2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

トランプは大統領になるのか?

選挙とは、そもそも私たちが何かを「選択」する制度ではない。というのは、選挙とはこの限られた被選挙人の中の、さまざまな要素を「総合」して、どちらを選ぶか、という行為なのであって、その候補者の「どの要素」を考慮して、このような選択をしたのかを…

大島堅一「電力システム改革のもとで進められる原発費用の国民への転嫁」

そもそもこの日本国家システムは長い間、自民党独裁システムによって維持されてきた。しかし、マックス・ウェーバーが「権力は腐敗する」と言ったように、長期の権力の座への居座りを許した時点で、どのような権力もなんらかの「腐敗」を免れない。それはそ…

天皇制は成立しているのか?

日本の憲法を見ると、総理大臣からなにから、天皇の承認が必要とかなんとか、そこらじゅうで書いてあるわけで、いやしかしこれって、その天皇が 絶えて しまったら、日本はどうなるのだろうか、と素朴に眺めていて思ったわけである。 もちろん、そんなことを…

フラット革命と「唯一性」

アニメ「響けユーフォニアム」第2期第4話は、まあ、原作の第二巻の話で、原作通りなのだが、細かい話をやっているなと思うかもしれない。 例えば、少し前まで、まあ、3・11以前まで、「フラット革命」なることがよく言われたことがあった。あらゆること…

ドゥテルテ大虐殺

今週の videonews.com はフィリピンの専門家の日下渉による、ドゥテルテ論であったわけだが、それ以前に「フィリピン論」であった。 しかし、ドゥテルテ問題を考えるに、今起きている、「麻薬戦争」について言及しないわけにはいかない。彼が大統領に就任し…

魔法少女と死

例えば、「戦う司書」というラノベがあったが、あの世界においては、多くの重要な登場人物がボロ雑巾のように、無意味な死を迎えて、世界から消えるのだが、作品世界としては、そういった死者が後々になって重要な役割を担うことになる。つまり、なんだか「…

世界はなぜ「働かなくていい」社会にならないのか?

例えば、一方において、お金持ちは子どもに十分な教育費用をかけて、私立の進学校に入学させて、東大に入れて、卒業すれば立派な社会的ステータスのある企業に就職して幸せな老後を過ごしているのに対して、貧乏人は満足に結婚もしないだけでなく、結婚して…

国家と規範的国民

国家というのは、ようするに、官僚を中心にして「運営」している組織のことであって、その国家が 無駄なお金を使いたくない と思ったとき、まっさきに「削る」インセンティブを与えるのは、貧乏人への「福祉」ということになる。ようするに、貧乏人への福祉…

カオス理論と「自由」

私たちが日常において「自由だ」と思うというのは、「そう思う」というところにポイントがあって、具体的にどうあれば「自由に振る舞ったのか」を定義しているわけではない。そもそも「自由」とは、私たちが子どもの頃からのさまざまな「経験」において、そ…

高山守『ヘーゲルを読む 自由に生きるために』

さて。今さらではあるが、「自由」とは結局なんだったのだろうか? この世界は物理法則によって、「因果律」に支配されていて、あらゆる結果には原因がある。だとするなら、この世界は 機械論的 に、すべては「必然」の連鎖によって、繋がれている、というこ…

悪魔の功利主義的東京人

3・11が起きて、福島第一が過酷事故となり、今に至るまで収束宣言も、原因究明もつまびらかになっていないわけであるが、そもそも、この東電の原発事故には先例があったわけで、それが、柏崎刈羽原子力発電所であり、つまりは、新潟県であった。 多くの人…

森山高至・中澤誠「豊洲移転はファンタジーになりつつある」

例えば、バブルの頃、日本では土地神話があった。それは土地の価値が 無限 に上るという神話であって、もちろん「無限」などという数学的幻想はありえないから、バブルははじけた。そこから日本は「失われた10年」などと言われたわけだが、果してこの「幻…

暴力装置と国家

そもそも、社会契約論というのは、いったんその「契約」が結ばれた後は、リバイアサンが一切の「暴力」を独占するのだから、結局は、リバイアサンによる「独裁国家」になる、と言っているようにしか思えないわけである。 つまり、国民とは国家の「奴隷」では…

自殺ツーリズム

そもそも、ダークツーリズムとはなんなのか、ということについて、以下の記事を見ると、アカデミックにはまだ確定していない、みたいなことが書いてある。 このように、ダークツーリズムは流行のようになりつつあるが、学問的定義はまだ定まっていない。とは…

児玉真美『死の自己決定権のゆくえ』

経済学における「成長」の定義である、GDPとは言うまでもなく 国家単位 の数値である。つまり、GDPと国民のだれか一人とは直接は関係ない。だとするなら、国民とは関係なくGDPが増大することがなぜ、ある国民にとっての「成長」となるのかは自明で…

「みんなの意見」は案外正しい

掲題は、ジェームズ・スロウィッキーの本の題名であるが、私は多くの日本人がこのことをよく分かっていないんじゃないのか、ということが少し気になっているわけである。 相模原障害者殺害事件にしても、元アナウンサーの長谷川豊による透析患者「死ね」発言…

市野川容孝「反ニーチェ」

今回の雑誌「現代思想」の特集「相模原障害者殺傷事件」については、まだ最後まで読み通せてはいないが、どの記事も読みごたえがあり、考えさせられる。 例えば、蓮舫さんの二重国籍問題があったとき、「蓮舫が自分の戸籍を公開すればいいじゃねえか、政治家…

習慣という「ミーム」

例えば、どうもピーター・シンガーの言う「功利主義」は気持ち悪い。それは、彼が非倫理的だからというより、なんらかの「べき論」を、彼はどうしても「功利主義」で説明しないと気がすまない。もっと言えば、あらゆる道徳の源泉が「功利主義」にあるのだ、…

終わりの始まり

馬鹿馬鹿しいことであるが、世界に「目的」などない。それは、あなたがある「仕事」をしていて、その仕事になんらかの「共感」のようなものを覚えている状態に対して言うことができる。どんなに長い間、その仕事をしていようが、それが「終わる」ときは来る…