上昌広先生のオミクロン観

今回のオミクロンで、上昌広先生は、基本的にオミクロンは「怖くない」という点において、松本人志の発言に賛成している。

なぜ、彼らは冷静でいられるのか。それはオミクロン株の毒性が低いことがわかっているからだ。すでに複数のグループから、オミクロン株の毒性についての研究が報告されている。例えば、12月23日、英保健安全保障庁の研究チームは、英国でのオミクロン株感染者5万6,066人の転帰を分析し、デルタ株と比較し、重症化リスク(入院リスク)は62%低いと報告している。
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その上で、緊急事態宣言が発令されることによる、老人の

  • 運動不足

による、体調を崩すことの方がよっぽど問題だ、と考える。
ただし、一点だけ、松本人志であり、他の世の中の安全厨と違うところがある。

では、彼の発言で何が問題か。「別にこれ、オミクロン用のワクチンじゃないですから。副反応のほうがオミクロンよりきついと思うんですよ。3回目のワクチン打とうって前向きな人ってどれくらいいるのかなって……」など、ワクチンの追加接種を否定していることだ。
これは医学的には適切ではない。それは、日本以外のすべての先進国で、オミクロン株流行前に高齢者は追加接種をほぼ終了しているからだ。図2をご覧いただきたい。1月17日現在の追加接種終了率は1.18%。OECD加盟38国中、36カ国が接種率を公表しているが、日本は断トツの最下位である。追加接種なしで、オミクロン株が流行した場合、どの程度、重症化するかはわからない。
松本人志、オミクロン株は怖くない発言、上昌広医師「概ね賛成」…間違っている点も

今、イギリスやアメリカやイスラエルなどから集まってきている

は、追加接種、つまり、ブースター接種を行った上での判断だ。対して、日本はまだ、ブースター接種がほどんど行われていない。そのため、その影響が読めない、というわけである。
こう考えると、ある意味で、なぜ日本政府が欧米の、ノーガード戦法を真似しないのかが分かるだろう。
そもそも日本は、南アフリカと比べても、圧倒的に高齢化社会だ。そうであるなら、比較的に南アフリカで被害が少なかったとしても、それをそのまま、日本に適用できるかは分からない。
上昌広先生の立場からは、「なによりも早く、追加接種を」ということになるのだろうが、対して、小林よしのりとか京大の宮沢は、反ワクチン、反マスクだからね。ずいぶんと違うわけだ...。