マーヴィン・ミンスキー『心の社会』

昔、コンピュータ関係の書籍を紹介していた本でみつけて読んだ。
内容としては、子供の発達心理学的なアイデアから、人間の心の機能を解明していこうとする意欲作。「エージェント」という言葉は、あまりにも有名になった。
正直言うと、欧米の科学専門書という感じで、細かいことを、えんえん記述しすぎで、軽く読むには、ヘビーなところがあるが、幾つかのエッセイは、読みごたえある。
個人的に、いいと思ったのは、「9・1 欲することと好むこと」である。

どうして私たちは、非常にたくさんのことを、<好きな>、<好む>、<楽しむ>のような、なんの微妙なニュアンスもないものに要約してしまおうとするのだろうか。また、なぜこのように複雑なものごとを、楽しさの単純な値や量に押し込めてしまおうとするのだろうか。

どうしても、物事を、二項対立や、計量の問題などの、単純なモノサシで、割り切らないと、安心できない、大人の世界への、問題提起なのだろう。

心の社会

心の社会