2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

政治におけるコミットメント

政治というのは何かと考えてみると、結局、私たちは今ここで生きている社会が、よりよいものになっていくことを目指して行う日々の営みだと言うことができるのかもしれない。 政治には二種類ある。一般的な、大衆社会論から考えるなら、政治とは、言わば、一…

伊勢崎賢治『新国防論』

プラトンは哲学とは「想起」のことだ、と言った。つまり「イデア」である。ということはどういうことか。私たちは「なんでも知っている」ということである。私たちが語るということは 思い出す ということであって、つまりは「悟り」のことだ、ということで…

「表象」への違和感

映画版のガルパンを見たが、確かに、いつもの学校廃校ネタをはさんで、JKたちの倫理的な諸関係を描いていたわけで、それなりにおもしろかった印象はあり、それはネットの評判と同じ評価だと言っていい。 ただ、いつも思うのは、ある「違和感」である。それ…

ある聖性について

フランスが、ISとの戦いを宣言して、シリアに爆撃を行うことについて、言うまでもなく、それにより多くの民間人の死者が生まれることは、始める前から分かっているわけだが、それでも、フランスはそれを「断行」するのだ、と言うわけである。 アメリカも、…

パリと「イスラム」

今回のパリのテロについては、実行犯が全員射殺されているわけで、結局「これ」がなんだったのかを、私たちが問うことを困難にしている。人それぞれが、自分の都合のいいように、この事件の「真相」を分かった気になって、今目の前にある「事実」を、やりす…

三つの倫理

数学なんてものを、少々かじったことがある人には、倫理学における、功利主義とカントの義務論の「対立」のような議論は、ほとんどなにを言っているのか分からないような、衒学的な話に聞こえる。 というのは、どういうことかと言うと、ようするに、それぞれ…

<あなた>の倫理学

ときどき、倫理学というのはなんなのかな、ということを考えることがある。この場合、問われているのは <私>の倫理学 ではない、ということである。つまり、自分がなんなのかを語ることではない。そうではなく、「あなた」の倫理学について考えたい。つま…

野口晴哉『風邪の効用』

文系の人の話すことを聞いていると、とにかく、自分が「善」に対してナイーブであることをなんとしても否定しようとしているんじゃないのか、と思うことがある。つまり、 ワルぶっている というわけである。少し古い言葉を使うなら「つっぱる」でもいいが、…

韓国戦についての考察

昨日の野球で韓国に負けた試合は、2CHでずっとスレッドが立っていて、こういった展開だと、炎上するんだな、というのがよく分かる例であった。エースが試合を作って、ホルホルしていた連中が、最終回にああいった負け方をするというのは、エースを降ろし…

オリエンタリストへの「いらだち」

たまたま、サッカーの日本代表とカンボジア代表の試合を見ていたら、試合開始前に、この前のフランスでのテロについての、追悼セレモニーを行っていた。話を聞くと、どうも、予選の試合の他の会場でも行われていたそうで、ああ、こういうことなんだな、と思…

戦争のパラドックス

それほど、今回のフランスのパリのテロについて、情報を追っているわけではないが、結局、寿司屋が襲撃されたのかされなかったのかの話はどうなったのだろうか。ちょっと分からないのは、日本をテロのターゲットとしての、寿司屋の襲撃だったというなら、な…

中田考『イスラーム法とは何か?』

マイナンバーを、全国の市役所で配達させるって、簡易書留を全国の人に送るって、どんだけ、郵便局を儲けさせようとしているんですかね。そもそも、再配達をしないから、不在ってだけで、みんな市役所に帰ってくる。さて、いつになったら終わりますかねw そ…

一般意志の「終わり」

今回のパリでのテロにおいて、日本のインテリがショックを受けるのは当然であるように思われる。それは、言ってみるなら、 グローバリズム の中心が「攻撃」を受けた、ということを意味している。つまり、一般にグローバル企業と呼ばれる、一国家の中だけで…

エリート・パニック

今回のフランスのパリで起きたテロ事件について、ある種の「エリート・パニック」のような状況が起きていることは、非常に懸念される事態ではないかと思っている。 まず、そもそも、アメリカにしても、フランスにしても、明確にシリアへの空爆攻撃を両国の軍…

表象文化論批判としての「ハーモニー」

アニメ化映画「ハーモニー」を見て、あらためて、この作品について考えないといけないかな、といった印象を受けた。 この作品は、女子高生の 青春 の物語である。作品内においても、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」がでてくるように、彼女たち三人は「青春…

今の日本に「ステマ」でない言論はあるのか?

そもそも、安倍首相のおじいちゃんにあたる、岸信介元首相が、アメリカのCIAのスパイであることは、周知の事実であるわけで、どう考えても。彼はA級戦犯であるのに、裁判で死刑にならなかったのは、アメリカと手打をして、アメリカのスパイになったから…

ひきこもりヒロイン

アニメ「終物語」は、まあ、原作通りの内容であったわけであるが、私はこの、老倉育(おいくらそだち)という「ひきこもり」を行っていた、いわば ひきこもりヒロイン という問題について考えてみたいわけである。 (しかし、その場合に、作者が主人公を「成…

牧野雅彦『精読 アレント『全体主義の起源』』

日本の民主党が、日本共産党との選挙協力に、なかなか踏み込めないのは、もちろん、民主党の中に、より自民党寄りの議員が多くいることが関係しているのであろうが、いずれにしろ、そういった保守系議員が、なんとしてでも、日本共産党とだけは一緒になりた…

山本正身『伊藤仁斎の思想世界』

人類の歴史をもしも、二つの拮抗した考えの「抗争」と考えるなら、それは エリート主義 vs 大衆社会論 だと思っている。私は基本的にこの二つの考え方が、この人類社会において覇を競ってきたと思っている。 エリート主義は言うまでもない。この社会を「支配…