2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ピエール・ルミュー『無政府国家への道』

最近は、自由主義は、すこぶる、評判がわるい。彼らのせいで、こんな不況になってしまって、どーしてくれるんだ、って。 しかし、経済とは、循環するものですから、好景気のときもあれば、不況のときもある。ある経済学者は、経済とは、ネズミ講、だと言った…

稲葉剛『ハウジングプア』

著者は、家がないことこそ、すべての問題の元凶である、と言う。 お金がないことも、本質的でない。食事にありつけないことも、本質的でない。なによりも、屋根の下で寝られない、家の中で暮らせないことが問題なんだ、と。 たしかに、考えてみれば、こうや…

中島みゆき賛歌

TUTAYA の、CD 5 枚 1000 円、につられて、大人借り、してしまった。昔のフォークなんかも聞いたりして。 中島みゆきといえば、最近で言えば、NHK の「プロジェクトX」だろう。この番組は、ちょっと特殊であった。日本の労働者の、武勇伝を、フューチャーし…

ベル

人間は人間をどう見ているのだろう。 この質問の意味は、こうだ。 人は、ある人に、惹かれる。恋愛でもいい。もっと別の、理由でもいい。学問的な、師匠と弟子でもいいだろう。フロイトにとっての、ユングのように。しかし、弟子というものは、多くの場合が…

栗原剛『佐藤一斎』

私は、ちょっと前に、江戸時代の日本を、幕府や藩の「存在しない」、村「国家」群、と呼んだ。このことは、別に、ちょっと変わったことを言ってみたくて、かっこつけたということではない。たとえば、徳川幕府は、別に「政府」ではない。あれは、ただの「イ…

池田信夫『希望を捨てる勇気』

日本のバブルは、何十年か前に、はじけたが、「世界」のバブルは、つい最近、はじけた。それが、リーマンショックであった。 高度成長期は誰にでもチャンスはあり、一生懸命働けば報われるという希望があったが、もう椅子取りゲームの音楽は終わった。いま正…

奥村宏『倒産はこわくない』

奥村宏さん、はずっと、日本企業批判を行ってきた。彼は、あの、ジャパン・アズ・ナンバーワン、と言われた頃も、一貫して変わらず、日本企業の問題点を指摘し続けた。 こういう人の指摘は、貴重である。 エンロンの倒産は、多くの人たちに、株式会社、とは…

亀山郁夫『『罪と罰』ノート』

光文社の、ドストエフスキーの、文庫を翻訳しているのが、掲題の著者であるそうだ。 私は、今でも、「罪と罰」、こそ、何世紀かの間続くこの、小説文化の中において、人類史上の、最高傑作、と言ってもいいのではないかと思っている。 しかしそれは、非常に…

丸鬼太郎『"超"格差社会・韓国』

最近は、東アジア共同体、でかまびすしい。日中韓、に、北朝鮮(、モンゴルも?)、そして、東南アジア、各国になるのであろうか。 おもしろいのは、このアイデアの、日本側の提唱者が、とにもかくにも、「経済的要求」から、来ていることだ。日本の、ここ何…

NHKスペシャル「原発解体」

どうも、世界中で、おかしなことになっている。 さかんに、また、「悪魔の搭」、原子力発電所の建設ラッシュ、が始まっている。 なぜこんなことになっているのか。 そもそも、地球温暖化のキャンペーンが、原子力発電関係者によって始められたことは、よく知…

白洲正子「祖父の面影」

最近は、白洲次郎のドラマが、NHK で放送された関係もあって、本屋でも、ちょっとした、特集コーナーがあったりする。彼の奥さんだった人が、白洲正子、ですが、実は、ずっと、この二人は、さまざまな伝説とセットになって、ブームが続いてきた。 特に、白洲…

管正広『マイクロファイナンス』

私は、自称経済学者の、人間性を疑っている。彼らは、人格的に問題があると思っている。例えば、セーフティネットは必要と言う。足りなければ、セーフティネットを増やすことは、やぶさかでない、と言う。しかし、彼らは不思議なことに、「具体的に」この国…

アナイス・ニン『アナイス・ニンの日記 1931-34』

人類が生まれてから、最大に「重要な」女性を、一人だけあげるとするなら、間違いなく、アナイス・ニン、であろう。 ボーヴォワールは、ある年代の女性に、ショックを与えたが、こちらは、むしろ、たかだか、「時代的な存在」にすぎない。まったく「足元にも…

NHK BS世界のドキュメンタリー「山の分校」

中国は、BRICs と言われ、成長著しい地域と考えられている。 しかしそれは、沿海地方の話である。 沿海地方は、さまざまな、減税特区によって、早晩、日本に追い付き、追い越すであろう。しかし、内陸部の、成長は、止まり続ける。 この現状を、どう考えれば…

C・ダグラス・スミス『ガンジーの危険な平和憲法案』

ガンジーほど、あの、第二次世界大戦、を生き抜いた人の中で、変な、人はいない。もしかしたら、彼だけは、あまりにも、生きる時代が早すぎた人だったのかもしれない。 私たちは、第二次世界大戦、の経緯をみているとき、あれっ、と思うことがある。 それは…

ある空想

私は、前の記事を書いた後、ある、インスピレーションのような突飛な考えが思い浮んだ。 それは、冉蘭先生、が、勉強をがんばった、ある男の子に、鉛筆削り、を、あげた場面を思い出してであった。 その子は、次の日、それを失くすのだが、あるクラスの女の…

Dragon Ash「Grateful Days」

この曲をとりあげないわけにはいかないのであろう(ただ、自分が、あまり興味がないもので。てへへ)。オリコンの一位になったんですかね。ただ、彼らの、ベストには入っていない。ウィキを見るといろいろ書いてあるけど、よく知らない。PV がさまざまにとり…

村井紀『反折口信夫論』

前回は、折口信夫、を天才とまつりあげましたが(礼賛したそばから、こうやって、批判本を紹介できることが、うれしいですね。科学? 昨日言った真実なんて、今、この場で、全部、焼き捨ててやるよ)、掲題の著者は、まえがきで、以下のように言う。 冒頭に…

プルードン『プルードン・セレクション』

一体、現代を特徴付けるものとは、なんなのであろう。 ハイデガーは、科学文明を疑問視し、その、技術信仰への、不信を語った。近代科学技術の進歩、コンピュータの進歩は、あらゆる「インフラ」、の、「自動化」を意味する。あらゆる、この人類の、人類生活…

人生の意味

「コジマ」は、主人公の「僕」のように、たんに、いじめられるのではない。 彼女がどんなふうに考えたか。その、彼女の言葉に、耳を傾けてみようではないか。 「わたしたちは、君の言うとおり、........弱いのかもしれない。でも弱いからってそれは悪いこと…