新型コロナの出口戦略

ところで、上昌広先生が、8月10日は

  • 去年の夏の感染者のピークの日

だと言っていた。つまり、もしも、いわゆる

  • 季節性

と呼ばれているような、新型コロナに、なんらかの「季節」に従うような周期的なルールがあるなら、ちょうど今くらいから、今年の感染のピークも鈍化して、収束に向かう、ということになるわけだが、確かに、感染拡大の速度は鈍化はしているようだ。
この「季節性」というファクターは、結局のところ、はっきりとした原因というものは言えないのだが、同じようなことは

  • 通常の風邪

についても言えるわけで、そう考えるなら、これを「新型コロナも風邪の一種」と呼ぶことは、やぶさかではない。ただ、少なくとも、その被害の大きさを比べて、そう呼んでいた安全厨と同じ意味で言っているわけではないが。
ちなみに、以下のニコニコ動画での配信では、西村大臣が、

  • プレハブ

の療養施設の増設の進捗について解説している。

西村大臣、尾身分科会長に聞く 新型コロナ・デルタ株の感染拡大を克服できるのか - 2021/08/10(火) 20:00開始 - ニコニコ生放送

まあ、施設について画像で紹介もしているのだが、どう考えても、こいつを先食いで、今のうちから

  • どんどん

作りまくればいいんじゃないのか、と思うのだが、なぜ、先手先手でやんないんですかね。
結局、今のボトルネックは、自宅療養という名の「自宅棄民」なわけでしょ。だったら、療養施設として、ホテルを借りるか、そういった療養施設を作るしかないわけで、ホテルについては、必ず、どこかで上限になるんだから、だったら、療養施設を「プレハブ」で、どんどん作ってしまえ、というのは合理的だ。
つまり、必ず感染の疑いのある人は、病院に行き、「検査」と「診察」を行い、今のその人の症状に見当った

  • 軽症のうちなら間に合う、先手先手の「治療(薬)」

を処方してもらうことを行う、これに尽きるわけでしょ。これを、必ず「全員」に行う。そうすれば、あとは、その状況に合わせて、在宅という選択もありうる(自宅で、治療薬を処方して様子を見る、という方針は、「治療薬」によって、症状の進行の度合いを抑制できる(できているかの、経過観察を行える)、という条件が成立して、始めて可能となる。)
あと、上記の動画の後半は尾身さんへのインタビューだったわけだけれど、その最後で述べたことですね。

  • 集団免疫は幻想

なんだけど、始めて政府筋から、この話がされたんじゃないだろうか。
つまり、さ。今回のワクチンは、そもそも、集団免疫を目指してのものじゃない、ということなんだよね。
これさ。なんで、このことが重要かというと、新型コロナの安全厨たちが言ってきたことって、

  • 集団免疫さえ達成できれば、「日常に戻れる」

だったわけでしょ。それで、奴らは、

って、やってきたんだよね。それで、このブログでも、さんざん批判してきたけど、videonews.com の神保と宮台は、そのために、さんざん番組内で特集してきたわけだ。集団免疫を目指すことを。どうやって、集団免疫を達成するかで、一つの方法がワクチンで、もう一つが自然感染で(つまり、大量の死者を出すことによって)。まあ、この経緯は、スウェーデンのテグネルがやってきたことを知っている人は分かっていると思うけど、このスウェーデンを「礼賛」し続けてきた連中のことだよね。
しかし、尾身さん自身が言っているように、「集団免疫は幻想」ってわけ。じゃあ、あれだけ集団免疫と言い続けた連中って、なんだったの? 素人のバカ騒ぎ?
これさ。なんで、尾身さんが集団免疫は幻想だと言っているのかは、米CDCイスラエルが今の、mRNAワクチンがデルタ型に対して、重症化を防ぐ能力の高さを主張する反面において、感染を防ぐ効果は低い、と発表したことに対応しているわけね。
じゃあ、なんでそうなるの、ということになるわけだけど、京大の宮沢先生も言っているように、そもそも「普通の風邪」がそうなんだよね。今だかつて、ワクチンに成功していない。それは、しょせん、普通の風邪が軽症だから、高価なワクチン開発をしても需要がないとか、副反応の可能性と比べて割に合わないとか、いろいろ言われていたんだけど、そもそも

  • 普通の風邪のワクチンを作るのが「難しい」

という、あまりにも、身も蓋もない事実があったわけだ。
それで、ここで少し、mRNAワクチンの「リスク」というものについて、私なりに、YOUTUBEの動画でまとめてみたい。
というのは、ワクチンの「リスク」の話って、デリケートで、あまり議論されないんですね。つまり、テレビとかで、あまりやらないわけ。
まず、以下は前回も紹介した、児玉龍彦先生の話で、ここでもADEの話がでている。

感染爆発!大事なのは診断と治療【児玉龍彦×金子勝 新型コロナと闘う】20210807 - YouTube

また、イギリスでの議論として、若い人へのワクチン接種を行うべきかどうかの議論がある、ということを紹介している。
つぎは、私のブログではおなじみの、京大の宮沢先生であるが、この人の今までの経歴を考えると、獣医の側のワクチン開発を主な研究経歴にしている人なわけで、(コロナを専門に研究してこなかったとは言っても)こちら方面の知識は当然、一定の水準にはあるわけ。

【宮沢孝幸】ワクチン接種後のシナリオ大議論!ギリギリまで踏み込みます ※開始時間は押す可能性が高いです【教えて! にゃんこ先生 第18回】 - YouTube
【宮沢孝幸】ワクチン接種後のシナリオ大議論!part2 ※開始時間は押す可能性があります【教えて! にゃんこ先生 第19回】 - YouTube

この二つの動画でも、ADEの話が中心だ、と言っていいと思う。京大の宮沢先生の立場としては、今使われている、mRNAワクチンは、最先端の技術だけに、中長期的な「リスク」がどうしてもぬぐえていない、というところにある。なので、その問題を研究する、という立場で発言しているわけで、けっこうマニアックな議論を行っている。
結局、mRNAワクチンは本来なら、一瞬で体内から排除されるはずの、mRNAを、なんらかの細工をすることで、なかなか体内から排除されないようにすることで、その効能を発揮するようにしたわけだけど、これ。それまで、一度も実用化されなかったアイデアなわけね。つまり、本来なら、この緊急事態じゃなかったら、こんなに早く商品化されないわけ。もう、気が遠くなるほどの時間をかけて審査をされたはずのものだったわけ。まあ、そう考えると、この観点からの

  • 研究

というのは、一つの研究課題として、アカデミズムにおいて注目される、というのはあるわけだろう。
最後に、以下の動画では、本当にワクチンを若い人に打つべきなのか、の議論を行っている。

西村大臣、尾身分科会長に聞く 新型コロナ・デルタ株の感染拡大を克服できるのか - 2021/08/10(火) 20:00開始 - ニコニコ生放送

なぜ若い人が問題になっているかというと、二つの側面がある。一つは、

  • ADEの中長期的なリスクが不明

である。つまり、ADEの問題は、長い時間が経ってから、多くの人に現れる可能性がある(つまり、別のウイルスで例がある)。
もう一つが、

  • ADEの短期的なリスク

がある。こちらについては、今のところ、今回のmRNAワクチンでは、ほとんど現れていない、ということが知られている。しかし、上記の最後の動画にもあるように、明かに、ワクチン接種と因果関係があるとしか思えない人数の死者がいるわけで、サイトカインストームを起こしているとしか思えない。ただ言えるのは、

  • とりあえず、その人数が、今のところ少ない

ということ。つまり、「この程度の死者がでることは、そのメリットに比べたら、しょうがない」と専門家は考えている、といった話になる(もちろん、このままにしておいていいとまで考えているかは疑問だが、欧米での死者の山と比べれば、功利主義的にはそう思う、という話)。
しかし、そもそも、特に日本においては、若い人には、この新型コロナに感染しての死者はほぼいないし、重症になるケースもまれだ、と言っていいと思う。そうだとすると、ADEの短期的なリスクは、おそらくは、一定数はあるだろうと見積られている中で、そうまでして若い人にワクチンを打つメリットはあるのか、が問われているわけだ。
では、ここからは少し、今後の話をしてみたい。
今、日本で感染拡大をしているが、問題は50歳台から40歳台のワクチン接種だ、と言われている。というのは、高齢者の今の死亡率を考えると、この世代のワクチン接種が達成されると、ほぼほぼ、

  • この問題が解決する

とも考えられるからだ。そして、そういった延長で、ワクチンパスポートの話がでてきている。これは、今の行動規制をワクチンパスポートを所持している人には、緩めていこうというアイデアで、それによって、居酒屋などの規制を、一定程度解除して、経済に梃入れしていく、という考えだ。
確かに、ブレイクスルー感染の話も出てきており、次の変異へのリスクはあるし、中長期的には、「いたちごっこ」のような形になることが考えられるわけだが、こういったワクチンの効果は、そういった変異に対して、まったくキャンセルされるわけじゃない。一定程度の効果はある。
つまり、中長期的には、もう何回かの波があるかもしれないが、こう眺めてくると、ある程度の「出口戦略」が見えてきている、と考えることができる。
とにかく、日本で言えば、40歳台〜50歳台のワクチン接種が、いつに、どこまで普及するか、だが、おそらく、これで、かなりのブレークスーがあると考えられるだろう。
だが、それは「いつ」なのだろう?
そして、もう一つの懸念が、たとえその時を迎えられたとしても、安全厨たちが夢みていた、「日常を取り戻す」、つまり、集団免疫は「幻想」だ、という事実に直面したとき、そういった安全厨たちが精神崩壊をおこさないか、ということだろう。上記のブレークスルーになっても、相変わらず、マスク生活は続くだろう。ソーシャル・ディスタンスは続くし、徹底した換気は避けられない。この事実が、彼らにどういった影響を与えるか...。

追記:
私が昔からうさんくさく思っている点として、いわゆる文系SFマニアの、

  • ワクチン絶対<信仰>

がある。この連中は、しょせん、文系なので、最初から、化学や生物学の「メカニズム」の話に興味がないし、そういった文章は読み飛ばす。彼らが興味があるのは、

  • ワクチンが「救世主」で、それに反対する「悪魔」が人間の中にいるから、奴らを政治的に抹殺することが、「人類救済」のメンバーに加わることだ

と固く信じていることだ。よって、舌先三寸で、どうレトリックで、こういった連中をやりこめるか(レトリックだけは、文系なんで誰にも負けないと思っているのでw)、ということに、全身全霊を注ぎ込む。
そして、こういったレトリックを正当化する裏側の意図として、「功利主義」がある。つまり、人身御供だ。ワクチンが原因で、死ぬ人は一定数いる。しかし、その人数は、ワクチンが普及しないことで死ぬ人の数に比べたら、微々たるものだ。
だったら、そんな奴ら殺してしまえ! どうせ、自分はその「確率」の中に入らないんだから、と。
つまり、一種の「殺人」を行うことの喜悦を語っているわけである。人を殺すことは「楽しい」と言っているのと変わらない。しかし、他方において

  • みんなのため

とのたまい、「正義の味方」を自称する。
この点において、おそらく日本においても、「若い人へのワクチン接種の是非」を巡っての議論が活発になっていくんじゃないだろうか...。