2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

中田考「価値観を共有しない敵との対話は可能か」

今回のISの問題において、ずっと、ひっかかっているのは、例えば、ISは自らが行った残虐行為をビデオに録画して、 見える化 をしたが、ISではない「有志連合」側は、それをしていないだけの「違い」なのではないか、といった疑いが晴れないからであろ…

「花とアリス」について

岩井俊二監督の映画「花とアリス殺人事件」を見に行った感想は、お客が全席を埋め尽しているというところまでもなく、とはいっても、それなりにお客がいて、といった感じで、なんというか、それなりに「理解」して見に来ている人は来ているのかな、といった…

死んだ二人の日本人

今回の日本人二人がISに殺害された件において、どうしても「おかしい」のは、安倍晋三という総理大臣が、多くの人たちが日本人の救出のために、ISと交渉をしていた最中に、中東に行き、 「対ISILのために2億円の供与」と言った ことなのではないだ…

中田考『カリフ制再興』

中田先生のイスラーム法の話を、多くの日本人がうまく聞くことができないことについて、ひとまずは、イスラーム法とは「イスラーム教徒」たちにとっての問題である、といったところから理解する必要があるように思われる。 中田考 民主主義とか自由とかそれ…

佐藤次高『マムルーク』

近代国民国家、ネーション=ステートを考えるとき、その大きな正統性の源泉として、近代科学があるのではないか、と思われる。つまり、近代科学の発展によって、人間は人間社会を破壊できるのではないか、といった考察が現実になり始めている、といったリア…

内藤正典『イスラム戦争』

私が今回の一連のISをめぐる事件をみていたとき、最初に「あれ?」と思ったことは、ISの声明が日本政府に向けて、まさに「個別の利害」に関する案件の解決を求める「話しかけ」ではなく、 日本国民に向けた 一種の「呼びかけ」の形をとっていた点に、少…

アニメ「サイコパス」とイスラーム法

アニメ「サイコパス」を映画館で見ていたとき、私の脳裏にあったのは、このアニメが徹底して描こうとする「サイコパス」、つまり、近代的な 心理学主義 と、「イスラーム法」の考え方の違いについてであった。このアニメで描かれる「サイコパス」とは、ある…

作者に「殺される」ヒロイン

アニメ「四月は君の嘘」の原作の漫画の方は、結果としては、宮園かをりの死が結果することで終わったわけであるが、この作品が「いちご同盟」のオマージュとして作られたということで、ある程度この結果については、予想されていた、ということのようである…

アメリカとIS

日本の今の状況を考えるとき、安倍総理を中心とした勢力の暴走は非常に危機的なところまで来ている、という印象を受けなくはない。彼らの言うままについていったとき、日本の将来はアメリカによる泥沼の中東戦争に巻き込まれ、戦後の平和主義は終わりを迎え…

神輿は軽い方がいい

小沢一郎が自民党にまだいた頃、彼は掲題のように言った。つまりこれは、総理大臣について言っていたわけであるが、基本的に、日本のエリートの行動原理は、このままだと言えるのではないだろうか。 アベノミクスと呼ばれる、リフレ政策を安倍首相が採用した…

中田考『一神教と国家』

(内田樹との対談。) 今回のジャーナリストの後藤さんについての結果については、非常に残念だったとしか言う言葉が見つからない。しかし、もう少し冷静になる必要がある。つまり、これは「始まり」でしかない、ということである。米軍は、イスラム国に対し…