ガルパンにわか

そもそもなぜ、今までのアニメには、「戦車」が本格的に描かれなかったのであろうか。ガルパンを見たときにだれもが思う、素朴な疑問なのではないか。そもそも、ここまでの戦車戦が描かれたアニメを見たことがない。はっきり言ってしまえば、そういう意味において、ガルパン

  • アニメ「ミリオタ」元年

の印象を強くしている。始めて、「戦車戦」のおもしろさが、アニメにおいて描かれたということを、どう考えればいいのか。
しかし、よく見てみると、実際に戦車を「アニメ」にできたわけではない。誤解のある言い方だが、ようするにこれは3DCGなのだ。このことの意味は、なんらかのグラッフィック関連のソフトウェア開発に携わっている人たちには、感慨深いものがあるのではないだろうか。
戦車はあの細かい線の集積と、細かな微動を繰り返す動作からして、そもそも、3DCGであったとしても、非常に大変な制作作業を繰り返していることが考えられる。そんなに簡単に、テレビシリーズなど作れなかったはずなのである。
例えば、私たち「ミリオタ」ではない一般の人にとって、そういった戦車がどうやって動くかとか、どうやって、大砲が撃たれるのかといった、「用語」について、まったくなんの「興味」もわかない。それだけでなく、そういったことを想像することさえ、なんともいえない「嫌悪感」のようなものがわいてくる。
ところが、こうやって「アニメ」という形で示されると、そもそもこのストーリーを理解するためには、そういった一個一個の「用語」が、非常に理解上、重要だということが理解されてくる。
まさに、シュミレーションなわけで、自分が実際に、そういった場面に、直面して、戦車の中にいる場面を想像してみると、その戦車の中にある一つ一つが、「どう呼べばいいのか」ということが、気になってくる。
ガルパンには、ある「分裂」を内包している。
それは、いわゆる一般的な意味での「ストーリー」と呼ぶときの、登場人物たちの「萌え」的ななにかと、ガルパンを特徴づける、この「戦車戦」の「リアリティ」である。
この二つは、非常に単純化して説明するなら、制作スタッフが

  • 2チーム

いた、ということを意味する。一つは言うまでもなく、一般的なアニメを作るセル画=萌え美少女を手掛きで描いていく、一般的な意味でのアニメ制作のチームであり、もう一つは、言わば

  • 背景=インフラ

を用意する、この場合は3DCGでの戦車戦を「制作」するチームだと言えるであろう。
つまり、この二つのチームは、ある意味で、完全な「疎な結合」を実現している。
このアニメにおいて「戦車」とは、例えば、アニメ「けいおん!」におけるギター、ベース、ドラム、キーボードのことと考えると分かりやすいかもしれない。こういったものは、私たちの一般的な生活における

  • 文房具

のようなものと考えると分かりやすいだろう。私たちはここで、ある文房具を使っていたときに、なぜ「それ」を使っているのかと問うてはいけない。ここで「なぜ」と問うたとき、上記の例で言うなら、その判断は「アニメ制作チーム」の側にも、「3DCGチーム」の側にもなく、その中間、つまり

  • 制作統括チーム

が、その二つを結びつけている、と解釈できる。なぜ大洗女子高校の戦車が、あのような編成になったのかは、どう考えても「アニメ制作チーム」の側の

  • 日常生活をストーリー化させる

側の範疇のことではない。これは、その後に行われる「全国大会」において、プラウダや黒森峰の重戦車と、それなりに拮抗した戦車戦を行わせるための

  • リアリティ

に関係して用意されることになる。この開発チームの二極化であり、それぞれのチームの「独立性」が、この作品に

  • それぞれのチーム内での「独立性」を許容したことによる豊穣な情報量の増大

を許容する、間口の広い作品となることを許した、と考えられるであろう。
アニメ「咲 -saki- 阿知賀編」の最初の方で、奈良の地元の強豪高校の晩成高校麻雀部のレギュラーの小走やえが言った言葉「ニワカは相手にならんよ」が話題になり、この

  • にわか

という言葉が、ネット・スラングとして使われるようになったが、私たちはそういう意味で、ガルパンの「にわか」である。まあ、「ミリタリ」の「にわか」である。そういった連中が、この作品を楽しむには、どういった「作法」があるのか、を私なりに、ここで整理してみたい。
まずは、なにはさておいても、作品を見ないことには始まらないということで、ネットのオンデマンドなどで、テレビシリーズを見るところから始まるのであろうが、オヤジたちはここは、「寄進」ということで、ブルーレイを購入して、制作サイドにお金が回るような行動をすることが、信者の務め、ということになるであろうw

まあ、この辺は、イントロダクションなので、どういう形でもいいのだが、こうやって作品を見ていると、正直、何を言っているのか分からないセリフに遭遇する。まずは、それが何を言っているのか、といった文字列の確認を行うという意味で、私は比較的、入手しやすい以下の絵コンテを参考にさせてもらった(別に、これで必要十分という意味で言っているわけではないが)。次に、ここで使われている「用語」の確認ということになるが、その入口として、以下はなかなか書いている人の情熱も伝わってきて、しかし、いくら読んでも先に進まないという意味で、お勧めである。
ガールズ&パンツァーエンサイクロペディア

ガールズ&パンツァーエンサイクロペディア

ついでに、より戦車の細かな設定をダイレクトに確認するということでか以下の公式のガイドブックが詳細されている。ここから、この作品を楽しむという側面から、どういった方向に進むのかという意味では、いろいろあるのだろうが、ここは「figma」と呼ばれているフィギアに注目するのは、一つの楽しみ方ではないだろうか。
この「figma」というフィギアは知っている人は知っていると思うが、他の一般的なフィギアと比べると、少々小さく、再現性に欠ける印象をもっている人もいるかもしれないが、可動性をもち、特に、あんこうチームの五人については、非常に完成度も高く、興味深い味わいをはなっていると思われる。しかし、ここで話は終わらない。というのは、「figma Viecle」といって、あんこうチームの五人を搭乗させることが可能な、あんこうチームの戦車である4号が、別売りで発売されているからだ。
しかし、よく考えてみてほしい。そもそも「figma」は、これそのものとしてフィギアとして楽しむことを目的として作られたものである。そのフィギアが「搭乗」するとは、どういうことか? 想像通り

  • 巨大

な車体となることになる。

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まあ、一種の「おふざけ」ですよね。この「悪のり」感は、この作品にはふさわしいのかもしれないw
(ちなみに、上記の4号は、テレビシリーズの最初の車体で、劇場版の、より重装甲になったものの方がいい人は、今年に、発売が予定されているという話もあるようなので、それまで待つ、というのも、いいかもしれない。私は個人的に、最初に五人がそろった車体が、ガンダムの最初の搭乗シーンじゃないけで、重要だと思うので、こっちの方が、お気に入りですけど。)