菅首相が事実上の退任を表明したことで、マスコミは次期総理の話題でもちきりだ。
しかし、今週の videonews.com で、神保さんが言っているように、そもそも、自民党は派閥の人数構成で、その権力構造は決定している。これまでの自民党政権を決定してきたのは、
- 安倍元首相
と、麻生さんの二人なわけで、これに対応するのが、細田派と麻生派で、この二つで、ほとんど自民党の過半数に迫る人数になる。つまり、この二つと、あとどこか一つの派閥が乗っかれば、自民党員の過半数に到達するわけで、議員投票では勝利できる。前回がそれが、二階派だったから、二階さんがキャスティングボードを握っているかのように見えるパフォーマンスができたというだけで、基本的には、安倍と麻生が、全ての権力を握っていた。
菅総理とは、そういった権力の緊張状態から、ぽっと生まれた真空地帯の存在だったというに過ぎず、彼には、最初から最後まで、権力がなかった。自分で決められることは何一つなく、ただ、ポストにしがみついていただけの、ただの老人でしかなかった。
しかし、である。
今回の自民党総裁選挙がどういう結果になろうとも、もうすぐに迫っているのが、衆議院選挙だ。そして、ここですでに分かっていることがあって、それが
- 膨大な数の自民党議員が落選する
ということである。そして、それが誰かと言えば、「安倍チルドレン」となる。この新人議員たちは、そもそも自らの実力もなく、当選してしまったがゆえに、この新型コロナによる、自民党による
- 国民殺し
が次々と、「虐殺」「民族浄化」が行われている間に、自民党が今のまま、政権にしがみつかれたら、大変なことになる、という危機感が国民に共通認識となっているわけで、そういう意味で、もはや、誰が自民党総裁になるのかなど、争点ではないのだ。
また、これを逆に言えば、誰が自民党の総裁になっても、その人の権力基盤が脆弱だ、ということを意味する。おそらく、次の総理も、
が「選んだ」人になるだろうと予想される。しかし、次の選挙で、その、細田派と麻生派が
- 大幅
に選挙人を落とすことが分かっている。つまり、その総裁の権力基盤が、
- 一瞬
にして消滅することが、今から分かっているのだ。
ここからも、日本の政治の混迷した未来が分かるだろう。
しかし、いずれにしろ、当面の日本の課題が新型コロナになることは間違いない。
今週の videonews.com で、米村先生が言っていることは、ドイツとの比較である。
- 総病床数(人口千人あたり):日本 12.8、ドイツ 7.9
- 病院数(人口百万人あたり):日本 65.8、ドイツ 36.4
- ICU数(人口十万人あたり):日本 5.2、ドイツ 33.9
- CT数(人口百万人あたり):日本 111.0、ドイツ 35.0
- 医師数(人口千人あたり):日本 2.5、ドイツ 4.5
- 看護師数(人口千人あたり):日本 11.8、ドイツ 14.0
これを見ると分かるのは、確かに、日本の医療用のベッドの数は多いが、これは、
- 私たちが今、新型コロナで考えているような患者用のベッドではない
ということなのだ。このベッドは、
- 高齢者の寝たきり
を想定しているのであって、そもそも、目的が違う。また、このベッドは、多くは、開業医のような小さな、民間病院がもっているものであって、今なんとかしなければならない、新型コロナの患者のために使える場所にない。
そして、決定的に日本の医療の脆弱さを示しているのが、
- ICUの少なさ
- 医師、看護師の少なさ
というのが分かるだろう。ICUが、ドイツの6倍少ない、ということは、それだけ、新型コロナの重症者を日本の病院は見れない、ということになる。なぜなら、
- どんなに軽症の患者を受け入れても、その患者が重症になったときに、もって行く場所が、そもそも足りない
から、ということになる。もしも、軽症から重症に変わったときに、その患者の「責任」をとれないことが分かっている病院が、受け入れを嫌がるのは当たり前だろう。
また、そもそもの医師の数が
- 半分
であるということは、検査、診察、治療を行える患者も半分だ、ということになる。
おわかりだろうか?
日本は、
- (ICU基準では)ドイツの6分の1
- (医者の数の基準では)ドイつの2分の1
ということは、もしも新型コロナにかかった場合、
- 日本はドイツの6分の1の人しか、治療をしてもらえない
- 日本はドイツの2分の1の人しか、治療をしてもらえない
ということになるのであって、このことから分かるのは、
- 日本では<絶対>に、新型コロナにかかってはならない
ということなのだ!
ところが、である。
これに、新型コロナが日本で流行を始めてから、一貫して「反対」し続けてきた人たちがいる。
その代表が、
であり、
だ。この二人は、徹底して、政府のコロナ対策に反対してきた。国家や東京都による、国民への「自粛の要請」に反対し続けてきた。居酒屋も経営を続けるべきだし、若者の街で遊び回るべきだ、と。
彼らは、別にそれによっても、日本で新型コロナの患者が発生しない、と考えていたわけではない。彼らは、たとえそういったように、
- 無規制
に、野放図に国民の行動を許したとしても、「新型コロナはたいしたことがない」と言い続けた。日本は特別なんだ、と。アメリカやヨーロッパの被害と比べたら「さざ波」なんだかから、無視できる。そもそも、日本人の衛生意識の高さを考えれば、家でも靴を脱がない欧米人と比較することが間違っている、と危機を訴える専門化を馬鹿にし続けた。
ところが、である。
デルタ株やらラムダ株やらで「ワクチンも限界あるし自粛しても感染者は不可避的に増えるしコロナ禍は長期化する」論が高まってきたので、1年4ヶ月前のこちらを再掲載しておきます。ぼくの考えは変わっていません。重要なのは、新たなリスクを受け入れて社会を回すことです。それが未来への責任です。
でも、耐えられないとしても、結局あまりできることはないのです。ワクチンや特効薬の開発はまだ先のことだし、それで完全なわけでもない。だとすれば、ぼくたちは、自分や周囲が1%に入らないことを祈りながら、運よく残り99%になったときの責任を果たしていくほかない。社会を守っていくほかない。
@hazuma 2020/04/06 18:28@hazuma 2021/08/16 11:46
この人ににとって、アルファ株とかデルタ株は、
- デルタ株やらラムダ株やら
といった程度のもの、というわけなのだ。つまり、彼にとって、「アルファ株とは何か?」「デルタ株とは何か?」という、私たちがずっと、注意をしながら、その情報を追っていた話題に、なんの興味もないわけです。
この程度の人が自らを
- 知識人
とか自称しているわけですw 日本人にとって、このデルタ株は、インドで流行を始めた頃から、警戒の対象でした。それは、日本人に対して言われていた
- ファクターX
を突破してくる変異株だ、と噂されてきたからでした。そして、実際に日本のこの夏の感染は、去年を大幅に超えるものでした。まさに、「ファクターXが突破された」変異株と呼ぶにふさわしいものでした。だとするなら、こんな状況で東京オリンピックを開催することは容認できたのでしょうか? 現在でも1万人を超える、膨大な自宅待機の患者をもたらしている悪夢は、そもそも、この
- アルファ株とデルタ株の<差異>
に、まったく興味を示さなかった、小林よしのりや、東浩紀のような偽知識人がもたらした惨劇だ、と言えるのではないでしょうか...。
追記:
結局のところ、日本の新型コロナ対策が駄目なのは、その水際対策が象徴している検疫政策が示しているように、
- 強制がない
ところにある、と言わざるをえないだろう。それは、今の居酒屋規制に対しても言えるわけで、
- ちゃんと(時限立法的な)法律を作る
そして、
- 法律を作るなら、その内容は「平等」なものであって、国会で多くの賛同を得なければならない
ということになるわけだが、これを徹底して、自民党ややらなかった。
だとすると、日本政府が何をやったかというと、
- 脅し
なんですね。ちゃんと、危険回避をしないと、死んじゃうよ。家族が死んじゃうよ。友達が死んじゃうよ。それが嫌だったら、避けようね、と。
そして、今回の東京の惨劇も同様なんですね。もう、救急車は来ませんよ。だから、病気にならないでね。
こう言われて、多くの東京都民は危機回避をやっただけなのであって、また、収まってくれば、野放図になるってだけ。
考えてみてほしい。国外から新型コロナの流入を防ぐには、ちゃんとした
- 2週間の隔離
をやればいい。国が、ホテルなどを借りて、本当の意味で、そのホテルから、2週間だけ出られないようにすればいい。その間の食事などは、用意すればいい。
ところが、日本ではその「強制」が、法律がないから、できない(要請して、自宅に待機「していてください」と言っているだけ)という、ほとんど無意味な、無為無策をさらしているに過ぎない。
これを変えるには、国会が真面目に議論をするしかない。そして、法律を通すしかない。やれないんじゃない。やらない、たんに、やらないだけなのだ、自民党が...。