これはゴーン問題なのか?

巷では、ゴーン被告の逃亡劇でうるさいが、ここは冷静に一つ一つ考えてみよう。
まず、ゴーンさんはなにか今回の「逃亡」で罪を犯したのか?

執行猶予が見込めるのであれば、決められた日に裁判所に出廷する程度の負担しかありませんので、わざわざ逃げる意味がありません。
保釈中に逃亡したらどうなる? | 逮捕・示談に強い東京の刑事事件弁護士

保釈中は刑事施設で勾留されているわけではありませんので、たとえ逃亡しても、逃走罪は成立しません。
保釈中に逃亡したらどうなる? | 逮捕・示談に強い東京の刑事事件弁護士

実際は、検察庁の人員不足もあり、何年間も所在がわからない逃亡者も少なくありません。
保釈中に逃亡したらどうなる? | 逮捕・示談に強い東京の刑事事件弁護士

なんのことはない。「逃亡罪じゃない」んだってさ。もしも逃亡罪なら、早く「逮捕状」をだして、逮捕するって言えばいいのに、今のところやっていない。
うーん。
変だよね。だとするなら、巷でこの件に「怒って」いる人たちって、何に怒っているんだろうね? 例えば、

逃亡者ゴーン騒動劇、本来彼に対しもっとも怒りそうな人達が政府や権力憎しから擁護に加担する様を露呈したことで正直格差是正や貧富格差批判をしてる人達の言動が信じられなくなっている。
@Fumitake_A 2020/01/05 03:22

ここで、ゴーンに対し「怒りそう」と言っているのは、どういう意味なんだろう? なぜ怒るの? 国家の裁判制度という「ルール」のレールの上で動かなかったから? でも、今回のゴーンの行動は「犯罪」が成立していないんですけど?
いや、「ルール」とは、そういうものじゃないんだ。「やってはいけない」と書いてあったら、絶対にやってはならないんだ、とか、そういうことが言いたいんだろうか? それとも、これが

  • 国家の命令

だから、それに「逆らった」ということが、絶対にやってはいけない行為ということで非難すべき、と言っているのだろうか?
しかも、ね。
こういった逃亡は、日本では何度も起きているんだってさ。なおさら、訳が分からないわけであろう。今回のゴーンにそんなに怒るんだったら、こういった人たちに対して、日頃から怒りをぶつけてきていたの?
さて。次に、こういった「事件」は世界中で、まったく起きていない、まったくの、ゴーン被告唯一無二の罪状なのか? であるが、

世界を見渡せば、こんなことはしょっちゅうある。アメリカの国家機密をインターネットに流した元アメリカ国家安全保障局職員のエドワード・スノーデン氏をアメリカ政府は捕まえようとしたら、スノーデン氏は国外に逃げた。今はロシアにいるらしいが、ロシア政府はスノーデン氏をアメリカには引き渡さない。
トルコのエルドアン大統領が2016年のクーデターの首謀者と目している在米イスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン師を、エルドアン大統領は引き渡すようにアメリカに求めているが、アメリカは応じない。
中国の通信機器最大手の華為(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者CFO)はカナダに拘束されているが、中国が強烈に中国への引き渡しを求めている。
橋下徹氏がゴーン被告の逃亡騒動に私見「日本との戦争だ」 - ライブドアニュース

なんのことはない。どうも、世界中で、これと似た事件は、日常茶飯事に起きているようなのだw だったらさ。こういった事件に対しても、当然「引き渡すべき」って、こういう人たちは、怒髪天をついて怒ってきてたんですよね

  • 今まで

もw そういうことをやっておかないで、ゴーンの今回だけに、怒りだしているんだったら、なんか違う理由なんじゃねえの、と言いたくなるわねw
さて。次に、日本政府が今回の件に、怒髪天を付く怒りに震えているとするなら、

  • 以前

これと「反対」のことを日本政府がされたとき、どうしたのか? であるが、

もうお分かりだろう、そう、アルベルト・フジモリ氏だ。日系2世のフジモリ氏ペルー共和国の大統領だったが、さまざま不正や虐殺事件の指揮などの疑惑が指摘されると、首脳会談にかこつけて国外脱出して日本へ身を寄せた。
そこでペルー政府としては、フジモリ氏の身柄の引き渡しを求めたが、日本政府はけんもほろろに突き返した。なぜかというと、福田康夫官房長官(当時)が会見で述べた言葉が分かりやすい。
「一般論としていえば逃亡犯罪人引渡法によると引き渡し条約に別段に定めがない限り、日本国民は引き渡してはならないことになっている。(フジモリ氏は日本)国籍を有する」(朝日新聞 2001年3月2日)
フジモリ氏は選挙では日本国籍はないとペルー国民に説明していたが実は真っ赤なうそで、「二重国籍」の持ち主だったのである。特別なルールがない限り、主権国家は自国民を守らなくてはいけない。政治的迫害から逃れてきた者だろうが、犯罪者だろうが、よその国に求められるままホイホイと差し出してしまったら、その国の独立性を否定することになるからだ。
とはいえ、こんな理不尽な話でペルー国民は納得しない。ほどなくして、逮捕状を請求したインターポールに国際逮捕手配書を発行してもらった。そこに並ぶ容疑は、24人もの民間人の虐殺を指揮したという殺人の疑いのほか、暴行、文書偽造、誘拐など。ゴーン氏のなんちゃらルートを使った不正送金が霞んで見えるほどの罪状だが、日本政府はこれも軽くスルーした。
理由は、インターポールの手配書は、日本の裁判所が発する逮捕状にあたらないから。要するに、日本でのんびり暮らすフジモリ氏にはなんの効力もないというのである。かくして、ペルーから逃亡した犯罪者・フジモリ氏は自身の意志で日本から出国するまで、逮捕も勾留の心配もなく、親交のある友人宅で充実した日々を過ごすことができたというわけだ。
「ほら、日本ってめちゃくちゃでしょ」 ゴーン氏の逆襲をナメてはいけない (1/5) - ITmedia ビジネスオンライン

なんと、徹底してフジモリのケースでは、徹底的に、在留保護をしたんだってさw 自分はそうしておいて、レバノンは無条件で引き渡すべき、ですか。よっぽどの、日本ホルホル、日本ナショナリストですね。日本は特別。日本が馬鹿にされたら、世界は言うことを聞くべき。でも、日本は世界の言うことを聞く必要はない、ですかw そりゃあ、だれも信用されませんよね。
さて。次に、日本の検察の「99%有罪率」は、(池田信夫の持論らしいがw)世界平均並みなのだろうか?

特捜部が、被疑者を逮捕する事件では、検察組織が、「独自に刑事処罰をすべき」と判断するからこそ逮捕するのであって、それを自ら不起訴にすることは、ない。(小沢一郎氏の政治資金規正法違反事件は、逮捕はされていないし、そもそも告発事件で検察が独自に刑事立件したものでもない。)警察の判断で逮捕した事件について、検察が起訴・不起訴の判断をするのとは根本的に異なり、特捜事件においては、池田氏が言っているような「逮捕された被疑者のうち、確実に有罪になる者しか起訴しない」という選別は働かない。ターゲットにされた人物とともに下っ端の人間が、「捨て駒」的に同時逮捕され起訴猶予になる場合を除き、特捜事件においては、「逮捕=起訴」だ。
ゴーン氏「日本の刑事司法に『絶望』」の理由~「有罪率99%は誤解」との見方で「特捜事件」を論じることの“誤解”(郷原信郎)

あのさ。日本の一般の刑事裁判がそうなのかどうかは知らないけど、少なくとも

  • 特捜部案件

は、真っ黒な「99%」らしいぜw
うーん。何が起きているんだろうね。ネットのニュースを見れば、特捜部の

  • リーク情報

ばっかりじゃないですか。それを、マスコミは、なんの批判もしないで、たれ流している。
そして、さ。
いつもの、日本のエスタブリッシュメントだよね。彼らは絶対に検察を

  • 批判

しないんだよね。日本の偉い人は全員そう。普段はどんなに、偉そうなことを言っていても、口が割けても、特捜部批判をしない。
なぜか?
まあ、自分が目をつけられて、検察によって、裏に手を回されて、公職から追い出されたら、日本では生きていけないからなんだよねw
なんのことはない。
これが日本の「アカデミズム」の

  • 正体

なんだよ! 奴らは、絶対に、安倍政権を批判しないのと同じように、絶対に検察を批判しない。こういった事件が起きると、全員

  • 検察の「応援団」

となって、みんなで、ゴーンの悪口を言いあって、権力に「おべっか」を使うのに「必死」なんだよね。
恐しいね。この日本っていう国は。

犯罪人引渡し条約が締結されていなくも、本当に、ゴーン氏を起訴した罪状が悪質・重大なものであり、ゴーン氏に対する日本での扱いが不当なものではないと「確信を持って」言えるのであれば、国際社会に対してそれを堂々と主張し、犯罪者を匿うレバノンを批判すればよいはずだ。国際世論に訴えて、レバノンに身柄の引き渡しへの協力を求めることは不可能ではないであろう。
問題は、「ゴーン氏事件」が、日本政府が逃亡犯罪人を匿う国に対する「当然の要請」として行えるような事件なのかどうか、である。
ゴーン氏出国は「単なる刑事事件」の被告人逃亡ではない~日本の刑事司法は、国際的な批判に耐えられるのか(郷原信郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

上記から見てきたように、さ。今回の問題は「ゴーン問題」じゃないよ。しいていえば、

だよ。たんに、レバノンが、日本の検察にゴーンを引き渡せばいい。そこに、今回のゴーンの逃走劇なんて

  • 関係ない

んだよ! ゴーンが逃走していようが、そうでなかろうが、今は、レバノンにいるんだから、レバノン政府が日本政府に、ゴーンを引き渡せば、それで全ては収まる。
しかし、ね。
もしも、そうしたいのなら、上記の最後の引用にあるように、日本の検察であり、日本政府は、レバノン政府に向かって、

  • 今、日本で起こなっているゴーンの裁判が、いかに「正義」にかなっていて、「正しい」行いであるか

を「証明」してみればいい。そうすれば、彼らだって

  • 納得せざるをえなくなる

わけだ。
でもさ。
そんなことって、「可能」なのかな? 今、この裁判が、本気で「正しい」と思っている人が、どれだけいるんだろう? 自分がそう信じていないのに、他人にそれを信じさせることができると考えているのだとすれば、どれだけ傲慢なのか、ってわけだよね...。