名古屋戦

J1第2節までで、2連勝がなかったことは、今年のJ1が「混戦」となることを示唆していると受けとられている。
今週は第3節が行われているが、やはり例年の「常連組」はスタートダッシュに苦労している印象がある。結局、サッカーは「軍資金」から獲得できる選手の「レベル」が決定する。そう考えると、どういったチームが強いかは、その時点で逆算できる。去年、神戸が優勝したことは一番分かりやすくて、お金のあるチームが勝つ。
そういった側面で見たとき、今節、注目を集めているのが、J2から上がってきた町田だろう。町田もお金が潤沢にあり、補強を大量にしたチームだ。現在、2勝1引き分けであり、しかも、鹿島を倒してのこの成績は注目に値する。
私がJ1の試合を見るとき、一点差ゲームというのは、結果は大きな差だが、かなりアクシデンタルなことで左右しうると考えると、全体の試合の運びまで見ないと、その実力差は判断できないと考えている。
新潟の第2節のガンバ大阪との試合は、確かに、一点差だったが内容としては、新潟のいい側面がかなり抑えられた、かなりn苦しい戦いだった。相手の監督が、以前にスペインの有名な監督のチームの分析官をやっていたという人で、この監督がJ2の監督だった頃から、この監督と新潟の対戦成績は、ほとんど勝っていないw いわゆる

  • ポゼショナル・プレー

の本場であるスペインの監督に、前のアルベルト監督に今の戦術のベースを確立した新潟が「苦手」にしていることがよく分かる試合だった。ただ、実際に勝てない試合だったかは疑わしい。というのは、新潟の先発メンバーが試合によって変わっているからだ。よって、この試合については判断が難しい側面がある。
対して、第3節の名古屋戦は新潟の今節、ホーム初戦ということもあって、重要な試合になった。
新潟は去年、名古屋にシーズン・ダブルを決められていて、苦手意識があったはずだ。他方、名古屋は今節、2連敗かつ無得点ということで、監督の去就が怪しくなる雰囲気がある。
結果は新潟の1−0の勝利だったが、得点が入ったのも後半の終了間際であり、試合は一進一退だった。名古屋は前半から、ハイプレスで新潟のビルドアップを攻略しようとしてきた。この評価は難しいが、概ね、新潟はこのプレッシャーの回避に成功したのだろう。ただそれは、かなりギリギリの印象がある。そのどこかで、名古屋がうまくひっかけて、一点が取れていれば、その評価は違ったものになっただろう。
(ただ、新潟のチームの調子のベルクマールとしては、このビルドアップの「安定」が最重要と私は考えているので、「結果」としてここで優位性があったことは、この試合を「優位」に進められていた、という印象とつながっている。)
つまり、名古屋は彼らの「戦略」としては、そこまで悪くなかった。この試合も堅守が光っていて、新潟はなかなか得点に結びつけられなかった。結果が引き分けで終わった可能性は高かっただろう。そういう意味で、そこまで名古屋のチーム状態は悪くない(ただ、実態として、一点も取っていないことは大きな現実ではあるが)。
新潟のこの試合の特徴は、宮本、長谷川、小野の3人のニューカマーがそろいぶみしたことだろう。この能力の高い3選手が、どこまで試合に出場して、チームにフィットして活躍するのかは興味深い。
新潟の問題は、センターバックの手駒が去年より少なくなっていることじゃないか。去年の、渡辺の穴を埋められていない。ここについては、シーズンを通じて、課題となりそうな印象がある...。