ひらがな

アニメ「いわかける」で、上原隼(うえはらじゅん)は子どもたちにボルダリングを教えるために、いろいろと細かいルールを話し始める。すると、すぐに子どもたちは文句を言い始める。「先生の言っていること、分からない」。そこで、内村茜(うちむらあかね)は、彼女に代わって子どもたちに呼びかける。「同じ色の石を集めるゲームだにゃ」。
隼の説明は、そもそも子どもたちが「知らない」難しい漢字や英語をまじえた説明であって、そもそもこういったものは、大人でも、それがどういった文字に対応するのかを、すぐに頭の中で浮べながらでなければ、理解できない。対して、茜の説明は、全て、子どもが日常的に使っている、単語ばかりで、しかも、これから何をやればいいのかがすぐに分かる。実際、下の方の石はすぐに手が届いて、すぐに集められるけど、上の方のを集めるには、上に登っていかなければならない、というのは自明だからだ。
ところで、漫画『鬼滅の刃』の最終巻がでたわけで、漫画版を全然読んでないのに、たまたま当日、本屋に行く用事があって売ってたから買ってみた。
すると、まあ、内容はともかくとして、あることに関心した。それは、全ての漢字に「るび」がふってあることだw うーん。ジャンプコミックって、昔から、そうだったっけ?
こう思ったのには理由がある。そもそも、漫画というのは、アニメより

  • 高学年

の子どもから読むものだ。というのは、当たり前だが、漢字がどうしても出てくるので、低学年だと、まだ習っていない漢字があると、意味が分からないからだ。それに対して、アニメは、話している音声で説明されるので、なるべく易しい言葉を使ってくれれば、聞きとれる。
ひらがなを習うのは、小学校1年だ。つまり、小学校1年生以上は「全員読める」ということは、いかに、日本語を「読む」という行為が簡単であるかを示している。そして、それは外国人も同じだ。
ところが、一歩外に出ると、あらゆるところに「漢字」が使われている。これが、子どもや外国人の「読字力」を弱めている。読んでも分からない漢字があるから、どうせ文意を読みとれないから、読むことを止める。これが、日本社会の底辺を脆弱にしている。
そう考えると、こう言えるだろう。あらゆる漢字には「るび」をふる。少なくとも、公的な文字には、全て、これを行う。こうすれば、一気に日本社会の「民主主義」が広がる。だれもが文字が読めるから、だれもが、世の中の活動に参加できるから、だれもが積極的に政治参加を行い、この社会を作り上げていく過程に積極的に関わることになる。「鬼滅の刃」現象とは、こういった

  • 民主主義

の拡大の現象だ、と考えられるだろう...。