監督は一体誰なのか?

この前の、アジア杯の日本代表とカタールの決勝の最初の20分、カタールが2得点をするまでの時間に、そもそも、日本代表に何が起きていたのか、は非常に興味深い問題であると思われるのだが、なぜか、大手マスコミは、この問題を本気で追及しようとしない。

日本がプレスの掛け方をようやく修正したのは、2失点目のあとである。
「最低でも1失点したあとに、自分たちで(ピッチの)中で守り方を、サイドハーフをもうちょっと上げて、僕がアンカーのところにマンマークで付くくらいの戦い方を、自分たちでもっと気付いてやれればよかったと思います」
そう嘆いたのは、南野拓実である。だが、ちょっと待ってほしい。
自分たちで?
中で?
なぜ、それを試合開始からできなかったのか。なぜ、スタートしてすぐベンチから修正の指示が出ないのe。カタールは、サウジアラビア戦、韓国戦、UAE戦で5−3−2を披露している。5−3−2は奇襲でもなんでもないのだ。
カタールは4−4−2で来るのか、4−3−3か、3−5−2(5−3−2)かという情報があるなかで、しっかり前からプレスを掛けるといういつも通りのゲームプランがあった」という南野の言葉を聞くと、5バックも想定していたということが分かる。
だが、「自分たちで」「中で」というからには、チームの戦術として落とし込まれていないのだろう。前半、ベンチで戦況を見つめていた乾貴士も「2トップで3バックを見ちゃっていた。あれでは絶対にハマらない。見ていて分かったのに、外から指示を出せなかった。もっと言うべきだった」と悔やんでいる。
この点について森保一監督に訊ねると、こんな答えが返ってきた。
「最初から選手がトップギアでアグレッシブにプレーできるだけの働きかけを、準備段階で監督としてやれなかったところがあると思っています」
もっとも、問題はプレスの掛け方だけでなく、この試合に限った話でもないのだ。例えば、ディフェンスラインからのビルドアップを取っても、相手が1トップならこう、2トップならこう、プレスを掛けてきたらこう、ボランチへのパスコースを消されたらこう、というオートマチックな約束事が整理されていないようだった。
だから、持ち運べるときに持ち運ばなかったり、相手の1トップに対して3人いるのに、中盤のエリアに入れられなかったりすることがあった。ハーフスペースに落ちた大迫に縦パスを入れるというのがチームとして共有された数少ないパターン。戦い方における再現性の低さは、カタールと対峙したことで、より鮮明になった。
修正の遅れは「あえて」だったのか?カタールに完敗した森保ジャパン、指揮官の意図 | Goal.com

正直、私は何を言っているのか、分からなかった。
まず、試合を見ていない人のため、非常に簡単にまとめて、状況を説明しておく。
日本代表は決勝戦で、カタールに前半20分までに、2点を先制された。なぜそうなったのかについては、森保さんも言っていたように、日本が4バックに対して、カタールが3バックで来たために、攻守の「ミスマッチ」が起きたことに起因する。
しかし、言うまでもなく、ミスマッチとは相手も同じわけで、それがどっちに味方するかは、運でもなんでもない。今までのアジア杯の勝ち抜き方を見れば、お互い、相手の「弱点」は分かっているわけで、それを適格に突けている方の「有利」な展開になることは、当たり前なわけであろう。
日本は今回のアジア杯において、3バックの相手に苦戦している。ようするに、相手は今大会、4バックと3バックを併用し、試合ごとに使い分けていたわけであるが、なぜカタールが決勝で3バックを選択したのかは、ひとえに、日本が「苦手」にしていることを大会を通して見抜いていたから、と言うしかないであろう。そして、日本はなんの対策も立てていなかった。
ではなぜ、日本は3バックの相手がいながら、決勝まで勝ち進めたのに、決勝では勝てなかったのか? それは、一言で言えば、

  • 攻撃力

のある選手を、カタールは抱えていたが、決勝までの3バックの日本の相手は、そこまでの実力がなかったから、ということになる。
準決勝のイラン戦での、最初の南野からの得点を思い出してもらいたい。あの時、南野は恐しいまでの「コントロール」で、アシストのボールを供給したわけだが、なぜ、あんなに「いいボール」が蹴れたのかといえば、完全な

  • フリー

だったからだ! つまり、「いい選手」は、

  • フリー

である限り、どこからでも点を決めてくる。カタールの2得点は両方とも、どフリーの中盤にいた選手の「ロングシュート」であったわけで、

  • まさか、あの距離から、こんなコントロールの点を決めてくるなんて

と思っているのが、今回の日本代表なわけであるが、よく考えてみてほしい。
ここは、

  • 決勝

である。決勝というのは、そういう点が入った、という「事実」だけで、負けるわけである。そこで「奇跡」が起こった、とか、そういった

  • 言い訳

は通用しないわけである。どんなことがあっても、「どフリー」の選手を許してはならなかった。
というか、この程度の

  • 勝負師

としての「感性」をもち合わせていない、森保さんは、本当に監督なんですかね?
よく考えてほしい。試合開始から、20分間。
恐しいまでの時間がありますね。
その間、森保さんは「痴呆」状態だったわけですw ただただ、ボーッと試合を見ていただけでした。
そして、それ以上に驚くべきことは、上記の南野選手のコメントです。

  • 自分たちで

???
彼は何を言っているのでしょう? 一体、今の日本代表には何が起きているのでしょう?
そう考えて、つい最近の、ある興味深いニュースがあったことを、私は思い出しました。

メンバーだからこそ知る舞台裏を明かすと登場した槙野。通常のチームでは監督が指示を出すと言いながらも、「西野監督は何もしなかった」と振り返る。これは西野監督ならではのマネジメントで、大会直前に解任されたハリルホジッチ前監督が選手に何も言わせず強制するスタイルだったことを踏まえ、選手が主導権を握るミーティングを促し、停滞したチームの流れを変えたという。
それでは誰が指示を出していたのか。これに対し、槙野は「本田選手です」と明言した。
1次リーグ第2戦のセネガル戦でMF乾貴士が決めた同点ゴールの場面では、ベンチから乾を呼び、「ここでボールをもらえ」とMF柴崎岳のロングパスからの展開を“予言”していたという。本田の指示から2分後、乾のゴールが本当に決まったため、同じくベンチにいた槙野は思わず本田に「監督!」と声をかけてしまったと明かした。
槙野 W杯舞台裏をTVで明かす 指示を出していたのは監督ではなく「本田選手」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

ようするに、どういうことか? そもそも、森保「さん」は、広島の監督時代から、基本的に3バックの人だ。ところが、日本代表はずっと4バックでしか、基本的には戦っていない。それは、そもそも選ばれている選手が、自分が所属しているクラブで、4バックでしかやっていないから、3バックは「勝手が違う」として、

  • 選手によって拒否されてきた歴史

がある、ということが分かるであろう。彼ら選手は、日本のために昔から貢献してくれた、歴戦の勇者である。そして、もしも、4バックでなく、3バックを選択するとなると、自分がレギュラーから外されることが「合理的」であることを、よく理解している。しかし、W杯のような舞台は

  • 自分をブッグクラブに売り出すための絶好のアッピールの場

である。たかだか、何年かで代わって行く「監督」の「命令」で、自分の商品価値を落とされてたまらない。
そこから、必然的に

  • 監督不要論

がもちあがる。上記引用の、西野監督が「なにもしなかった」とは、どういう意味か? そのもの、ずばりの意味で、全部「選手たち」で決めたのだ!
よく考えてほしい。西野さんも、森保さんも、今の海外経験の豊富な代表選手たちより

  • キャリアで劣る

わけで、格下なのだ。偉そうに、上から言えないわけである。むしろ、「教えを請う」関係でなければ、一歩もチームが前に進まない。
ということは、どういうことなのだろう?
W杯の西野さん、今の森保さんと続いて、今の日本代表は、

  • 全て選手任せ

のチームだということになる。ということは、どういうことかというと、

  • 前目の選手は「攻撃」のことしか考えていない
  • 後目の選手は「守備」のことしか考えていない

このことは、今の日本代表の目玉である、「中島、南野、堂安」のトップ下の3人が

  • 極端に「攻撃」側の選手

であることが象徴している。よく考えてみてほしい。ここは「決勝」なわけです。こんな、守備のやる気のない選手をカタールの攻撃力の高い選手たちの

  • マッチアップ

させたら、相手は余裕で、「どフリー」で好きなだけ、得点が取れそうですよね。こんなことで、本気で

  • 決勝の<リスク>

をとれると、痴呆症の森保さんは思っていたんですかねw
今回の日本代表の、森保戦術は、一言で言って「超超攻撃的」です。しかし、そうであるにも関わらず、アジア杯を通じて、日本は大量得点を取れませんでした。そして、決勝のカタールの守備は、今までの日本の勝ち上がりを見れば、こういった戦術で守備をすれば、たかだか最小得点に抑えられそうな、そういった「前例」通りの戦術を選択して、実際にその通りになった、と言えるでしょう。
では、最後に、なぜ森保さんは「思考停止」になったのか、ですが、もはや言うまでもないでしょう。彼は、4バックについて「自信がない」のでしょう。選手の方が詳しいと思っている。だから、

  • 選手を差し置いて、自分が「今の4バックはここがダメだから、こう改善しろ」

と言うことを「恐れた」わけである。なにを恐れたか? 選手にその「指示」を無視させて、世界中に白日の下に、その姿をさらされることを。
こういう人を、私たちは「監督」の座にい続けさせていいんでしょうかね? まあ、いいかどうかはともかく、一体、誰が本当の監督なのか、の議論はやっておかなければならないようです。まず、今回のチームには、本田はいないわけですから、本田が実は陰の監督だった、と言うわけにはいかないでしょう。じゃあ、選手全員(ベテランのレギュラーを中心として)と考えると、まあ、かなり近くはなりますが、私はこれも違うと考えています。つまり、本当の監督は

  • 田嶋

です。田嶋は、森保さんに監督を引き受けてもらうときに、W杯での西野さんに要求していたであろうと、同様の要求をした、と考えられるわけです。おそらくそれは、

  • 日本代表の「ヒーローたち」と言っていいような、中心的選手を「気持ちよく」プレーをさせろ

と。ようするに、「説教をするな」である。格が違うんだから、と。もっと言えば、絶対に、そういった中心選手にボイコットをされるような、

  • 暴挙

を行うな、と。田嶋の監督観は、こんなもので、そもそも監督なんていらない。しょせん、試合はエンターテイメントで、その余興を監督は邪魔してはならない。選手は、そのポジションの

  • 世界的なプロ

なんだから、彼らに任せれば、自分の役割の範囲で、「十全に」「正しく」やってくれる。
おそらく、田嶋は、この条件を、よくよく森保さんに分からせた上で、契約しているはずなわけで、つまりは、今の監督は田嶋だった、ということになるなw
(おもしろいよね。あれだけ、W杯で、ベルギーに「監督」というポジションの重要性を見せつけられながら、なに一つとして、日本が反省していない。ようするに、今だに、「戦術」がどういうものか、日本に根づいたことがない、ってことなんでしょうねw みんな、監督なんていらないって、心の底から信じていて、こうやって、アジア杯で「同じ間違い」を繰り返しているのに、誰一人反省していないってw)