新型コロナについて分かってきたのか?

新型コロナは、イギリスや南アフリカでの「変異種」の話がでていて、フェーズが変わった、という印象を受ける。
つまり、感染力が今までの7倍と言われ、子どもでも発症すると言われ、さらに日本国内でも発見された、という話もあり、今の関東圏の感染者の上昇トレンドが、この変異種と関係あるのではないか、といった憶測まである。
もしもこの推測が本当なら、今まで専門家会議などから語られてきた個人が行える対策、いや、そもそも、ロックダウンでさえ十分ではない、という話もあるわけで、すべてがガラガラポンされているような、そういった混乱状態がうかがえるわけだ。
対して、大晦日の「朝まで生テレビ」を見ていたのだが、東京都医師会の尾崎先生もいて、現在の関東圏での「医療崩壊」が現実となってきている、という話があったわけで、基本的に番組の基調としては、ここまで来れば、緊急事態宣言もやむなし、といった論調だったように思われる。
この番組は全部見たわけではないが、さすがに長い時間の対談であることもあり、尾崎先生が日本の医療が、開業医が多く、公立の病院が少ない、そのことがヨーロッパの国々との違いを生んでいる、という話もしており、必要な論点は出ていたんじゃないのか、とは思う。
ちなみに、去年の最後の videonews.com で、宮台先生は、二十歳以下の子どもは「自由」に行動させて、年寄を「隔離」すべきだ、と言っていたわけだが、この前提は、新型コロナの特性が分かってきた時点でそうすべきだった、という話で、しかし、こうやって「変異種」の話が出てくると、

  • その「前提」も変わるかもしれない

というわけなんだから、なんだかな、と思うわけである。
つまり、多くの人が、今までの「前提」で考えてきたことが、この「変異種」の話によって、ガラガラポンされているかもしれないことを分かっていないんじゃないのか、と。つまり、「混乱」しているんじゃないのか、といった印象を受けるわけである。
まず、この「変異種」が海外で発見された、ということから言えることは、まず空港などでの「検疫」が、日本ではザルである、ということがずっと言われてきた。
しかし、他方でなぜそういった変異が、国内で発生しないと言えるのかと聞かれると、そんな保証はないわけで、だったら今まで議論されていた「対策」ってなんだったのかな、と思うわけである。
免疫学者を中心に今まで語られてきたのは「弱毒化」の話であった。なぜそうかというと、あまりに強い毒は、周りに感染す前に、感染者を殺してしまうから、結果として「周りに感染らない」という前提があった。そして、その含意は、この「弱毒化」は1年とか、それくらいのスパンで進んでいく、という話であった。だから怖くない、という話だった。ところが、新型コロナは、感染者の多くが「無症状」なのだから、たとえ「強毒」であっても、次から次への感染せるのだから、そもそも、そういった「淘汰」は生まれにくいんじゃないのか、という疑問が生まれるわけである。
今までのところで、新型コロナで世界中でどれくらいが亡くなっているかと考えると、こういった特性はかなり重要なポイントと思われるわけであるが、誰も正面から、これに取り組んでいない、ということなのだろう。

これを聞くと、「新型コロナウイルスはなんと恐ろしい毒性を持っているんだ」と思うのですが、こうした症状の悪化の原因はウイルスの病原性だけではないことがわかっています。
ウイルス単体の毒性でいえば、インフルエンザウイルスのほうがよほど怖いのです。
では、なぜ世界で100万人以上もの方が命を落としているのか?
その答えが、「サイトカインストーム」です。
新型コロナに感染しても「軽症で済む人」と「重症化する人」の決定的な違い 「レギュラトリーT細胞」が命を守る

そして、このサイトカインストームにおいて、もうひとつ炎症を悪化させるファクターがあります。それが、「免疫ブレーキの故障」です。
免疫の働きが正常な状態であれば、ウイルスの感染に対して免疫応答(ウイルスなどの外敵に対処する免疫細胞の一連の反応)が行われたあと、免疫細胞たちに「撤収」を呼びかける細胞がいます。
それが、「レギュラトリーT細胞」です。
ヘルパーT細胞、キラーT細胞と同じT細胞の一種で、免疫細胞たちを制御することが役割です。この細胞が正常に機能していれば、サイトカインストームも抑制されたはずなのです。
しかし、新型コロナウイルスに感染し、重症化した患者の血液中からは、このレギュラトリーT細胞を含むT細胞全般が極端に減ってしまっていることがわかっています。
新型コロナに感染しても「軽症で済む人」と「重症化する人」の決定的な違い 「レギュラトリーT細胞」が命を守る

新型コロナとインフルエンザを比べると、直接の「毒性」ということではインフルエンザの方が怖い、と言える。ではなぜ新型コロナがここまで問題となっているかというと、それが

  • サイトカインストーム

であると言い、特に、

  • 「レギュラトリーT細胞」の減少

が問題だと言う。つまり、この「レギュラトリーT細胞」のかなりの減少が起きても、まだ、身体を保てるくらいの量が残っている若者は生き残り、年寄はもともと少ないから、この急激な減少で、クリティカルな事態にまで至っている、と整理できるのだろうが、いずれにしろ、その

はよく分かっていないのだろう。
しかし、いずれにしろ、これは人間の身体の「免疫システム」の反応のことを言っているわけで、人間の「免疫システム」の研究を専門にしている人でもない限り、正確なことは言えない、というのが正しいところなのではないか。
では、これからどうなっていくのか、という話をしたいわけだが。
そもそも、政府の対応はずっと、「ダブルバインド」を起こすような、二重の意味をもったメッセージを伝えるものになってきた。それは、政府は

の二つを前提とした発言となるからで、そもそも、何を言っているのか、誰にも分からないメッセージになっている。
不要不急の外出の自粛と言いながら、別に居酒屋が閉まっているわけではない。ということは、「お酒を飲んでいい」と言っているわけで、いや、お酒を飲んだら

  • 声が大きくなる

ことは自明なわけだから、せっかく、声が大きくならないように「5人以上の飲み会」を止めるように、と言っても、声が大きくなっている時点で、駄目だろ、としか思わないわけだw
だったら、どうすればいいのか、ということになるけど、もはや、しゃべらない、くらいしか方法はない。つまりは、「ぼっち飯」をやれ、と言っているのと変わらないわけだけど、子どもたちの社会だって、いかに「ぼっち飯」はダメか、みんな仲間外れにしないで、食事をしましょうと言っているわけで、いかに、一人で食事をすることが「非倫理的」であるかを説教しているくらいなわけでw、まったく、社会倫理と合っていないw
そもそも、街に出て、お酒を居酒屋で飲んで「いい」と言っている時点で

と言っていることと、なにが違うのかが、さっぱり分からないw つまり、まったくの「現実離れ」をしたことを

  • アカデミックの学者たち

が、まったく世間を知らない能天気さで言っていることを、大衆は嗤っているわけであろう...。