだろう、と考えると、可奈美(かなみ)と姫和(ひより)の主人公の二人はいったん脇に置くとすると、どうしても

が頭に浮かんでしまう。
このキャラは、原作では最後の方で亡くなってしまうのだが、まあ、性格は暗いし、これといって自己主張もないまま亡くなってしまって、スマホゲームでは、結芽が生還してしまったから、今のところ、最後の一人の死んじゃったキャラということになっているわけで(まあ、そう考えると、おそらく、スマホゲームのストーリーの方でも、「夜見の復活」というのは、ファンの注目になっているのかもしれない)、あまり注目されている方ではない、と言わざるをえない。
しかし、このスマホゲームをやっている人で、夜見が嫌いな人はいないだろうw
なぜなら、プレイアブル・キャラの中で、彼女が唯一

  • 毒(どく)攻撃

を行えるキャラだからだ(たしか、そうだったと思う)w こんなことを言っていると、最近も、沢尻エリカのドラックでの逮捕などもあって、毒なんて恐しいものを、といった、おしかりを受けるかもしれないが、言いたかったのは、その他のどのキャラも、使う攻撃が

  • 正々堂々

と、正義の味方が使うような、「誰からも後ろ指を指されない」ような、「悪くない技」だな、っていうのが、なんか、しらけるのだ。
戦いにおいて、女性は弱い。いや、体力はそうなんじゃないか。むしろ、そういった「巫女(みこ)」という属性を宿命づけられているのだから、それは当たり前なのだ。だったら、この

  • 戦い

と言っているんだから、毒(どく)の一つも使おうよ、って思うんですけどねw
確かに、ゲームはどうやれば「勝つ」のかが決まっていて、そういった「勝つ」ための、効率的な「遊び」が目指されているんだ、っていうのは分からなくはないけど、結局、こういったスマホゲームも、自分の職業柄なのか、一個一個の「技」を

をしないと気がすまないんだよね。ちゃんと、その「技」って動いているの?、ってな感じで。そうすると、この「毒(どく)」って、ちょっと、おもしろいんだ。というか、これがもっと、いろいろに使えるようになると、もっとおもしろい「遊び」になるんじゃないのかな、なんて思ったりする。
沢尻エリカのドラッグの件もそうだけど、ドラッグが恐しいのは、もしも「他人に強制的に打たれた」場合に、本人がそれ以降の禁断症状に耐えられるのか、そして、耐えられないときの致死率ですよね。
でも、これって逆に考えられるわけです。
戦いは勝たなければならない。これは「戦い」なのだから、なにを使ってでも勝つ。まあ、そういった象徴として、「毒(どく)」って、あるんだと思う。そこまでするのか。そこまでして勝つのか。そういった、戦争のリアリティを、この「毒(どく)」が象徴している。つまり、そういったものにさえ、手を伸ばしている夜見(やみ)の姿に、なんとも言えない、お互い

  • 弱い者

としての矜持であり、親近感をもつわけである...。