アニメ「えんどろ〜」の快楽

ダウンロード法案の行方が恐しくなってきている。スマホのスクショで「逮捕」なんてことも語られるようになって、そもそも、「著作権」が云々していた連中は、一体、国家に何がしてもらいたくって、

  • 要請

していたのかが、今になって疑われている。
つまり、本来ならこんな「非合理」な結論になるはずがない、と考えてきた「理性的」な「議論」が通用しない、どう考えても、国家権力側が有利になる方に、会議の結論でさえ、誘導される、といった「狂気」の日本社会が現前に現れる。
しかし、この顛末を見ていると、破防法以降の日本の警察が、どんな形であれ、「権力」を拡大しようとしてきた日本の歴史をより、正しく描いている、というようにしか見えない。
警察は、どんな形であれ、すべての日本国民を、一律に「潜在的犯罪者」状態にしておきたい。しかも、今の日本会議にのっとられた、狂信的な保守政治家の住処となっている自民党は、今以上に、警察の権力を巨大にしたい。自分たちが「気に入らない」と思う連中を、好きなだけ、牢屋にぶち込めれば、今以上に、政治を好きに、自分たちの「おもちゃ」にできる。
そして、自民党は結党以来、国会で議論をしない政党だ。すべての結論は、国会に提出するまえに「済んで」いて、すべての議員の、この法律への「言いたいこと」は、すでに「片がついている」状態にある。あとは、ピエロの大臣が、野党の前で、どこまで、踊りを踊って、国民を馬鹿にするかだけで、そもそもの最初から、法案の、なにかを変える気がないのだ。
さて。ここから、日本の議論は、どんな展開を見せるのだろうか? 必死になって抵抗したと主張する「審議会」のメンバーの人が、これからの自分の名誉を守るために、自分は悪くないと国民に訴えるだろうか。圧力団体の、著作権協会の連中が、こんなはずじゃなかった、と、こちらも自分のせいじゃないと、言い訳に終始するだろうか。
現政権は、狂信的な日本会議を中心とした安倍政権であり、そこに警察権力が、悪魔合体して、日本の道徳を「破壊」していく。まず、最初が、コンビニのビニ本撤去であり、これはフェミニストの勝利でもなんでもない。ここを橋頭堡として、さまざまな「表現規制」が始まる。日本会議は、漫画やアニメの「不道徳」の話が大好きだ。彼らの生き甲斐だと言ってもいい。あれもダメ、これもダメ。彼らがそう言ってきたとき、果して、

  • 一体誰が

いこつらの「道徳」運動に正面から戦うだろう? 今までの自民党となんの闘いもしてこなかった連中の、一体誰が。
この事態を、「まさかこんなことになるとは思わなかった」とは、一体、どの口が言うんだろうね。今が、どんな政治勢力によって、国会の多数を牛耳られていて、なにがこの国に起きようとしているのかも分からない、普段は、反左翼風な言論人が「かっこいい」とか思っている、脳味噌からっぽの馬鹿が、今さら何言ってんですかーってことでしょう。
いずれにしろ、はっきりしていることは、こうやって「国家」は死滅していく、ということだ。
さて。
全然関係ない話を始めるが:

組み体操の事故35%減少 対策の成果と今後の課題(内田良) - 個人 - Yahoo!ニュース

この内田良という先生は、組み体操に「反対」なんだと勝手に思っていたわけであるが、まあ、よく読んでみると、そこまでは言っていない、ということのようである。つまり、「危険」な組み体操に反対ということであって、と。
まあ、考えてみれば当たり前のことなわけだけれど、なにかが危険なのは、それを安全な範囲で行おうとする「合理性」に欠けているから、と言うしかないであろう。ピラミッドの下に位置する子どもは、もしも、ピラミッドが崩れて、自分に向かってきたとき、骨折をしないのか、をちゃんと「計算」しないと、しょうがない。
ピラミッドの危険さが、その高さに比例するとするなら、その高さを要請しているのは、「クラスの人数」ということになり、今だに、少人数学級を実現できていないことと関係している、ということになるのであろうか。
しかし、逆に考えてみれば、こういった「みんなで何かを成し遂げる」といったことに、なにかの意味を見出そうとする活動は、単に否定すればいいようなものではないようにも思われる。
今期のアニメに「えんどろ〜」というのがある。しかし、このアニメは第一話で終わっている。それは、つまらないから「終わった」とかそういう意味じゃなくて、実際にストーリーが終わっているのだw
第一話は、勇者のパーティが魔王を倒して、エンドロールを迎えるところから始まる。つまり、この一話の前半以降は、魔王が幼女になって、この勇者パーティが活躍を始める前の時間に、タイムスリップするところから始まる。しかも、ここで、勇者は、あるクエストにまぎれこんだ関係で、あっさりと

  • 勇者の剣

と呼ばれる剣を手に入れたところで第一話が終わる。
これが、どういう意味で終わっているのかは、少し蛇足ぎみの説明になるが、ようするに、勇者の剣があまりに強力アイテムだから、魔王じゃなくても、邪神でもなんでも、まさにチートっぷりを発揮して、勝利をしてしまうので、全然ストーリーがおもしろくないのだ。
じゃあ、2話以降、どんな話が展開されているかというと、ようするに、寮宿舎で、勇者パーティの4人が集まって、夜な夜な、女子会をやっている「だけ」という、まったり、とした

  • 日常アニメ

というわけである。しかし、このことは、けっこうこのアニメの本質をついていて、実際に、そういった場面を漫然とやっているところは「おもしろい」のだが、謎キャラが現れて、必死に、この世界の背景説明をしている場面は、

  • 異常なまでに「つまらない」

わけであって、まあ、ようするに4人が、とりあえず、仲良くしている、ということが、このアニメを見ている人の快楽であって、それ以上は求めていない、というわけだ:

笑いあって 支えあって まだ知らない
ストーリーを描いてこ〜!
(勇者パーティー「えんどろ〜る!」)

まあ、こんな感じのOPの歌詞だったりもして、なんとなく、私の中で、組み体操(人間ピラミッド)の話と繋がったなあ、といった、妙な納得感があった、というだけの話ですが...。