姜ハン『看羊録』

豊臣秀吉が、朝鮮侵略をしたとき、捕虜として捕えられ、日本に連れてこられた、儒者の、その時の記したもの。その頃の日本人、また、その頃の日本を朝鮮がどういった知識があったか、こういったことがよく分かる。なによりも、姜ハンが、日本の侵略に対して、あまりにも、朝鮮の防備が、ひどかったことを記したものは、圧巻である。姜ハンが、日本にいた、数年の間に、日本のその頃の儒者、藤原惺窩との交流をもったのは有名だが、藤原惺窩の流れが、徳川政権に影響を与えていったことから、徳川200年の平和を彼がつくったと言うような、そういった視点で読んでみるのもいいかもしれない。

看羊録―朝鮮儒者の日本抑留記 (東洋文庫 440)

看羊録―朝鮮儒者の日本抑留記 (東洋文庫 440)