ニヒリズムの時代

今回の新型コロナで、安全厨がもちだすロジックの一番分かりやすいのが、

  • 子どもが「かわいそう」

だ。
しかし、ね。
こういう言葉を聞くと、私たち、というか、まあ、第二次ベビーブーマー世代以降は、鼻白むわけだ。というのは、

つまり、

  • ロスジェネ世代

にとって、さんざん、新自由主義政策にさらされ、なんでも

  • 自己責任

を言われ、国家は国民を助けてくれない。自分でなんとかしろと言われ、ここまで来た世代にとってみれば、「なにを言っているんだ」という気持ちだろう。
彼らが言っている意味は、

  • <今>の子どもが「かわいそう」

であって、それまで子どもだったのに社会から見捨てられてきた世代に対しては、「どうでもいい」と言っているようにしか聞こえないわけだ。
修学旅行に行けなくて「かわいそう」。いや。大学に入れて、大手企業に就職できるなら、「俺らよりはまし」なんじゃね?
受験期間に、濃厚接触者になれなくて、親と離れて食事をしなくちゃならない。いや。たかだか、何ヶ月でしょ。もうすぐ、親元を離れて自立すんのに、その程度でごちゃごちゃ言うなや。
うん。安全厨の言うことは、もっともだ。しかし、それは、あまりにも「正し」すぎるがゆえに、私たち、ロスジェネ世代をアンビバレントな気持ちにさせる。

  • ゼロ年代とか言って、お前ら、今までさんざん、バブル崩壊以降、反福祉・自然主義で、「サバイバル化した社会」を主張していたじゃん。なんで今ごろ、「子どもがかわいそう」とか言ってんの? さんざん、今まで、「勝手に失業してろ」と見捨ててきたくせに。

って、わけだw ようするに、「事情が変わった」と言いたいのだろう。第二次ベビーブーマー世代は、子どもの数が多くて、パイが少なかったので、「勝手にのたれ死ね」とするしかなかった。
ところが、少子化になると、つまりは、子どもとは「上級国民」の子ども、という様相を示すことになる。つまり、第二次ベビーブーマー世代の「勝ち組」の子どもといった形になり、

  • いや。「俺の子ども」は例外だろ!

と怒っているわけだw まあ、そういう意味では、首尾一貫してはいるw もともと、彼らゼロ年代主義者にとっての「反福祉」とは

  • 貧乏人への福祉に反対

という意味であって、つまりは、富裕層は「特別視しろ」と言いたかったわけだろう。もっと言えば、

  • 大金を払う人を「特別視しろ」

と彼らは言っていた。その延長で、

  • 大金を払う親の子どもを「特別視しろ」

と言っているわけだw まあ、彼ら「勝ち組」にしてみれば、ロスジェネ世代も関係なく、いい思いをできたわけで、自分たちが「社会にとっての特別な存在」「貴族階級」であるというのは、もはや自明なのだろう。
しかし、ね。
上記のロスジェネ世代にしても、「今の子どもがかわいそう」という気持ちを理解しないわけじゃないわけだ。そうじゃなく、彼らが戸惑っているのは、「そう社会が思うのが普通だよな」というわけで、「だったらなんて、俺らは見捨てられたんだw」という

に本質があるわけだろう...。