今回のウクライナ戦争の意味

ウクライナ戦争であるが、どうなんだろう? 少しは冷静になってきたのだろうか?

nationalinterest.org

こちらを見ると、まず、ウクライナのゼレンスキー大統領が、NATOへの加盟を白紙にする、と言っている。さらに、ドンバス地方の地位についても「妥協」の用意がある、と。
この主張は、そもそも、この戦争が始まる前には主張していなかった内容だ。
なぜそうなったのか、だが、言うまでもない。この戦争が始まる前も、始まった後も、アメリカやEUは、ずっと、ウクライナNATOに、まるで、今すぐにでも加盟できるかのような「誘い水」を送っていたからだ。
そして、この侵攻の直前まで、黒海周辺でウクライナ軍とアメリカ、NATO軍との「軍事演習」が行われていた。ウクライナとしては、当然、戦争が始まれば、それらの軍は

  • 少なくとも

参戦してくれる、と考えるはずだろう。なぜなら、「軍事演習」なのだから。
ところが、NATOウクライナの加盟を認めないし、アメリカは

となることを理由に、軍事攻撃に参戦することを拒否している。しかし、これは変だ。なぜなら、もしそれを理由に参戦を拒否するなら、アメリカは、

  • あらゆる戦争

に参戦できないことになってしまう。もちろん、中国による、台湾や日本への侵攻が起きても、できないだろう。つまり、

と言っているのと変わりなくなり、アメリカがそもそも何もできない国だ、と白状しているようなものになってしまうからだ。
今週の週刊金曜日で、半田滋さんの連載でアメリカがNATOを利用して、ロシアを包囲してきた状況を説明しているが、トランプ大統領の期間を除いて、ずっとアメリカは、ロシアを

  • 仮想敵

として、さまざまに圧力をかけてきた。それは、中国も同じで、今回はたまたま、ロシアが先に焦点化された、ということを意味しているに過ぎず、アメリカにとっては、どちらにしろ、「こういった事態」に追い込むことを目指して画策してきたことは変わらないのだろう。
それは、アメリカの世界戦略の中のプレゼンスということを意味していて、中国にしろロシアにしろ、超大国であり、基軸通貨国であるアメリカをさしおいて、第二極、第三極となろうとしている、中国やロシアは

  • 出る杭は打つ

というわけで、さまざまにその潜在力を叩いておかないと、アメリカの将来の安全保障が危ぶまれる、と考えているわけで、こういった「衝突」は避けられなかった、ということなのだろう(この事情は、バブルの頃のジャパン・バッシングから、日本が徹底してアメリカによって、叩かれ、成長の萌芽を潰された経緯と、まったく同じだ、と言っていい)。
私も以下の、2015年頃に、オリバー・ストーンによって行われた、プーチンへのインタビュー本を読んでみたわけだが、

この本は、今回のウクライナ戦争に注目している方は、ひとまず、冷静になって読んでみるべきだと思っている。少なくとも、プーチンという人がどういう人なのかが分かると思っている。
例えば、以下のような記事があった。

parstoday.com

つまり、今回のロシアへの世界中による経済制裁を見て、イラクの方が

と言っているわけだ。少し想像してみればいい。もしも、「同じ」経済制裁を、世界中の国が「アメリカに対して」行ったとしたら。
おりしも、ウクライナでの生物兵器の研究所への疑惑が国連で議論されているわけだが、ここでの、アメリカやEUの

  • 馬鹿にした態度

は、まるで、イラク戦争での、「イラク大量破壊兵器がある」と主張して行った、アメリカの

  • パロディ

を見ているようではないかw いや。だったら、アメリカ自身が、今、ロシアに行っている経済制裁を「自ら」に課したらいいんじゃないでしょうかw それくらいの「自己抑制」をもったらどうなのか?

www.cnn.co.jp

上記のオリバー・ストーンの本でも分かるが、プーチンロシア正教の敬虔な信者である。その上で、ウクライナの西側はカトリックであり、ドンバス地方は言うまでもなく、ロシア正教だ。
こういったところからも、EUの今回の強行な態度が、こういった

の側面をもっていることは、どちらの宗派にも、まったく関係のない日本人は注意をしていないと、まったく思いもよらないような紛争に、いつの間にか、まきこまれている、ということになりかねないわけだ...。