西尾維新『化物語』

読切り型の連続短編小説、のような感じなのでしょうか。テレビアニメ化ということで少し読んでいる。
まあ、最近話題の、村上春樹の小説や、エヴァ、より、こっちかな、という根拠のない話ですが。
とりあえず、上巻を読んでいる。
高校生男子の、あららぎ、は、吸血鬼に襲われ、それを、にんの、という浮浪者のような奴に、助けられる。それから、あららぎ、は、その後遺症のようなもので、やたらと、回復力の早い、特異体質となる。
彼、あららぎは、二年間、同じクラスの女子、ひたぎ、と、知り合うことになる。彼女は、

友達はいないらしい。
一人も、である。

クラスでも、いつも本を読んでいて、だれとも話さない。教師に質問されても、「わかりません」、としか言わない。
そんな、ひたぎ、の秘密を、あららぎが、知るところから、話は、始まる。
日本の妖怪や、怪異現象、などについては、平田篤胤なども、さまざまに研究しているし、柳田国男などの、民俗学の研究もある。
この小説では、それは、むしろ、そういった妖怪を、無意識において、「必要」としている、各個人、つまり、人間の側の心理の問題であるというのが、基本的なスタンスである(というか、それが、にんの、という、キャラのスタンス)。そういう意味では、フロイト的というんですかね。
カントにしても、彼がスエーデンボルグにこだわるとき、実に皮肉な言い方なんですね。自分の、人間の理性、には、見分けがつかないとするなら、どうすりゃいーんでしょーかね、みたいな。
だから、むしろ、こういうのは、人間の論理がもっている、論理的な問題と言ってもいいし、文化人類学的な、儀礼の意味、と通じるものと言ってもいいですけど、ひどく、人間の側の問題なんですね。
まあ、最初の方しか読んでないんで、作品の評価というのもないんですけど、アニメの方は、どうかな。絵は、すばらしすぎるけど(YouTube で、ちょっと見た)。
この会話のおもしろさがねー。50%、も伝わってねーなー。
でも、いずれにしろ、このアニメ化で、西尾維新、が、全国区になるんですかね。いや、今の若い子なら、だれでも知ってるのかな(そういう情報はうとい)。

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(上) (講談社BOX)