終わった日本

考えてみれば、2014年以降のロシアとウクライナの関係は、「ミンスク合意」によってコントロールされてきた、とされる。この協定の成立に関与したのが、ドイツとフランスで、重要な点として、アメリカは一貫してこの協定に関わることを拒否した。
そのためか、ウクライナはまったく、この協定を守ろうとしなかった。それ以降も、ずっと、ウクライナのロシア語話者の弾圧を続けたし、まあ、ロシア側も守らなかったといえば、守らなかった。
結局、アメリカのネオコンは、ずっとロシアと戦争をやりたいわけだし、ウクライナ民族派もそんなアメリカと意気投合して、ずっと戦争をやってきたつもりになっているわけだから、うまく機能しなかったことだけは間違いない、ということになる。
しかし、いずれにしろ、ここでドイツがこの協定に関与していたことは重要で、つまりは、メルケルである。彼女は元東ドイツの出身で、そう考えると、ドイツといっても、元西ドイツと元東ドイツの人では、相当にニュアンスが違うのだろう、とは思うわけである。
なぜ、EUは経済発展を続けられたのか、と問うことは、なぜ日本がバブル崩壊以降、まったく「経済成長」できていないのかを考えるときに重要なわけで、ようするに、ドイツは、国内の元東ドイツ地域などの

  • 旧東欧地域

を、うまく利用したから、と考えられるだろう。
それと、もう一つ忘れてはいけないのが、ロシアの

だ。これが、めちゃくちゃ「安かった」のだ。だから、

と考えられる。なぜ、ドイツ国内に多くの工場が残っているのか(日本では、ほとんどが中国に工場移転したのに)を説明する。
実際、ドイツが「ノルドストリーム」によって、ロシアから天然ガスを輸入していたわけだけど、なぜ2014年のロシアとウクライナの戦争の後、「ノルドストリーム2」を作ったのかといえば、その紛争によって

  • ウウライナ国内を通る「ノルドストリーム」が止まる「リスク」があった

から、なわけだろうw つまり、「ノルドストリーム2」は、ウクライナ国内を一切通らないでドイツまで運ばれる。
ところが、である。
これに「怒った」のが、

  • ウクライナ国内を「ノルドストリーム」が通ることによって、莫大な「通行料=ショバ代」をしょっぴいていた、ウクライナのオルガルヒたち

だった。つまり、ウクライナは「貧しい国」とされているが、そんな国の中の一部に富裕階層がいる。では彼らがどんな手段で莫大な財産を築いているのかが問題となる。そもそも、国民がこんなに貧しいのに、なぜこの一部が、ウクライナのほとんどのお金を「独占」できたのか、が疑わしいわけだw
ようするに彼らとは、ウクライナ出身の黒海周辺に多くいるとされている、ユダヤ人なんですね。彼らは、ウクライナ国内の「利権」をがっちり握りながら、アメリカに移住して、アメリカの政権に「圧力」をかけることで、そのウクライナの利権を維持してきた勢力だ、と言えることになる。
まず、ロシアは、ウクライナを「友好国」として、さまざまに優先した。そして、多くの不正をおめこぼししてきた。「ノルドストリーム」を通る天然ガスのかなりの割合が、ウクライナで「ねこばば」されていたことは分かっているが、ロシアはそれを問題視してこなかった。それは、ウクライナがロシアの「兄弟国」として、多少のことまでは黙っている(ウクライナも貧しい国だから)として、問題にしなかった。
しかし、「ノルドストリーム2」ができたことで困ったのが、そのウクライナ出身のウルガルヒたちだった。もしも、こんなものが動き始めたら、自分たちの「利権」がなくなる。それで、彼らは多くのお金を

  • ワシントン

に政治献金という形で寄付することによって、アメリカ国内で発言権を得てきた。バイデンの息子がウクライナ国内の企業がかお金をもらっていた話もそうだし、バイデンがずっと、「ノルドストリーム2」だけは認められない、と言い続けていたのも、これが理由だった。
さて。こうやって見てくると、ドイツは確かに、メルケルが辞めて、アメリカの言うことに従順な政権に変わったと思われるかもしれないが、かなり「したたか」なのかもしれない、とは思うわけだ。まず、「ノルドストリーム2」は完成しているし、いつでも、再稼動できる。ドイツもロシアも、これを壊そうとしていない。煩いウクライナをなんとかできら、動かすつもりまんまんなのだろう。
対して、アメリカはどうか。まず、そもそもアメリカは

  • エネルギー輸出国

だ。確かに、アメリカ国内の貧困層にとって、このインフレは悲惨そのものなわけだが、アメリカのエネルギー産出企業にとっては、このエネルギー価格の値上りは

  • 空前のバブル

なわけだw むちゃくちゃ儲かっている。つまり、アメリカのバイデン政権にしてみれば、貧困層を黙らせておけさえすれば、そういった国内のエネルギー産業を潤せておけるわけで、一つの選択肢なわけだ。
そして、これはアメリカの農業生産者についても変わらない。アメリカは農産物の「輸出国」だ。つまり、この今の農産物の価格高騰は、こういった産業にとっては天の恵みなわけである。
そう考えると、アメリカはかなり「戦略的」に振る舞っている可能性がある。
ところが、ここに、唯一、完全な「貧乏くじ」を引いている国がある。それが、日本である。
日本は、アメリカに「ロシアの敵となって、ウクライナの味方になってくれ」と頼まえて、何も言えず、断れなかった国だw つまり、日本には「主体性」がない。プーチンが一番嫌い、軽蔑している「自国で何も決められない」国なわけであるw
まず、日本はエネルギーを完全に海外に依存している。ロシアから買えない、となったら大変なことになる。そこで、アメリカは、

  • 自分の国のLNGを売ってやるから

と言ってきた。ところが、である。当たり前だけど、ロシアの天然ガスと比べて、そもそも値段が天地の差くらいに違っている。こんな、アメリカの天然ガスなんて「高い値段」のものを使っていたら、国内企業の国際競争力はどんどん、なくなっていく。
そもそも、中国も韓国も面従腹背で、ロシアから買っているわけであるw
あーあ。日本、終わった...。これが、世界の「見立て」である。私は、あと何年かしたら、日本という国がなくなっていてもおかしくないと思いますけどね...。