アメリカ共和党の終焉

今週の videonews.com は、まさに今のアメリカ大統領選挙について分析しているのだが、まさに今、アメリカにおいて、共和党の終焉が始まっている、ということをよく現しているわけである。
そもそも、トランプは、共和党の人じゃない。言っていることが、民主党そのもので、長年、クリントンと懇意にしてきた。しかし、もしそうなら、彼が今回、共和党から立候補したのは、なんらかのクリントンへの「応援攻撃」の意味があったのではないか。彼が、共和党を選んだ理由には、オバマという黒人が大統領になったことという、白人至上主義的な動機があるということだが、結果として、クリントン民主党の候補に今はなっているわけで、その点では、なぜ共和党なのか、という理由も弱い。

横江公美:40%の冨をもっているウォールストリートに対して、課税強化するって言ったのが、候補者すべてのなかで、サンダースとトランプだけだったんですね。これ、1%に課税する、ここに課税強化するっていうことは、オバマ・ケアで救われてない人たちっていますよね。オバマ・ケアで救われた人っていうのは、最低所得層ですけど、今、例えば、教育費。大学の一年間の授業料が10万ドル(=約1000万円)なんですね、アメリカって。あと、歯医者さんに行って、歯を一本治すと1500ドル(=約15万円)かかるんですよ。すごく、普通の中間層と言われてる人たちでも、生活大変だなと思う人たちがいますよね。そこに対する、超トップに課税するということは、それに対する、ある意味、格差のもれた人たちを、テイク・ケアしますよ、っというのが、けっこうトランプなんかには、まあ、レトリックのところもあるかもしれませんが、そういうところをスピーチでうまく、言っていました。TPPもそうですよね、TPPもよくよく見ればあれは、安全保障なんだけど、そこを言わないで、いわゆる中間層の雇用のために、そんなのはやれない、というふうに言っていて、けっこうですね、今までのところ、耳だけで聞いていると、ヒラリーよりトランプの方がけっこう、格差是正の範囲を拡大しているように言っていました。だから、本当に、どっちがどっちか分かんないような、状態になっているように思います。
VIDEO NEWS米大統領選で右も左も大混乱なわけ

なぜ、トランプなのか、ということでは、上記の引用が非常によく説明している。トランプは、まともなマニフェストも作っていないが、少なくとも、集会などでは、どういうことを自分が言えば、投票してもらえるのかを非常に研究して、その通りに行動している。
アメリカ人は大学に行けないし、歯医者で歯の治療をするのにも、想像できないお金がかかる。もう、アメリカン・ドリームは終わったのだ。
むしろ、多くの人たちが、こんな国を出て行きたい、と思うくらいになってきている。
そんな状況のアメリカにおいて、お金持ちの税金を上げます、の一言ですら、ヒラリーは言えない。おそらく、トランプがもしも大統領になったら、まったく、貧困層対策などやらないであろう。お金持ち優遇を行うであろう。事実、トランプ自身が、富裕層階級なのだから。しかし、少なくとも彼は、集会などでは、たとえ、リップ・サービスであったとしても、富裕層の税金を上げる約束をしている。間違いなく、貧困層の、このトランプへの「希望」は裏切られる。しかし、その対策の可能性すら口にできない、クリントンに投票するくらいなら、自分たちの前で、その可能性に言及したトランプに希望をつないでみたい、と思うのは、自然なのではないか?
よく考えてみよう。アメリカの保守政治を代表してきた、共和党とはなんだったのか? もはや、なぜ共和党などという政党が存在するのかすら分からなくなった。それは、トランプがまったく、共和党の政策理念と関係のない、まさに、民主党的な政策を使って、選挙活動を行っていることからも分かる。
そもそも、共和党とはなんなのか? 私には、共和党が言っていること自体が意味不明の戯言(たわごと)を言っているようにしか聞こえない。共和党に投票する、アメリカ人の貧困層は頭がおかしい、としか思えない。
つまり、共和党の言っていることは、最初から最後まで、

  • 冷戦時代の、レッド・パージのレトリック

なのだ。まったく、非論理的な、意味不明のことを言っているようにしか聞こえない。ところが、である。そもそも、もはや冷戦は終わっているわけである。そうであるのにも関わらず、共産主義勢力と戦うのだ、とか、意味不明のことを言っている。
馬鹿なんじゃないか?
もはや、共産主義勢力など、どこにもいないのだ。いないのに、今だに、マルクス主義とか社会主義とか共産主義と戦うとか、本気で頭がおかしいとしか思えない。
そして、それは国民も同じわけである。
マルクス主義社会主義共産主義

  • いいじゃないかw

どんどん、国民に福祉をやろうではないか。国民が困っているのだから、国民に向けて、マルクス主義社会主義共産主義をやろうではないか。それで、国民が救われるのであれば、そういった社会の方が、いいに決まっているじゃないか。なにを言っているんだ、共和党は?
というわけであろう。少なくとも、若者たちは、共和党が言っていることが、意味不明にしか聞こえない。ジジババの意味不明の説教にしか聞こえない。彼らの、金持ち優遇のレトリックに比べたら、マルクスレーニンが言っていることの方がずっと、

  • 普通のことを言っている

わけである。早く滅びろ、共和党...。
(一緒に、日本の金持ち優遇政党の、自民党。そしてその自民党に、イソギンチャクやコバンザメのようにひっついて生き血を吸っているプチ・ブルジョア知識人も、早く滅びろ...。)