SWITCH2が中国で発売されないことの考察

SWITCH2の北米での予約抽選の受付がストップになってる。その理由は、言うまでもなくトランプ関税だ。この関税は間違いなく、

  • SWITCH2潰し

が目標だ。そもそも、わざわざトランプの発表が、SWITCH2の発表の当日にぶつけてきている。しかも、任天堂が租税回避で中国での生産をやらずに、ベトナムで作っていたところ、トランプはその中国以上の税金をベトナムに行った。
そもそも日本自体が今、25パーセントという税金がかされている。
アメリカのゲーマーが「ドロップ・ザ・プライス」の大合唱をSWITCH2の公式配信のコメント欄で行ったが、かなり露骨な任天堂潰しの意図が、アメリカの産業界全体にあることは明らかだろう。
まず、日本でのSWITCH2本体の発売が、日本語版と多言語版で2万円近い価格差があることだが、そもそもこの日本語版は、各小売店での

を排除するための一つであることは明らかだろう。つまり、これは単純な「日本人だけ優遇」とは違っている、と受け止めている。まず、ヤマダ電気などの家電量販店には、日本語版しかおろされないことがアナウンスされている。つまり、これによって、大量の転売ヤーが家電量販店に押し掛けて

  • 迷惑

をかけることを事前に防いでいるわけだ。多言語版はあくまで、Nintendo Switch Onlineでしか売らない、とアナウンスしている。
多くの人が勘違いしているが、今回のSWITCH2は、中国で販売しないこともアナウンスされている。そう。中国では売らないのだ。つまり、このことと日本語版が転売やー対策であることは深く関係している。
そこで、まず最初にSWITCH1と中国との関係について整理しておこう。

www.nikkei.com
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japan.storm.mg

中国において、そもそも「海外製品」は悲惨な状況にあります。つまり、そもそも「自由市場がない」のだから、

  • どういう「理由」で、ある海外製品を国内で販売してOKとするのか?

が常に曖昧なわけです。SWITCH1にしても、PS5にしても、それぞれのゲームソフトウェアのうち、中国当局によって、国内販売が認められたものは1割にも満たないわけです。
任天堂は長い間、中国国内での販売において、テンセントに協力をあおいで行ってきましたが、とうとう、2024年に中国国内での、Nintendo Switch Onlineのサービスを停止します。しかし、この対応は大きな代償を伴いました。つまり、これは今まで約束していたお客に、サービスをあきらめてくれと言うのですから、それなりの「賠償」が必要になりました。そのため、任天堂はSWITCH1で遊べる主要な4つのゲームを「無料」にしました。
いや。それじゃあ、中国の人はSWITCH1で遊べないじゃんと思ったでしょう。ところが違うのです。

ただ、グローバルのSteamを遊んでいたゲーマー達が、突然グローバル版を遊べなくなったら確実に不便に感じますよね。なので2021年に中国版Steamができてからは、VPNを使ってグローバルSteamを遊ぶ中国人も増えています。中国政府はVPNの利用は禁止していますが、基本黙認状態となっています。
note.com

そう。中国の人は、中国のSWITCH1を買っていません。その代わりに、日本で転売ヤーが買ったSWITCH1の言語設定を中国語にして、日本の任天堂の公式サイトにアクセスして、Nintendo Switch Onlineを使っていました。つまり、

を使って、です。上記にあるように、中国政府は公式にVPNを禁止しています。しかし、現状は完全に「黙認」されています。
そして、興味深いことは、なぜ、STEAMのユーザー登録者の50パーセントが中国語ユーザーなのかというと、まったく同じ方法、つまり、

を使って、中国国内のSTEAMからではなく、日本や北米のSTEAMにつないで、そこから、ゲームソフトウェアを買っている、とうことなわけです。
分かるでしょうか? トランプのアメリカにしても、共産党の中国にしても、そもそも「輸出品」が<まとも>な手段で売れるのかどうかは、まったく未知数です。今回のように、信じられないような高額で関税をかけてくることは、当然考えられます。おそらく、今回のトランプの動きには、アメリカ国内のゲーム業界が

で動いています。
大事なポイントはなんでしょうか?
それは、任天堂が今回のSWITCH2の発売で「確実に利益を確定する」ということです。幸いなことに、日本国内で売る分には、関税はかかりません。よって、日本人に向けて売るということについては、

  • 確実に数が見込める

わけです。だから、他の地域はいったんおいておいたとしても、まず最初に、日本国内で販売数を確定させたいわけです。そうすることによって、任天堂という株式会社の命運が決まります。
おそらく多くの人は、「中国がかわいそう」「アメリカがかわいそう」と思っているでしょう。しかし、そういった国がそういった政治システムを選択しているのは、その国の人たちです。いろいろと調べていくと、今回のSWITCH2のハード構成も値段も、他のゲーミングノートPCと比べても、比較的に妥当な性能だし、妥当な価格です。こういった「高性能」路線に傾くのも、そもそも、多くのゲームメーカーが発売しているゲームがそうなのですから、どうしてもそういった方向に傾きがちなわけです。ようするに、今回のSWITCH2は、他のゲーミングノートPCなどと比べても、

  • 平均的

な商品なわけです。ゲーマーが一方では、「高スペックを要求する新作ゲームを好んで買っている」のに、どうして、コンソール機を安くしてくれとか、ゲームソフトウェアを安くしてくれとか言えるでしょうか? つまり、ゲーマーの行動が必然的にもたらしている結果にすぎません。
大事なことは、コアゲーマーだけでなく、ライトユーザーも含めて、

を高くしていく必要があります。たんに「享楽」的なゲームを求めるのではなく、それが「子どもが遊べる」ような内容なのか、値段なのか、といったことを意識して、ゲームメーカーを批判していくべきです。こういった強い消費者意識がない限り、この業界は衰退します...。

追記:
アメリカにしても、中国にしても、製品の値段が高くなることは、そもそもの自国の政治状況や、自国民のリテラシーをまずは反省する必要があります。
中国の転売ヤーを放置してきたのは中国人自身です。自国が他国に迷惑をかけているかもしれないという反省なしに、この問題は解決しません。
アメリカもそうで、パルワールドの件でもそうですが、任天堂著作権に敵対的な発言をしてきた人たちが、switch2を安くしろと言っているのは違和感があります。しかも、アメリカから次々と登場してくるswitch1のエミュレーターに対して、任天堂がどれだけの裁判費用をかけているのかを考えれば、アメリカだけ高額になってなにがわるいのかわからないわけです。

追記(2025/04/06):
海外の「ドロップ・ザ・プライス」の大合唱だけど、少しおさまりかけているのかな。

x.com

ツイッターってさ。相互翻訳のリンクが用意されているし、しかも、例の「おすすめ」って欄に、設定で自国語以外も含めるってすると、日本だろうが中国だろうが、どこだろうが、「今よく見られて」いるツイートが、しかも、「自分が関心のある」ツイートが自然に表示されるからクリックして、翻訳リンクを押しちゃうわけね。
それで上記のツイートがリツイートしている日本のツイートが言っているのは、GPUの5千番台の値段が日本では、

正規の店が、ものすごい高い値段で売っている。よって、子どもたちは消費者金融で50万、100万をだして買わされているって話になるんだけどw、まあ、どうかな。
一つだけ言えることは、今回の任天堂の本体、ゲームソフトの平均小売価格の明らかな値上げは、さまざまな要因がある。だが、それ以上に、トランプ関税を含めて今の世界情勢を考えれば、輸出品に一定の

が必要なのは明らかでしょう。お前の国がトランプのような大統領をトップにしておいて、任天堂に値下げしろって、あまりに都合がよくないか? 欧米の定価に比べて、日本の小売価格があまりに高く設定された商品なんて、今までも、いっくらでもある。しかし、日本では誰も文句を言わない。なぜか? それは、日本が製造業の国だと考えてきたから。つまり、嫌なら自国が作ればいいでやってきたから。しかし、今。日本には、製造業がほとんどなくなってしまった。そして、誰も何も買わなくなった。今回、久しぶりに発売された「日本製品」であるSWITCH2が、

  • 今ごろ

になって、(日本で売っているものに比べて)アメリカで売っているものが値段が高いじゃないか、と怒られているってわけだ。つまり、

  • あまりにも

そういった「経験」を久しく受けてこなかったから。自分たちは、当たり前のように毎日、もう、何十年もそれをやってきていたのにねorz

追記(2025/04/06):
明確に書いてなかったので、改めて結論だけを簡単に書くけど、日本語版と多言語版で2万円の差額になっているのは、

  • 日本語版は、日本の家電量販店におろす「すべて」がこっちになる。それによって、中国転売ヤーが日本の家電量販店に行って「迷惑」をかけるのを防ぐ
  • Nintendo Switch Onlineでのネット注文においては、日本語版、多言語版の「どちら」も買える。なぜ2万円の差額があるかというと、もしも「海外との為替の差異」によって、少しでも「日本で買った方がお得」ということになったら、必ず、「転売ヤー」が買い漁るようになる。よって、それを防ぐという意味で、「日本で買った方がお得」というようにならないように、あらかじめ、高めの値段に最初からしてある。よって転売ヤーは「日本で買うと損だ」と判断することになり、日本国内での海外向け(特に中国)の転売目的の買い漁りを防げる

というわけ。じゃあ、欧州やその他の国で日本語版より高めの値段で売っている理由はなにかということになるけど、それはさまざまな要因がある。関税もあるし、その国の特殊な理由もある。そもそも当分は、圧倒的に供給より需要が勝っている状態が続くわけ。そういう状態で、むしろ高く売らないという方が、経済学からしたら「異常」なわけね。だから、こんなに転売ヤー問題が騒がれているわけだから。
ここで二つの問題がある。一つは、日本人向けの転売ヤーはこの方法では防げていないんじゃないか、という疑問。次は、そもそもSWITCH1は安かったわけだから、それが「理由」で支持されていたわけで、この

  • 方針転換

が支持されるのか、という疑問。この二つはクリティカルで、当然今後の課題になっていく。私は前者については悲観論だ。しかし、PS5のときに比べれば圧倒的な成功であることは間違いないわけで、その辺りで中間的な評価がでてくるだろう。後者については、そもそも私はSWITCH2に批判的だ。つまり、このSWITCHという端末は「あらゆる」ことについて、中間的なポジションをとろうとする。そのことによって、市場独占を狙っている。これが成功するかどうかは、あとは、各ゲームメーカーがどういったゲームソフトをだしてくるかにかかっている。しかし、今見ていて分かるように、サードのゲームメーカーは値段で妥協しようという姿勢はまったく見られない。彼らの

  • 芸術家きどり

は吐き気がするほどで、おそらく大量の「ゴミ屑」ゲームが量産される。しかし、だとしても、

  • SWITCH「ゆえに」売れる

という現象が起きるだろう。私が考える最高の対策は、

  • 本当のSWITCH2を別で発売する

だと思う。つまり、今あるSWITCH2のような、高スペックを前提にしたゲームが動かないかわりに、今までのSWITCH1の部品の中で、あまりにも古くなったために生産中止をされそうな部品を最新化したものに対する需要が強くなる、と。つまり、「これでいい」わけだ。少なくとも、新品のリズム天国トモダチコレクションはこれで動く。なあ。あと他に一体なにがいるというの?