2019-01-01から1年間の記事一覧

岡田尊司『死に至る病』

そういえば、東浩紀先生の『観光客の哲学』を賞賛している人って、今でもいるのだろうか? あの本で私が特に最悪だと思っているのが、最後にもってくる 家族 がなぜ重要なのかの「理由」だと思っている。それは、二つに分けて語られている: 遺伝子 人に自殺…

リスペクトされる人間

この前紹介した、『日本社会の周縁性』という本では、日本社会が徹底した 経験 に対応して思考してきた、音声言語文化の国なんだ、ということが書かれていた。これに対立するのが、「文字」による、対象物の具体的イメージをもたない、抽象的な言語間構築物…

萱野稔人『リベラリズムの終わり』

リベラルとは、リベラリズムを主張する人々の行動のことなのだそうだ。では、リベラリズムとは何か、ということになるが、リベラリズムは 自由 を実現しよう、と言っているのらしい。しかし、それはたんに「自由」と言ってもしょうがない。つまり、自由は 別…

やくしまるえつこ「アンノウン・ワールドマップ」

この前、韓国の若者がどう日本のアニメを見ているのかを紹介する文章を引用した。それを再度、引用してみよう。 その学生によれば、はじめて日本の漫画やアニメの世界に触れた時、それまで自分を取り囲む韓国の文芸は、どれもが観念的な枠組みを押し付け、規…

やる気のない日本のサッカー

ところで、昨日のサッカーの日韓戦は、誰が見ても、韓国の圧勝だった。 どうも、日本は誰一人として、やる気がなかったようだ。 一番の最悪なのが、森保監督だ。こいつ。あの田嶋に寵愛されてんだよなw ハリルのときは、この大会での、ハリルの敗戦を 理由 …

楽しい夜見

「とじとも」のOVAの制作が発表されたのだが、よく分からないのだが、これって、アニメ「刀使ノ巫女」の方ではなくて、それを「原作」とした、スマホゲームの方の アニメ化 っていうことなんだよな。うーん、原作の方ではないのか。。 まあ、それだけ、ス…

伊藤亜人『日本社会の周縁性』

掲題の本は、東大の民俗学や文化人類学の先生による、日本が中国の「周縁」国家であったことから見えてくる、中国や、特に韓国との比較による、日本文化の特異性を論じている。 しかし、素朴に読んでいて違和感を覚えるのは、この「周縁」性については、柄谷…

袁静『中国「草食セレブ」はなぜ日本が好きか』

私たちは、つい最近まで、中国は 発展途上国 だと思っていた。そして、多くの人たちがお金に困って、借金をしていて、まさに 先進国 の私たちが「助けて」あげなければならない、と考えていた。 ところが、である。 私たちのこういった「先入観」は、もう少…

金敬哲『韓国 行き過ぎた資本主義』

今、アメリカや日本では リベラリズムの「失敗」 がさかんに議論されている。つまり、民主主義にはなにかしら「欠陥」があるのではないのか、と。それは、トランプ大統領の誕生を一つの例として、なぜこういった「ポピュリズム」が起きてしまうのか、という…

フランス現代思想の「周縁化」

さて。ちなみに、ツイッターを見ていたら、以下のような「東浩紀先生大好き」さんが、どういった理由で東浩紀先生を礼賛しているのかが、とてもよく分かりやすくつぶやいていたので、ここでは、これを紹介してみたい。 東浩紀のラディカルであると同時に問題…

宗教的人間

この前、共同親権について書いた。そこで、欧米で共同親権が普及したのには、キリスト教の「離婚の禁止」が関係しているのではないか、と推測した。つまり、キリスト教流の結婚式では、神の前で、永遠の愛を誓う。そうであるのに、離婚するとは、その神に誓…

松岡亮二『教育格差』

日本の教育を、ここ何十年かで、大きな変革を行ったのが、 ゆとり教育 であったことは明らかであろう。しかし、この「ゆとり教育」は、結果としては、今では 却下 されている。つまり、今は「ゆとり教育」ではない。 このことは何を意味しているのだろうか?…

「利益」志向型プログラミング

ソフトウェア開発のプログラミング技法として、「オブジェクト志向型プログラミング」というのがある。これと同じような考えで、 利益志向型 といった思考スタイルについて考えてみたい。 ある、株取引の億万長者が、未来社会の予測をしていたときに、 どう…

中道裕大『放課後さいころ倶楽部』

子どもは「楽しい」から「遊び」をする。かくれんぼ、かんけり、など。 しかしその「遊び」の実体は、驚くべきほど、大人になり社会人になってから行う、会社での「仕事」に似ている。 ゲームは「楽しい」から子どもは、自分からやりたくなり、実際に行う。…

定性的と歴史的

アニメを見ていると、多くのケースで ジャイアント・キリング が描かれる。なんらかのゲームで、圧倒的に「強い」側が ちょっとしたこと によって、弱小側に負ける。この展開が、言ってみれば、飽きられることなく、何度も何度も繰り返されているわけである…

サイコパスとは何か?

プロのサッカー選手が、公式試合でシュートを決めると、回りの味方の選手と 抱き合う 姿は、私たちの日常を考えたとき、とても印象的に思われる。つまり、それだけ私たちは「スキンシップ」というものをとらない日常を、近年は生きていることを意味している…

フェミニズムへの根本的な疑問

ここのところ、赤十字の献血ポスターに、漫画「宇崎ちゃんは遊びたい!」のキャラが使われたことで、フェミニストから大批判を受けた、という話があった。 そして、これに対して、アニメ・オタクの概ねの見解は TPOという観点から、こういった意見があるこ…

梶村太市・長谷川京子・吉田容子『離婚後の共同親権とは何か』

このブログで何度もとりあげている、東浩紀先生の『観光客の哲学』であるが、この本では、なぜ東先生が「家族」を重要視するのかについて、以下のように説明している。 家族の観念についてまず注目したいのは その強制性である。家族は、自由意志ではそう簡…

秋葉忠利『数学書として憲法を読む』

大学の数学科で数学を学ぶと、その「すぐ近く」に、 公理主義 であり、 ロジック(=数学基礎論) というものがあることに気付かされる。というのは、そういった関連書籍はたくさん出版されているし、というか、実際に「証明」を読んでいると、この問題を避…

国家は国民の「優劣」を決定するのか?

国家とはなんだろう? それは、私たちの生きる全てだと言っていいだろう。私たちはこの国に住んでいる。そして、住んでいると同時に、この国の政治に関わり、この国の意志決定に関わっている。 そうした場合、この国家は、私たち国民の誰かを「優れている」…

おおたとしまさ『新・男子校という選択』

掲題の著者は、この本で、 男子校の復活 を訴える。というのは、そもそも近年、男子校は「絶滅危惧種」だからだ。 二〇一八年度の文部科学省の調査(図1)によると、全国に高校は四八九七ある。うち「男子のみの学校」は一〇七校。たったの二・二%だ。ちな…

ボランティアとホームレス

東京の比較的、大きな駅の前では、ほとんどのところで、ユニセフのボランティアをお願いしている人を見かけるようになった。それは、いつからなのかは、よく分からない。そして、比較的に、どれくらいの「成果」をあげているのかもよく分からない。私も、彼…

日本経済の診断

今の安倍政権の、いわゆる、アベノミクスについては、そもそも、安倍政権自体が使わなくなっている言葉というのもあり、なんとも、もにょるのだが、少なくとも、安倍政権の政策はリフレ派が主張するリフレ政策が継続されているわけで、その評価を避けて通る…

共闘戦が終わった

スマホゲーム「とじとも」であるが、昨日だったか、第三回の共闘戦が終わった。 今回の共闘戦は、仕様が大きく変わった、...と思う。というのは、前回のことをあまり覚えていないからだがw たしか、第ニ回の、ランキングは、敵から奪ったSPの合計で競って…

安倍政権が究極的に言いたいこと

安倍首相が日本共産党の議員との国会での議論において お金持ち増税は「馬鹿げている」 と言ったから、彼は 消費税の増税 をしたのであって、この二つは決して離しては考えられない。 結局のところ、安倍政権は何がしたい政権なのか? いや。自民党とは、そ…

日本の倫理

私は、いわゆる哲学の文脈で言われる「倫理」を疑っている。それは、最近はやりの言葉で言えば「マウンティング」で、高学歴エリートであることを笠に着て、相手を上から見下す態度だと思っていて、私はこういった連中を 悪魔 と呼んでいる。私はその中でも…

多様性の哲学

今回のラグビーW杯は、日本での開催であり、かつ、日本チームの活躍もあり、大いにもりあがった。しかし、このW杯を見て、どんな点に日本の観客は魅了されたのだろうか? その一つとして、どうしても考えなければならないのが、 サッカーとの差異 ではない…

「本当の」日本人とは誰か?

私たちが「日本人」と言うとき、その「定義」は 日本人=日本「の国籍をもっている」人 となっている。ここから、日本の法律では国籍取得をどのようなルールで行っているか、と調査を始める。しかし、この定義の本質は、そのルールがどうなのかということよ…

女性キャラの献血PR

まあ、ネット上では、ツイッターでの太田啓子さんという弁護士の方の以下のツイートをめぐって、議論がされている。 日本赤十字社が「宇崎ちゃんは遊びたい」×献血コラボキャンペーンということでこういうポ スターを貼ってるようですが、本当に無神経だと思…

昭和天皇の写真を焼く「現代アート」の意図?

以下の記事で、森功次という人は、あいトリでの、昭和天皇の写真を燃やす行為や、燃やしている映像を見せる行為は それ自体 では、「悪いことではない」と言っている。 誤解されがちなところなので、きちんと述べておこう。天皇の肖像を燃やすことそれ自体は…