mRNAワクチン

いつもの、金子先生と、児玉先生の対談。
今回は、mRNAワクチンについて、細かく説明されている。

児玉:それで、RNAワクチンとかなんかの場合に、大きな作用になるのは、抗体による液性免疫。これは、ウイルスが入ってきたときに、抗体っていう、血液中のものが、やっつけるから、感染を予防する、というわけ。それから、もう一つは、細胞性免疫といいまして、入ってきたウイルスが、我々の体の中で、一つの細胞から、例えば、千個。千個細胞があれば、百万個。百万個から千個出れば、十億個になっちゃうみたいに、ぶわって増えていく、重症化を起こすときに起こる、体の中で増えますよっていうのを抑えるのが、細胞性免疫。それで、このRNAワクチンっていうのは、実は、変なことに、筋肉の細胞に打ってますよね。筋肉の細胞に打って、その筋肉の細胞に、ウイルスのカケラが出てきたやつをやっつける、というかっこうで、細胞性免疫を強く起こすんです。それで、この細胞性免疫が強いとですね、かかることは完全には防げないんですけど、もちろん、液性免疫も誘導しますから、それもあるんですが、細胞性免疫があると、重症化を防げる。だから、RNAワクチンがいいのは二つありまして、液性免疫も強いけど、細胞性免疫が強い、と。
https://www.youtube.com/watch?v=yfoeo2eg9U8

ここは重要なポイントで、なぜ今、mRNAワクチンなのかというと、むしろ

  • 細胞性免疫

による「重症化防止」が、決定的に成功しているから、ということなのだ。
そして、なぜmRNAワクチンの、細胞性免疫の方が、これほど注目をされているかというと、その典型的な作用として、

  • デルタ株(インド株)

の、現在の世界的な流行がある。

児玉:なぜデルタ株、インド型がいけないかというと、実は、今までワクチンで作られたりする中和抗体っていうのができるんですが、この中和抗体の一番くっつくところが、変異しちゃった。だから、なかなか中和しにくいですよ、っていう、そういうウイルスが出てきた、と。ところが、細胞性免疫の場合は、さっき言った通り、一部分が変異しても、バラバラにしたカケラを細胞は認識しますから、細胞性免疫の場合は、かなり変異したとしても、変異してないところがあれば、やっつけるとができる。抗体の場合は、スパイクタンパク全体を見ますから、一部が変異すると、構造が大きく変わっちゃって、なかなか認識しにくい、ということになっちゃいますので。
https://www.youtube.com/watch?v=yfoeo2eg9U8

つまり、デルタ株は、この「液性免疫゙」を、ある程度、突破されてしまっている、という現実がある。そう考えると、この「液性免疫」一本に絞った対策には、最初から限界がある、ということを意味する。
そして、もう一つ、重要な視点がある。それが、

  • ADE

だ。

児玉:もう一個問題がありますのは、ADE、抗体依存性増強と言いまして、エイズとか、デング熱やなんかでは、ワクチンをうつと、症状が悪くなっちゃう場合がありますよ、と。そういうことが心配される。それはなぜかというと、抗体の中には、感染を抑える抗体もあるけど、くっつく場所によっては、感染をすすめちゃう抗体もあります。これは、コロナウイルスに対して、大阪大学の荒瀬教授たちがセルという世界でも一番権威のある雑誌に発表されているんですが、人間の細胞にくっつく場所というのが、ちょっと普段は隠れているんですよね。その隠れている奴を抗体がくっつくと、開いてしまう。それで、くっつきやすくなっちゃう。そういう抗体もありますよ、っていうことで、液性免疫だけでやっていると、抗体を作ることによって、重症化しちゃうような可能性もないわけではない。それで、細胞性免疫の方がいいんじゃないか、と。RNAワクチンへの期待が大きい、ということが、けっこう大事だ、ということです。
https://www.youtube.com/watch?v=yfoeo2eg9U8

この二つのことを考えると、今回の新型コロナの対策の柱を

  • 液性免疫

に絞ることは、人類にとってリスクが大きい、ということになる。しかし、もしもそうだとすると、私たちは一つの

  • ジレンマ

に陥る。それは、私たちが一般的にワクチンに期待するものが、

  • 集団免疫

だ、ということだ。つまり、この「常識」に縛られている限り、ワクチンを人口あたり、どれくらいの割合をうつことによって、

  • 集団免疫が成立するかどうか?

が問題になってくる、ということになる。ところが、今回のワクチンの目的が、細胞性免疫だ、ということになると、この

  • 集団免疫は、あきらめなければならない

ということになるわけだ。
このことの意味みすることの、ショックは大きいんじゃないか。集団免疫は達成できない。というか、むしろ、目指すべきじゃない。
じゃあ、何を目指すのかというと、

ということになる。これによって、たとえ感染をしたとしても、重症の人を出さない、という対策ということになる。

児玉:イギリスはですね、人口百人あたりのワクチン接種が百回を超える、と。だから、半分以上の人がワクチン接種をやっている、と。それで、しかも、PCR検査は一日百六万回とかだから、検査はかなりできるし、ゲノム解析も世界一たくさんやってます。そういう中で、30代以下は、まだ20%もうってないというから、高齢者がかなり打ってきました。
https://www.youtube.com/watch?v=yfoeo2eg9U8

児玉:それで何が起きたかというと、デルタ株は40代くらいまでは、けっこう重症化する人が多いですよ、と。
https://www.youtube.com/watch?v=yfoeo2eg9U8

このことは、今の日本において、何が問題になっているのかを、よく示している。デルタ株は、今までの新型コロナに比べて、50代、40代の重症化率が高い。そう考えると、どうやって、この世代にまで、ワクチン接種を広げられるのか、が問われている。
なんとかして、大企業への職域接種を

  • 止めさせて

この、50代、40代への地方自治体の接種にシフトできるかが問われている。

児玉:例えば、同じワクチンだというと、イギリスで打たれているアストラゼネカのワクチンだと、10万人に一人くらい、血栓症が起こって、百万人に一人くらい、致死的な血栓症が起こっちゃう、と。脳の血栓症だとか、腹腔動脈の血栓症というものが起こってしまう。そうするとですね、例えば、20代で今まで一人しか死んでいないような社会で、千万人にうったら、十人死んじゃうということを考えると、リスクとベネフィットは、若い人にたくさんうつことが心配だ、ということと、若い世代に将来、ADEみたいなことがおこってくる可能性がある。スペイン風邪のときも、前流行とか、後流行とか、ちょっとたって別のタイプがはやってくるとか、デング熱でフィリピンで、あるタイプのワクチンをうったら、一、二年たってから、子どもたちが、ワクチンをうった子どもが、ばたばたたおれるというように、抗体依存性増強というような、ワクチンをうった人が困るという現象は、何年かたってからおこってくる可能性が強い。そうすると、必ずしも、若い人全員にワクチンをうつというのは違うかなということで、イギリスで出ている意見は、ある程度、高齢者のワクチンが打たれたならば、そっから先は、ワクチンをうたないという人は、重症化がなければ、リスクを考えていただいて、それでいったらどうか、と。ゆうようなことが、方針として出てくる、と。それで、全体の集団免疫という考え方は、このコロナの変異を考えていくと、RNAワクチンで集団免疫という考え方は難しいんじゃないか、と。だから、ワクチンは重症化を防ぐためにうっていく。それで、感染数が減ったら、むしろ、検査とかなんとかをやって、エピセンターなんかを抑えていくしかない、ということだと。
https://www.youtube.com/watch?v=yfoeo2eg9U8

若い世代については、たとえデルタ株が、少し年齢が低い方をも重症にするといっても、そこまで、若い世代には増えていない。そう考えると、AEDやアストラゼネカ血栓症などを考えると、若者世代に対しては、あくまで、任意の接種で十分だ、ということになる。つまり、

  • 集団免疫を目指すから、人口の一定割合に行くまで、若者も接種をしてくれなければ困る

という態度をとらなくていい。なぜなら、そもそも

  • 集団免疫を目指さない(新型コロナの場合は目指してはいけない)

から、ということになる。
なぜ、このような対策で十分なのか? それは、

  • たとえ、新たな変異株がでてきても、それに対応するRNAワクチンを3ヶ月あれば、作成できるから

ということになる。

児玉:それで、ウイルスの変異がでてきたら、RNAワクチンというのは3ヶ月で作れるというのが分かっていますから、3回目のワクチンというのも必要になる。
https://www.youtube.com/watch?v=yfoeo2eg9U8

児玉:変異型については、新しいRNAワクチンがすぐ作れるようになっていますから、それに対する細胞性免疫を強くして、「すりぬけ」を防いでいけばいいわけですよね。
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つまり、今までのワクチンで重症化を防ぐのに十分でなくなっても、そうなったらそうなったで、新しいワクチンを、みんなで「もう一回」うてば、それに対しても、重症化を防げるから、ということになる。
そして、児玉先生は、もう一つ重要なポイントを指摘する。

児玉:私、もう一つ問題だと思っていますのは、私ども抗体検査をやっていますと、ワクチンをうっても抗体ができない人がいます。今まで、ぼくら、B型肝炎のワクチンやなんかやってると、抗体ができるまでワクチンを打っているんですよ。たまたま、接種のミスかもしれないし、なんだかわかんないけど、できの悪い人というのは、中和抗体というのを定量的に見れば、すぐわかりますから、ところがそれがですね。社会保証費削減ってことで、まだ中和抗体も保険点数がついていない。だから、普通の医療機関で、やってもらえないという、とんでもない話になっちゃっているわけですね。
https://www.youtube.com/watch?v=yfoeo2eg9U8

つまり、ワクチンを打ったから、必ず抗体ができるわけではないのだ。そうではなく、抗体ができてかなったら、何回か試して、できるようにする、ということだ。なぜか、この対策が今の日本ではできていないw 早く国会を開いて、さっさと自民党を追求して、この政策を改めさせてくれませんかね、国会議員の皆さん。

児玉:私ども、集計をやってまして、すごく不思議なことに、高齢者の方が副作用が少ないです。副反応が。それから、ガンの患者も副反応が少ないです。これはやっぱり免疫力が弱くて、副作用が免疫暴走で、血栓なんかが起こっているんじゃないか、と。若い人の方に副反応が起こりやすい、副作用が起こりやすいということがわかっていますから、そういうこともおわかりいただいて、基礎疾患をもっている人とか、ガンの人とか、高齢者の方からきちんとワクチンで予防する体制をつくりながら、解除に向かうというのが、すごく大事だと思っています。
https://www.youtube.com/watch?v=yfoeo2eg9U8

まあ、そういうことなんですね。こういった点から考えても、そこまで、若い人へのワクチン接種は緊急ではない。
しかし、そうだとすると、

  • 集団免疫論者

たちは、困るんじゃないんですかね? もっと言えば、「新型コロナはたいしたことはない」と言ってきた安全厨たちは、これからもずっと、感染対策をやらなければいけない、ということになるわけで、それじゃあ、彼らの主張していた

  • 日常を取り戻せ

が実現しないわけで、おそらく彼らが期待していた、ワクチンが「集団免疫」を実現してくれて、もう新型コロナのことを考えなくてもよくしてくれる(また、昔みたいに、ドンチャン騒ぎができる)社会には、到底至らない

  • 新型コロナはたいしたことはなかった

と、安全厨が危険厨を馬鹿にできる社会には、いつまでたってもならない、ということは、ある意味で、彼らにとっての「本当の」悪夢なのかもしれない...。