文系知識人はなぜ会見動画を見て蘊蓄を語らないのか?

昨日ですかね、小池東京都知事の会見で6月1日からの、ステップ2への移行の話があった。

【ノーカット】東京都・小池知事「6月1日午前0時をもって、ステップ2に移行する」(2020年5月29日)

ここで、直近、東京で感染発見者数が増えている件について、知事が、その傾向として、若い人や、いわゆる「夜の街」の話をしていたことは、象徴的であった。おそらく、一定の割合として、若い人には、そういった外出であり、「濃厚接触」を伴う行為を

  • 継続

していた人がいた、ということは間違いないのではないか。そして、これは、これからも続く。
あと、専門家会議による会見があった。

【LIVE】新型コロナ第2波阻止へ 政府専門家会議会見

まあ、この専門家会議による会見は今までも、動画で配信されていて、私は毎回視聴してきたのだが、思ったのは、ツイッターなどで発言をされている、いわゆる

  • 文系知識人

の方たちは、今回もこの新型コロナに「いっちょかみ」してきているわけだけどw、なぜ彼らは、最低でも、この一連の動画をフォローしてないんだろうね。みんな、この配信の現場でメモをした新聞記者の記事にクレームを繰り返しているんだけど、いや、その「ソース」そのものが公開されているんだから、自分でそれを見て、発言されたら、としか感想がないのだが。これを見ていたら、まずやらないだろう

  • トンチンカンな「感想」のつぶやき

を繰り返している姿を見るにおよんで、もはや、彼らには公共的な、発言の能力が著しく足りていないことを証明してしまっているんじゃないのか、といった感想をもたざるをえない。
というか、専門家会議に文句なり意見なりがあるんだったら、この場にジャーナリストとして出てきて、

  • 質問

をすればいいのに、やりもしない。それで、なんか分かったような、いっちょまえなことを言ってる動画を有料で自分のファンクラブの会員に売りつける商売をしている。
例えば、今回の専門家会議の会見で、日本が行ってきたクラスター対策の特徴についての説明があった。そこで強調されていたのは、クラスターの

  • 前向き

の調査だけでなく(こちらは世界中の国で行われている)、

  • さかのぼり

の調査も行っていた、ということが強調されていた。そして、その「さかのぼり」の調査については、そもそも最初から、日本の「保健所」は、クラスター対策班が何かを言うまえから行われていた、というのである。

諸外国に真似ができない対策を日本が打てた理由は、長らく日本で猛威をふるい続け、命を奪ってきた結核対策を担ってきた津々浦々の保健所にありました。予算を削られながらも、機能として維持され続けてきた僥倖こそが、日本でコロナウイルス感染拡大を一定のところで防ぐことができた大きな理由であろうと考えられます。
根拠なく「緊急事態宣言は要らんかったんや」と言い出す知識人が増えている問題(文春オンライン) - Yahoo!ニュース

つまり、どういうことかというと、こういった「さかのぼり」の調査は、そもそも

として、日本で行われていた手法であった。つまり、日本は今でも、この結核という病気が残っているがゆえに、かなり弱体化してではあったとしても、保健所システムが存在したがゆえに機能した側面があった、ということが、まさに

  • 当事者

たちからの「自己分析」として語られた、ということなのだ。
まず、そもそもなぜ日本の「指数関数的増大」が危険視される事態にまで、東京の危険度が上がったのかについては、主に、欧米からの日本人観光客などの「海外在住の日本人」の帰国ラッシュが起きていて、日本政府は基本的に、そういった人たちを、ほとんどノーガードでウェルカムしていたから、ということは分かるであろう。
まあ、これについては疑問や批判は多くあるのだろうが、次に、普通に考えて、なぜ日本の本格的な「指数関数的増大」が防げたのか、といった疑問は、端的に

  • 大規模イベントの「自粛」が、かなり早い段階から行われていた

ということと、

  • 「夜の街」対策

があることは確かであろう。ではなぜ、それが、そこまで自粛という形であったとしても、行われていたのか、と考えると、やはりそこに、上記のクラスター対策から導かれてきていた、三密などの「推論」の仮説から、ごく自然に導かれる「結論」として、多くの国民に説得力のある話として聞かれたから、とは推論できるわけであろう。
まあ、単純に考えて「大型イベント」が、あまりにも、メガクラスターを生み出す可能性としては危険だったわけで、これだけでも、早い段階で「自粛」が次々と成立したことは、明らかに、日本の新型コロナの勢いを限定的にした。
あと以下について、簡単に書いておきたいんだけれど、

大西准教授は意味のある検証をしていると思うのだが、結論としてちょっと矛盾してないか?

性能が高いマスクの装着がベストですが、もし無いなら布マスクでも付けない選択肢はないと思います

漏れ率100%のマスクでも、付けないよりはマシと?
マスクのフィルター効果はないという検証をしていて、それは矛盾してないか?(^_^)b
「4つの機能のうち、2つでも効果があるなら、それだけリスクを減らすことができる。」とい
う2つとは……
3.喉の保湿と粘膜の保護(※ウイルスに感染しづらくなる)
4.ウイルスで汚染された手で顔を触らない
……のことだと思うが、新型コロナが保湿で感染しづらくなるという報告は出ていないのでは?
また、「ウイルスで汚染された手で顔を触らない」というが、マスクをしきりに触っている人は多いし、鼻をほじったり、目を掻いたりするのは無意識にやっているので、マスクのあるなしは関係ないと思うよ。
それこそ、顔を手で触れないようにするには、バイク用のフルフェイスのヘルメットを被った方がいい。
マスクは「咳エチケット」などといわれてきたが、飛沫が漏れ出るのを防ぐ効果はないことは検証されたわけだ。
結局、マスクは飾りにしかならない?

ようするに、このブログの方は、

  • マスクは「不要」

なんだ、と言いたいわけである。つまり、以下の記事にある研究に対して発言をされているのだが、

驚愕の結果…アベノマスク、中華マスク、お洒落マスクの効果を測定してみた あなたはつけ方を間違えている! | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

上記の引用で「2つ」を「2、または、3」のことなのだろうと、このブログの方は推論されているだけだけれど、なぜそうしたのかというと、つまり、いわゆる

  • 空気感染

のモデルを前提にしているわけでしょう。
こういったマスクの機能は、例えば、他の一部のウイルス感染のような、明らかな

  • 空気感染

が起きることがはっきりていて、事実、そのモデルに対応しているような、「急激な患者の増大」が起きているケースでは、ここで言う、マスクの「漏れ率」は大事なファクターであろうが、京大の宮沢先生もさかんに発言されているように、(いわゆる「エアロゾル感染」と呼ばれているケースについてはともかく)、SARSでの動物実験での性質からの推論からも、新型コロナでは、まず、ほとんど空気感染は疑われていない、と。
その上で、「それなりの水滴の塊となって、相手の口や鼻から、くしゃみなどによって、飛び出してきて、顔に付着するケース」として、人人感染を考えるなら、少なくとも、マスクがその「勢い」を弱めている、という時点で、一定の効果があるのだろう、と考えるのは自然な推論なんじゃないのか?
(つまり、このことは、私たちがさかんに「手洗い」を三密と平行して強調されていることの理由になっている。ウイルスは重力によって、落下して、物にはくっついている。)
つまり、さ。なんというか、こういった「文系」の人たちが、こういった理系の人の書く文章を「ミスリード」して読んで、それを拡散しているんじゃないのか、という疑いなんだよね。
実際、そんなに

  • 世間が間違っていて、自分の「発見」だけが正しい

と思っているんだったら、実際にそういう専門家に「取材」をして、なぜ自分とは違う結論になっているのかを聞いたらどうなんだろう? なんで、そういうことをやらずに、こういった「評論家」みたいな、蘊蓄をたれたがるんだろうね。
ていうか、さ。こんなこと、普通に、常識的に、自然科学で考えたら、当たり前なんじゃないのか、と思うわけだけれど、おそらく、例えば、SF小説などで、何度も描かれてきたパンデミック小説のイメージが強くあって、そのイメージにひっぱられて考えてしまっているんじゃないのかな、と思うんだけれど、どうなのかね。少なくとも、なぜ世の中の人が、そのように振る舞っているのかの説明にはなっていると思うんだけれど、なんでそれにすら気付かないかのような文章を書き殴ってしまうんだろうね。よく分かんないや、文系の人たちのリテラシーって...。