韓国に問題はないのか?

ネットを見ていると、今まで、一つとして韓国に問題はなかった。

  • 全部

安倍政権の「ネトウヨ」マインドが悪いんだ、といった意見が散見される。もちろんそれは、左翼の立場とか、

  • アメリカのトランプに代表される共和党的な人種差別的な政策に反対するという意味での)リベラル

な立場からそう言っているとか、まあ、いろいろあるのだろうが、いずれにしろ、今回の videonews.com では、韓国側にも考えるべきところはあったのではないか、といった視点で整理されている。
まず、日本の韓国への貿易規制については、最初日本政府が発表したとき、これは

  • 徴用工問題

で信頼関係が失われたから行ったと、アナウンスしていた。しかし、注意してヴォッチすると、その最初のアナウンス以降は、一回もこのレトリックを使っていない。そこで分かってくるのが、これが

  • 選挙前

の主張だった、というところにある。ようするに、選挙対策として、日本が韓国に「毅然」と対応している、という「パフォーマンス」として行っていたんじゃないのか、といった仮説がたてられる。

春名:そうだと思いますね。国内向けに言っていると。それであの、どうも私も信じられないんですが、韓国側の強い反応を見て驚いたと、政府内は。そういう情報があるんですけど、それはないだろうと。韓国が怒るのは当然分かるわけですけど、それはなぜかというと、今回も、今朝の新聞にでているわけですけれど、レジストをこの一ヶ月で輸出を許可していたと。したがってですね、3ヶ月と言ってるんですが、どうも経済産業省のOBによると、一ヶ月ぐらいででるんだ、と。したがって、だすのは全然たいした問題じゃないと。形だけだと。したがって、韓国はそんなに文句は言わないじゃないかと思った可能性があるんですよ。どうもそう考えると、符号が合うといいますか。
神保:もしかしてそれは事前説明をしていたのかもしれないけれど、逆に韓国は驚いて過剰反応してみせる理由が韓国側にはもしかしたら、あったのかもしれない。
(中略)
神保:逆にこれは韓国に使われちゃったみたいな話になる可能性があるって話ですか。
春名:可能性はあると思います。また逆に韓国は、(WTOに)提訴していないわけですよ。実質的な被害はなかった、っていう可能性はあるんですよ。
VIDEO NEWS 日韓のいがみ合いで崩れる東アジアのパワーバランス

言うまでもなく、来年には韓国でも選挙がある。そう考えると、実際に両国政府は、この問題で、相手国政府を「敵」認定をすることで、すでに、圧倒的な支持率の上昇が実現できている。まさに

  • ウィンウィンの関係

になっているわけで、私たち市民は、もう少し冷静に考えなければならない、ということになるだろう。
また、この貿易問題という禁断の手段に手を染めたということでは、日本の今回の行為は、歴史的な汚点として考えられるのではないか、という主張には、そもそも

  • 韓国がそれを先にやってきた

といった認識が日本側にはある、という。

神保:一方で、徴用工にしても従軍慰安婦にしても、過去の問題だったんだけど、むこうの最高裁にあたるところの判決なんで仕方のないところなのかもしれないけれど、今、賠償を払えということがでて、資産の差押えをするようになって、それは歴史上の問題ではあったんだけれど、今の経済活動に対して、発令しているようなところがありますよね。なので、場合によっては、経済問題とからめてきたのは向こうじゃないかというような主張も成り立つのかと思うんですけど。そこはどうですか。
春名:そこがやはり日本国内において、ムンジェイン政権に対する非常に強い非難だと思いますね。やはり、そこまでムンジェイン政権がいたったというのは、日本人にはなかなか理解できないというところが、どうしてもあると思います。
VIDEO NEWS 日韓のいがみ合いで崩れる東アジアのパワーバランス

つまり、日韓の対立を

  • 経済問題

にまで侵犯してきたという意味においては、なぜ韓国はこんなにも簡単にこの

  • 一線

を越えてしまったのかにおいて、日本側には不信感がある、というわけである。
(もちろん、こういった問題提起は、分かった上で行っている側面がある。というのは、日本の日韓の戦後賠償問題は、90年代の村山談話河野談話において、一定の評価をされてきた文脈がある。その一線を破ってきたのは、むしろ、安倍政権なわけだ。さかんに安倍政権は、河野談話の「破棄」に言及してきたわけで、一貫して、韓国を

  • 挑発

してきた歴史があることを無視しては語れないわけである。)
この問題を、もう少し具体的に説明したのが以下になるわけで、ようするに、三権分立を考えるなら、韓国の裁判所がどんな判決をだそうが、

  • それ自体

が日韓の外交に問題となることはない。今回、それが日本側から見て問題となったのは

  • その判決を受けての、韓国政府の対応

だったことが以下んで説明される。

神保:結局、これを払わなかった場合に、韓国の行政府はどうしたらいいのか。
宮台:そっから先は問題だと、僕は法的に思う。
神保:つまりここで、行政府、司法当局が差し押さえちゃったと。判決を履行できなかったということで。
宮台:ここから司法と行政の連携が始まったんですね。
神保:だから、韓国政府もこれを認めちゃったということになる。
宮台:まあ、認めたとしてもですよ。判決の意味はよく分かる、と。しかし、外交上さしさわりのあるような、波及には及ぼさないよ、っていうふうに見識を保つことはできたと思う。
VIDEO NEWS 日韓のいがみ合いで崩れる東アジアのパワーバランス

私たちは、今回の韓国の裁判所の判決に

  • 違和感

を感じるわけであるが、いずれにしろ、三権分立があるということはそういうことで、裁判所がどうであれ、韓国の政府がどのように振る舞うかは、ニュートラルだというところこそポイントだ、ということなのだろう。
しかし、韓国の裁判所の判決によって、韓国政府が

  • しょうがない

と言ったら、それこそ「三権分立」を彼らは否定していることになるわけで、それを理由に、外交の約束を「破っていい」というレトリックは、大きな禍根を残す可能性がある。
もちろん、韓国の本当に言いたいことが、日韓併合

  • 違法

なのだから、日本の植民地支配は「違法」だ、ということを日本だけでなく、世界中に認めてもらいたいのであろう。そして、それが成立するなら、日韓請求権協定における「already null and void」も、

  • 当時の韓国のクーデター政権

戒厳令をしいてまでして、反対運動を弾圧して行った協定なんであって、本心は

  • こんな悪に政権をのっとられていた時期の約束なんだから、日本が善なら、これの破棄を飲んでくれないのはおかしい

というのが、正直な主張なのだろう。しかし、だからといって、その時に、それなりのお金をもらっていることは確かで、まあ、いずれにしろ、今の日本政府の

がある限り、日本への態度が友好的に変わることは「ありえない」というところにポイントがあるわけだから、対して

  • それ

を売り物にして、国内的な支持を獲得してきた安倍政権が、終始「対立」を演じ続けるのは、

として、双方にとって「合理的」っていう

が成立してしまっている、という「悪夢」が当分続くっていうことなのだろう...。