現在の東京の医療崩壊と呼ばれている現象は、違和感がある。というのは、それが
における医療とはなんなのか、に答えるものになっていない、という印象があるからだ。
島田さくら:先日、菅総理とか小池さんが、重症者以外は自宅療養で、ていう方針見直しをしていて、それが一番気になる、これでコロナになったらどうしよう、私もまだワクチンができてないので、不安が大きいんですけど、この方針については上先生はどう思われますか?
上昌広:まあ、ありえませんよね。その、重症者かどうかなんていうのは、ケースバイケースで、普通はお医者さんと患者さんが相談して決めることで、国の仕事はベットを用意することが国の仕事で、診断基準を決めるじゃないですよね。理由は保健所がパンクするからなんです。日本のコロナ対策で特殊なのは、医療じゃないんです。感染疑いのある人ならば、強制的に検査をして、感染したら強制的に病院に入院させるんですよ。これ、戦前は警察がやっていたんです。衛生警察業務というんです。人権侵害をするので、感染症法でガチガチに規制しているんです。検査の基準。これ、保健所と感染研でやる、と。どの病院に何日入院するも決まってるんです。だから、逆に医療だと患者さんとお医者さんでいいと思えば変えれるので、融通無碍に動くんです。病院も、まあ、院長がよければいいんです。だから、世界でどんどん臨床研究が進んだんですが、日本は感染研が、あるいは 保健所が、耐えれなくなったんです。感染者として、コレラとか、ああいうレベルを考えてやっていたんですけど、パンデミックになりましてね。PCR検査もできなかったので、やらないでいいって言ったんですよ。今回も、重症者しか見ないということは、逆に保健所の入院調整機能が必要なくなります。ホテル療養もいらないって言いましたよね。あれも、保健所の仕事なんです。だから、全部自宅にいればいい、と。保健所を守るためだったんで、患者を守るようりも、保健所を守る方向へ国は舵を切ったんですよ。
https://www.youtube.com/watch?v=ipOdPdnUrZw&t=2089s
国が「自宅療養」と言っているということは、いわゆる
- 在宅医療
を中心とした、「かかりつけ医療」に、日本の医療が舵を切った、ということじゃないわけです。たんに、
- 保健所がピンチだから、国民を「捨て」て、保健所を守る
と言っているだけなんですね。これ、一連の日本の、新型コロナ行政で行われている政策に、一貫して行われてきたことの延長なんですね。なんで、日本がPCR検査をしないのかも、保健所システムを崩壊させないため。全部
- 保健所のため
に、一切の日本の新型コロナ政策は決定しているわけ。そこに、それによって国民に、どれだけの被害が及ぶか、なんていう視点は一切ないの。国は、国民がどうなろうが、知ったことじゃない。彼らがずっと考えているのは、
- 保健所
のことだけ。逆に言えば、「保健所さえなんとかなって」いれば、あとは、どうでもいいわけだ。
まあ、考えてみよう。確かに、東京都の患者は毎日毎日、増えている。この状態が、ずっと続くことが、深刻な問題であることは確かだ。しかし、ここで冷静になって考えてみよう。
本当に何が問題なのか、を。
児玉龍彦:ところが最近、ここに抗体カクテル薬という、ウイルス自体を減らせるという、そういう治療薬が出てきました。それで、抗体カクテル薬が出てくることによって、治療の考え方が大きく変えないといけない。この病気の治療が、非常に難しいのはですね、免疫力が弱いと、ウイルスが増殖して重症化します。ウイルス量が多いと悪いですよ、と。これが抗体カクテル薬ということで、これは、高齢者とか、がんをもっている人、基礎疾患のある人、免疫抑制薬を使用中の人で、大量のウイルスを吸い込んだ人で若いも重症化しやすいと知られています。そういうことが大事。ところが一方で、免疫が働きすぎると、サイトカインストームで、重症化するから、免疫抑制薬が非常に大事。肺炎になりつつある人はステロイドの早期投与が非常に効いて、東京都なんかで死亡率が減っているのは、これもすごく大きい。ですから、ワクチンで減っているというのと、治療法が分かってきた。だけど、治療法というのは、免疫が弱い人に薬をやる、免疫が働きすぎてしまう人に薬をやるということで、正確な診断がいります。
https://www.youtube.com/watch?v=V2TJYJTtdTI
まあ、そういうことだよね。よく重症者が減っているというけど、その原因として、ワクチンが言われている。でも、携帯用の人工呼吸器が普及していることで、わざわざ、ECMOを使わなくなった人が増えている、ということも関係していると思うんですね。
結局、どうやって重症化を防ぐか、に集約されるんだけど、そこで、
- どういう人が、「重症化しやすい」のか?
が、今の治療の焦点になっているんですね。そこで、重要なのが、
- PCR検査
- 血液検査
- CT検査
というわけです。これによって、
- その人は、「どっち」なのか?
を調べる、というわけです。
- 免疫が弱い(ウイルスが多すぎる)
- 免疫が強すぎる(ウイルスは少ないのに)
この二つのどちらなのかを、しっかり調べることで、症状が悪化する前に、どういった治療を「どっちの方向」に先どりをすればいいかが決定する。
つまり、この方向を決定するために、この「検査」が決定的に重要だ、というわけです。
では、ここまでの議論をまとめてみましょう。最初、東京の「在宅療養」の戦略の問題を考えました。しかし、そもそもこれは、
- 国家による保健所「保護」政策
でしかなく、こと、私たちにとっては、まったく関係ない、国家の愚策でしかありません。そもそも、なぜ保健所を保護しなければならないのかに、まったく、なんの正当性もないわけでw、頼むから、さっさと保健所を廃止してください、という感想しかないw
大事なことは、
- ちゃんと、上記の「診断」ができるか?
が重要だ、ということです。ここで、ちゃんと診断をされて、大丈夫と判断されるなら、在宅という選択もありうるだろう、というだけの話なわけです。
そう言うと、この在宅は
- 家族のいる人には、家庭内感染が怖い
- 家族のいない人には、孤独死が怖い
というわけだけど、そういうことなら、大事なのは「野戦病院型」の療養施設が整備されればいい、ということを意味しているに過ぎない。つまり、それは
- 中軽症
の人たち用の施設ということで、そこに
- 必ずしも重症患者用ではない医者
が、容態を常に監視できる環境を用意できればいい、という話に過ぎない。
では、なぜ国家がこういう設備を作らないかといいうと、まさに上記にある
- 保健所
を守るため以外の理由はない。つまり、それは「保健所の仕事」だから、保健所の仕事を民間に移行することに、必死に防ぐことしか、一貫して厚労省の医系技官は考えてないわけですw
では、今度は「重症者」はどうするか、だけど、それこそ
- 大学病院を中心とした、国立の病院
が、百人単位で受け入れることを強制すればいい、ということになる。というのは、そもそも、重症者ともなると、そういった施設が装備されている病院じゃないと、まともに診れないから、ということになる。
つまり、だ。
上記で重要なのは「数」じゃないわけです。そうじゃなく、
- ちゃんとした「診断」
と、
- ちゃんとした「治療」
なんですね。新型コロナが重症化する前に、
- 適切な治療
を、少しでも早く行えるか、が大事なのであって、これによって、必ずしも、医療崩壊とはならない、「野戦病院」的な、パンデミックの医療でありながら、
- 必ずしも「悲劇」じゃない
医療戦略がありうる、と考えられるわけです...。