Roselia「陽だまりロードナイト」

下記でリンクを貼っておいた、Roselia のライブブルーレイは、Roselia入門として、今井リサ役としての、遠藤ゆりかや、白金燐子役の、明坂聡美の勇姿がおがめるという意味では、Roselia

  • 歴史

そのものを振り返るということでは、にわかファンにはちょうどいい作品なのだろう。
もちろんここで、Roselia というバンドについて語ることは、バンドリというスマホゲームについて語ることと決して区別できない行為であるわけだが、そしてそれは、ラブライブについても同じことなのだろうが、多くの共通した側面として、多くのファンにとって、もっと素朴に彼女たち声優であり、アイドルであり、バンドメンバーである、その実際の

  • 彼女たち

を「応援」している、といった行為なしではありえないような、そういった実存があったはずなのである。つまり、最初からこれは「アイドル」を応援する一連の行為なのであって、決してそれ以上でもそれ以下でもない、素朴かつ実直な実践なのだ、ということが原点にあったわけだ。
さて。私がここで語りたいのは、言うまでもなく、初代・今井リサ役の遠藤ゆりかのことなのだが、それは、ちょうど、一枚目と二枚目のディスクに相当する、ファースト単独ライブと彼女の引退ライブに相当して関係する。そして、ちょうどこの引退ライブは、バンドメンバーたちの涙にいろどられた、感動的な仕上がりになっている。
しかし、思い返せば、遠藤ゆりかは今井リサ役として、どこか自分のバンド活動が長くはないかもしれない、ということをにおわす、MCを毎回行っていた。そして、何よりも印象的だったのは、彼女がベースをひいているときはいつも

  • 笑顔

だったことだ。ここには、漫画『四月は君の嘘』のヒロイン、宮園かをり(みやぞのかおり)を思い出させるところがある。彼女は2018年に芸能界を引退するわけであるが、その原因は、体調面にあったとされている。というか、それまでの経歴を見れば、ベテランの声優で、多くのアニメ作品に出演している。
そして、ライブにおいても何度も言及されていたのが、掲題の作品である「陽だまりロードナイト」だ。この作品は、そのライブ内のMCでは、遠藤ゆりかが練習に来れなかったときに、他のメンバーが彼女のために作ってくれた作品で、とても気に入っているのだ、と何度も言及されているわけだが、あまり事情は知らないが、憶測で書かせてもらえれば、そこには、上記の引退の原因となった体調の問題が関係していたのかな、とは思うわけである。

運命を繋ぐ 赤き道しるべ
唯々前を見つめて 目指すわ
Roselia「陽だまりロードナイト」)

この「赤」とは、黒が基調に統一された Roselia というバンドにあって、ベースの色を含めて、トレードカラーとしていた、初代・今井リサ役の遠藤ゆりかの姿を強烈に印象づけてくれる。バンドのメンバーが彼女の積極的に前に出て、ひっぱってくれる姿にずっと頼ってきてきたことを理解させてくれる。

励ます魔法のように 囁いたの
「あなたがいれば、怖くないよ」
Roselia「陽だまりロードナイト」)

考えてみれば、Roselia のほとんどの曲であり、それは、ポピパもそうなのかもしれないが、ほとんどが

  • バンドの仲間

への信頼であり、友情を書いた曲だ、ということなんだと思うわけである。むしろ、それは私たちに生きるとはどういうことなのかを思い出させてくれる。倫理の全ては、自分の生きる回りの人との、そういった諸関係なのだ。
あまり詳細を書きたいとは思わないが、私も去年、大病にかかって、その時、大きな病院のロビーで待ち合わせていると、いろいろと回りから聞こえてくるわけである。「さっき医者に、自分の寿命が8ヶ月だって言われた」とか。まあ、大きい病院というのは、そういう、さまざまな事情の人が来ているところなわけで、私はそういう意味で、あまり人間の尊厳を毀損するようなことを言うことに、大きな畏れを感じるわけである。だれだって、今を真剣に生きている。だとするなら、それはそれとして

ものなんじゃないだろうか。決してそれを軽んじることはできない(私はそれを、今は亡きSF作家の伊藤計劃などにも感じるわけである)。
もちろん、Roselia というバンドは今もあり、そして最初からずっと、人気のバンドなわけだけれど、私たちは彼女のその、初代・今井リサ役の遠藤ゆりかの、あの

  • 笑顔

が、いつまでも忘れられないのだ...。