デンパ系と植松容疑者

今回の相模原市の植松容疑者の事件は、どこか、ISによる日本人の人質事件の経緯と似ている印象を受ける。それは、まったくといっていいほど、政府関係者からの情報発信がないことだ。
ISの場合は、そもそも、安倍首相がイスラエルで武器を売るときに、ただの昔からこの地域に行っていた「人道支援」を、なぜか、

  • ISと戦っている国々

に援助する、というふうに、余計な修飾子をつけたから、ISにその言質(げんち)をとられたわけであろう。つまりは、「舌禍」問題だったわけだ。
しかし、それ以降、安倍総理は何度、日本人がISに人質にされようと、まったく、「言及」しなくなった。つまり、

  • 見殺し戦略

を一貫して続けている。つまり、これが何を意味しているかというと、安倍首相は

  • 自分に対して、なんらかの「責任」を国民が感じてしまう

ような案件に対しては、徹底的に「無視」する戦略を続けている、ということである。
そして、その一貫として、今回の相模原市の植松容疑者の事件がある。植松は、2月に衆議院議長庁舎に「殺害予告」の手紙を、「安倍宛て」ということで渡している。驚くべきは、この事実とその手紙の内容が、事件発生と共に、すぐにマスコミにリークされたことであろう。
手紙は明らかな、「殺害予告」である。つまり、これをネットに書き込んだら、間違いなく、警察に逮捕されて、ニュースになるような内容だ。事実、以下のニュースでは今回の「共犯?」を疑われる人の、「殺害予告」は、すぐに逮捕に至っている。
http://buzz-fire.com/uematsu-no2/
なぜ、植松の「殺害予告」は逮捕されなかったのか? ここには非常に深い「闇」を感じる。まず、なぜ衆議院議長庁舎の人は、一日目は手紙を受け取らなかったのに、なぜ二日目になったら急に受け取ったのだろうか? 受けとったということは、植松はそこに、なんらかの

を受けとったと感じたのではないか。つまり、殺害への「ゴー」という意味を。あの手紙の内容を考えるなら、植松側から見るなら、安倍総理がもしも植松の「殺害予告」を止めようとするなら、なんらかの「反応」を返してくるはずだ、と思ったと思われる。つまり、黙認イコール・ゴーだ、と。
これは、一般的な「デンパ系」の特徴なのであって、どんなに他人には、そういった行為が「異常」に見えても、本人は、独特の

  • 周波数

を周りから「受信」する。まったく、なんのあたりさわりのない文章を目の前にしても、その人の文脈をふまえると、まったく違った「意味」が、そこから導き出される。
私はこの「いきさつ」を考察するに、小林よしのりが来島恒喜の「テロ」を肯定的に漫画で描いたのと似ている印象を受けるわけである。そもそも、植松は右翼との関係が噂されている。

「そもそも最初は政治に興味はなかったらしく、大学卒業後から右翼系の団体と付き合い始め、その影響でヒトラーに興味を持つようになったようです。サトシは『支配者になりたい』とも言っていました。クスリの影響もあって、自分がヒトラーのようになれば人を救えると本気で思い込んだのかもしれません。送検時に車の中で見せた笑顔はいつもと変わらない笑顔でゾッとしました」
相模原殺傷事件 容疑者の男は「強い人間に憧れがあった」 - ライブドアニュース

来島恒喜が政府の要人を殺害するまで、彼が所属する右翼団体は陰でバックアップをしながら、共犯の証拠を残さないようにする。今回の「いきさつ」はそれに似ている印象を受ける。
ちなみに、小林よしのりは今年の5月のブログで、老人の「安楽死」を主張している。
下流老人の解決方法
彼が何を言うのかは、彼の問題なのだろうが、小林よしのりをいっぱしの「思想家」として扱った評論家連中は、彼のこの主張に対して、明確な賛否を表明すべきなのではないか。小林よしのりに生温い「肯定」をする連中は、その自らの「差別」の責任を引き受ける覚悟があってやっているのか、が問われているのであろう...。