ラブライブスーパースターが人を不快にさせる理由

次の日曜で2期の最終回となるアニメ「ラブライブスパースター」は、実は、1期の頃から、かなり批判があった。そして、そういった批判については、なんらかの形で、例えば、2期以降で補足があり、名誉回復的に描かれていくんじゃないか、という期待があったこともあり、そこまで、私までが、改まって、批判的なことは言ってこなかった。
しかし、ことここに至って、もしかしたら、あと一回で、このシリーズが終了になるかもしれないという事態になっても、

  • あい変わらず

な状況を考えると、いったん、そういった批判に耳を傾けておくことには意味があるんじゃないか、と考えるわけである。
こういった「批判」をまとめたものとして、以下が知られている。

dic.pixiv.net

1期の最大の問題は、葉月恋の父親だろう。恋の死んだ母親が作った結ヶ丘という学校が廃校の危機であり、恋の家も、お手伝いを解雇せざるをえない状況にまで追い込まれていたのにも関わらず、恋の父親は、まったく手助けをしなかった。ところが、ラブライブの関東大会でリエラが準優勝して、来年の入学希望者が増えたタイミングで、なぜか、恋の父親は、学校に「寄付」したいと伝える。
恋の父親が海外に単身赴任であることは、どこかで説明があったように思うが、いずれにしろ、1期がこれで終わったことについては、2期があることは知られていたから、そこで、なんらかの事情の説明があるのだろうと思っていた。
ところが、2期が始まると、恋の「経済問題」は解決しているどころか、恋がゲーム廃人になると、次々と彼がレトロゲームを恋にプレゼントするようになり

  • 並の金持ちじゃない

ことまでが分かってくるw いや。そんなにお金が余ってんだったら、最初から援助しろよ。 2期で、なんらかの「事情」が明らかになるのかと思っていたら、もう、この話は終わった話なんだと扱われて、まったく逆の「お金があり余っていて」、「悪ふざけ」まで始めるっていう演出は、視聴者を、あまりにナメすぎだろ。
では、2期の前半の問題はなんだろう? おそらく、最大のものはオニナッツだろう。彼女の「契約書」がひどすぎた。こんな内容の契約をしてはならないのは明らかなのに、かのんはまったく問題意識がnない。かのんが天然だからというなら、部長の千砂都がまったく問題意識がないのは、終わってるだろ(すみれが唯一、「正常な」問題意識をもっていたのは救われたけど、この件で、私の中で、かなり、すみれへの好感度が上がった)。
あのさ。千砂都は部長なんだろ。部長の役割っていうのは、そういった「マネージメント」なわけでしょ。こういったトラブル対策こそが部長の役割で、全然、部長がやるべきじゃないことに口出してばっかりで、肝心のこういうときに、まったく、役に立たないっていうのは、脚本として、なにかがおかしい、と言わざるをえないんじゃないだろうか。
そして、最新話の11話に移るわけだが、(もちろん、今回の話の評価は来週を見た後でしか、判断できないだろうが)やはり、一言言っておきたいのが、千砂都への違和感だ。
最後の、かのんが「留学すべき」の一言は、どう考えてもおかしい。
まず、人の人生を決めるのは、その人である、という、最低限の大前提が踏まえられていない。一体、この言葉をどの立場で話しているのかが怪しい。
どうも、千砂都が部長になってから、なにかが、おかしくなっているように思えてならない。
まず、一年生と二年生で実力差がある問題が、なぜか、反復される。一年がまだスキルがないことについては、一年だけで、夏休みに合宿をやって、文化祭でのコンサートは「成功」した、といった終わり方をしている。ところが、なぜか、その後の関東大会直前で、千砂都が「一年組のパフォーマンス」の品質が、マルガレーテちゃんに勝つには、ボトルネックかも、と

  • また、この問題を「蒸し返して」きやがる

わけ。あのさー。その話は、ずっとあったわけでしょ。なんで、「また」この話を出してきたの? 逆に言えば、なぜこの問題を、それまでの間に考え、方針を決めてなかったの?
おかしいでしょ?
つまり、なんかがおかしいわけ。どうも、千砂都が部長になった頃から、脚本サイドが千砂都を、なんらかの方向に話をもっていくのに、便利屋として使い始めたわけだよね。
今回の11話で、千砂都は、かのんの留学の話が現れてから、ずっと、なにかを考えて、思い詰めているように、他のメンバーとは違った態度として描かれる。そして、マルガレーテちゃんに、飛びかかり、彼女から事情を聞き出すわけだけど、いや、これって部長という「立場」の人がやることじゃないでしょ。
まあ、多くの人がすでに言っていることだけど、このシリーズのメインテーマであり、最終回のタイトルと発表されている「私を叶える物語」っていう、この言葉。不穏すぎません? 私を叶えるって、どういう意味なんだ? リエラの他のメンバーを踏み台に、自分だけは、留学して、高みに、頂きに到達するとか、そんなゴミ屑みたいな話にもっていきたいんですかね? しかも、かのんとマルガレーテちゃんの二人だけが、留学先で「仲良く」、向こうで一緒に暮らしましたって、あのさ。マルガレーテって、急に現れた

  • ぽっと出

だぞ。いや、それを、こういう結末を、

  • 千砂都

が「やるべき」と言っているアニメってなんなんだろうね。いや、これ、ありうるから書くけど、千砂都は

  • 「部長の権限」で、かのんを、結ヶ丘のスクールアイドル部から退部させる

っていう展開だって、ありうるよね。そして、ラブライブ本番は、かのんを除いた8人で演奏する、ってわけ。
これさ。「私を叶える物語」じゃなくて、

  • 千砂都が自分の<願望>を、かのんに「押し付ける」物語

だよね。いや、それ、千砂都さ。たんに、お前の「夢」を、かのんに投影してるだけじゃん。お前が、かのんに、そう「させたい」だけじゃん。
まあ、さ。
なんで、こんな不穏な話になっているかというと、それもこれも、今までの「脚本」が、あまりに評判が悪いからだよね。だから、まったく「信頼」がないんだ。こいつらだったら、そんなことすら、やりかねない、って。それくらいに、今回の作品は、雑で、品がない。とにかく、センスがない。脚本が下手。
どう考えても、あんまり、オリジナル作品の脚本を、たくさんやってきた人の作品とは思えない。もともと、脚本の才能がなかったんだけど、今までのキャリアが「原作ありき」のものしかやってこなかったから、

から、今までは、そこまで目立たなかったから、とか、うがった見方まで出てきているわけだ...。