実際に「存在」した性行為については絶対に言及しない松本人志と伊東選手

それにしても、この二つの「事件」は、一つだけはっきり言えることは、

  • 松本人志と伊東選手の二人の「加害」を訴えられている側の「態度」が似ている

ということだろう。
つまり、

  • スポンサー

だ。
松本が今、テレビに出れないのは、テレビの番組のスポンサーが嫌がっているからだ。
伊東が日本代表の招集が疑われているのは、JFCが日本代表のスポンサーへの「忖度」をしているからだ。
つまり、二人が直面している「問題」は、二人による

  • スポンサーへの説得

によって「解決」する。つまり、普通に考えると、

  • 記者会見を行って、(間接的に)スポンサーを説得する

ことができれば、自分たちが今、困っている問題は解決する。
しかし、である。
ここから、二人をとりまく状況が随分と違った様相を示している。
比較的にシンプルなのは松本の方だ。松本は昔から、こういった週刊誌によるスキャンダルは想定していた。実際に、もしも自分が訴えられたときには、どういった行動をとるつもりか、といったことを、彼の昔の著書などで、膨大に語ってきていた、といった状況もある。
まず、松本はそこまで、現状維持にこだわっていない。セミリタイアでもいい。いつまでも、テレビに出たいと思っていない。そもそも、今まで彼が稼いできたお金は莫大なものがある。
松本の場合、興味深い動きをしているのは、いわゆる「アテンド芸人」と雑誌記事で名指しされたタレントを中心として、松本の擁護を意図しているかと思われる、週刊誌の記事内容への「反論」が繰り返されていることだ。
そしてこの反論の言説は大量に発信されているのだが、一つだけ、その発言には「特徴」がある。それは、

  • 絶対に、松本が被害女性と「性行為」が行われた「事実」について言及しない

ということだ。
そしてこのことは、松本側の訴状の内容においてすら、貫かれている。訴状で「精神的苦痛」を受けたと松本側が言っているのは、

  • 週刊誌の記事で、被害を訴えている女性に対して、松本が<無理矢理>に暴力行為を行った

と読み取れる記述部分に対して、だけだ。
ようするに、松本は被害女性と、当日に「セックスをした」ことを否定していないし、「セックスをして気持ちよかった」ことを否定していない。
ん? と思った人もいるんじゃないか。松本側は、あたかも「無理矢理」じゃなかったら、犯罪が成立しない、と言っているかのように思われる訴状の内容になっている。松本側は知らないのだろうか? つまり、今の最新の法律では、

  • 外形的な<無理矢理>がなくとも、不同意わいせつ罪は成立する場合がある

ということを。
もちろん、週刊誌で記事となっている出来事は、この法律が成立する前だから、この新しく出来た法律によって、この出来事が刑事事件化するわけではない。
しかし、である。
考えてもみてほしい。これは民事だ。民事でのトラブルを仲裁する場合に、新しく出来た法律の「理念」は、当然、これ以降の裁判での理念に通底する価値観として受け取られるだろう。そう考えると、松本側が訴状において、この最新の法律の精神を、まったく考慮していないかのような記載内容のものを提出したということが、この社会問題への

  • 軽視

と受け取られかねない「品質」の悪い主張だ、という印象を受けるわけである。
つまり、どういうことか? 松本は昔から、週刊誌対策を考えてきた。そして、今回、実際に記事にされたタイミングで、その伝家の宝刀を抜いた。しかし、その対策内容は、ある意味で、時代遅れだった。最新の、例えは近年の日本企業の

の常識的な基準を考えても、この最新の、不同意わいせつ罪の内容からしても、松本が昔から温めてきた、週刊誌対策の内容は、時代遅れになっていた。つまり、世の中の方が、松本たちを残して変わってしまっていた、ということになるだろう。
今起きていることは、完全なる悲劇であり「喜劇」だ。松本は自分から、週刊誌を訴えた。しかし、この松本が訴えた裁判の結果がどうなったとしても、松本が実現しなければならない「テレビへの復帰」は、

  • まったく関係ない

のだw 裁判なんてやっている暇があったら、松本はスポンサーを一社ずつ回って、頭を下げた方がずっと効果的だろう。記者会見をやって、正直に、「女遊びは生き甲斐だから止められない」「それでも出演させてくれるスポンサーを募集しています」「もしも被害を訴えている人がいるなら、謝罪をして、一生涯をかけて、補償していきたい」「当日に実際にあったことは、これこれこうこうで、当日のセックスは気持ちよくて、いっぱい射精できて幸せだった」と言えばいい。
ここまで来ると、ようするに、松本自身が「別に、引退したって、どっちだっていい」という気持ちが強いということなのでしょう。つまり、自然とフェードアウトしていく方を、本人自身が望んでいる。裁判は、昔からの週刊誌への「恨み」をはらす目的からの、老後の暇潰しの一つとして考えている程度なのでしょう。もう、60歳を超えているわけだし、いい年齢なんでね。
対して、伊東選手はどうなっているかだけど、以下の記事をまず、整理してみたい。

実は1月30日付で『出版禁止等仮処分命令申立』を行って、伊東選手に関する記事を削除しないままに週刊誌を発売することを止めようとしましたが、伊東選手からの依頼が発売直前で、できる限りのことはしたのですが、時間切れとなってしまい、週刊新潮が発売されてしまいました
gendai.media

もし性加害の事実があって虚偽告訴罪刑事告訴をしたら無茶苦茶、心証が悪いわけですよ。そのリスクを伊東選手に説明しましたが、『絶対にしていない』と。そして客観証拠とも矛盾しているとも考えました。
gendai.media

もし性加害で逮捕された、強制捜査を受けたと言うなら非常に問題ですが、『刑事告訴が受理された』というだけで、それが週刊誌にリークされ、社会的に抹殺されていいのか、という疑問を持っています。そのことは私から日本サッカー協会にも伝えて、日本代表から外さないよう申し入れました
gendai.media

――いま、誰もが注目しているのは、「本当に週刊新潮に報じられた事実があったのかなかったのか」「なかったとしたら、それは性的行為がなかったという意味なのか、それとも同意がなかったという意味なのか」という点です。現時点でお答えできることはありますか?
現在警察の捜査が行われているので詳細は控えますが、週刊新潮が報じているような性加害はありません。現時点では『週刊新潮が報道している時間帯の映像が残っていて、それは記事内容と矛盾している』とだけ答えさせてください。
gendai.media

伊東選手が弁護士に「絶対にしていない」と答えていると言っているわけだが、ここには「何を」が書かれていない。しかし、少し読んでいくと伊東選手は、

  • 性加害(つまり、無理矢理の性行為)は「絶対にしていない」

と答えていることが分かる。そもそも伊東選手の弁護士は、当日に伊東選手ともう一人の男性と、被害を訴えている二人の女性が、同じホテルの部屋で朝まで一緒にいたことを認めている。
つまり、伊東選手も松本と同じで、「セックスをやった」「セックスをやって気持ちよかった」ことは否定していない。やったけど、

  • 自分は「はめられた」

女二人に「騙された」と言っているだけだ。
伊東選手側は週刊誌の出版差止めをやろうとしていた、と言う。しかし、やらなかった。しかも、週刊誌を今も訴えていない。こちらについては、完全に松本側と違っている。しかし、常識的に考えれば、ここについては松本側の方が主張している内容と、やっている行動が一致している印象を受ける。伊東選手側が週刊誌を裁判相手と考えないことは、どこか、週刊誌の内容を認めている印象を受ける。認めているから、出版差し止めをやらなかったんじゃないのか? 対して、伊東選手側は損害賠償を女性に求めている。しかし、女性がこれだけの金額を払えないことは自明だ。つまり、「スラップ訴訟」の意図をうかがわせる。伊東側は、女性に「圧力」をかけることによって、訴訟の「取り下げ」を最初は狙ったのだろう。つまり、この事件そのものを闇に葬ることを。しかし、それが失敗した。そのため、それ以降は、支離滅裂な迷走を続けている。
伊東選手側も松本側と同様に巨額のお金を請求している。しかし、その要求内容は、報道によってスポンサーから解約被害を要求された金額に対応して算出されたものになっていて、つまり実害から計算しているという意味では合理的だ。対して、松本の方は、精神的苦痛だけを理由としたものでありながら、完全に相場と桁違いの要求をしているわけで、完全に失敗している。おそらく、松本は本気で裁判をやる気がない。年寄の道楽として、余生の暇潰しとして、裁判をやろうくらいにしか考えていない。しかし、伊東側はだったら、その金額を新潮に要求しないというのは、非合理なわけで、つまりは、どっちも裁判が「目的」じゃない、ということを意味しているわけだ。
女性側から刑事で訴えられていることは深刻ではあるが、こちらはどっちにしろ警察による捜査の結果を待つしかない。
こうやって見てくると、伊東選手についても、松本側と同様のことが言いたくなるわけである。上記の引用で、伊東選手の弁護士は、なんと、日本サッカー協会に「日本代表から外さないよう申し入れ」をしている、と言っている。しかし、ここでの「外さないでくれ」というのは当然だが、アジア杯のことだ。それ以降の日本代表の選手選考は、改めて行われるのだから、この弁護士の行動は、意図が不明瞭な行動に思われてくる。
伊東選手がアジア杯から外されたのは、スポンサーへの影響を考慮した、日本サッカー協会のスポンサーへの「忖度」だ。であれば、伊東選手側がやるべきは、

  • スポンサーへの説得

ではないのか? つまり、伊東選手も記者会見を開いて、スポンサーを説得すればいいわけだ。しかし、伊東選手も松本と同じようにそれはやらない。
そう考えると、本当に伊東選手は日本代表に再び選ばれたいと思っているのだろうか? これは、松本が芸能界の引退に未練がないと言っていることと、同じように思われるわけである。
伊東選手は今回の件で、女性とセックスして「気持ちよかった」んでしょう。そして、「女遊びは楽しい」と思っているし、これからも止めるつもりはない。もしもあれば、そういった旨の発言を、今の段階でやっているでしょう。しかし、昨今の企業のコンプラなどにより、そういった行為は特に、日本代表の期間で行うことは難しくなってきている。でも、伊東選手からしたら、「女遊び」を止める理由はないわけでしょ。だったら、一番簡単な解決は、日本代表から引退することでしょう。日本代表に呼ばれさえしなければ、こんなトラブルになっても、社会問題にならない。今まで通りにやれる。
こうやって考えてくると、どこまで、伊東選手というのは日本代表に選ばれ続けることを目標にしていたのかって、疑いたくなるんだよね。日本サッカー協会が赤字であることは有名だ。それだけに、大口のスポンサーに絶対に頭があがらないのも有名だ。しかし、サッカーとはスポーツであって、スポーツとは、基本的には子どもの教育や育成と深く結びついて発展してきたものだ。基本的にサッカーは日本中の子どもたちが行うものであって、子どもたちの夢だ。つまり、日本代表は、そういった子どもたちの「あこがれ」の対象として振る舞うことが求められる。
というか、そういった「イメージ」を投影できる選手に、スポンサーはお金を協会に払う。しかし、伊東選手は、不倫をやることをなにも悪いと思っていないし、「女遊び」もこれからもやりたいと思っているし、そんな、スポンサーが思い描く「子どものあこがれのイメージ」にふさわしい振舞いをやろうなんて、一度だって、思ったことはないわけでしょ。
だったらもう、この辺で、日本代表は引退します、でいいんじゃないかな。お互いにとって、それがウィンウィンなんじゃないかな...。